第45話 ジュディマリを聞く少女⑤
第5話 DAYDREAM
「続いてのニュースです、北島四郎さんが死体で見つかりました、現場付近には大量のペットボトル..」
圭一はチャンネルを切り替えた
「力八関に反社会組織と繋がりがある疑惑...」
またチャンネルを変える、圭一はニュース番組が嫌いで社会問題などをあまり知らない
「来週に迫った花火大会特集です!」
「お、これにしよ」
圭一は地元で行われる花火大会の特集をしているバラエティー番組をつけた
「花火大会も楽しみですが、前夜祭も楽しみですね~」
「そうですね、お笑い芸人のドージャスさんも来ますからね」
「皆さん是非行ってみてください! 続いては天気予報です..」
「花火大会かぁ...」
圭一は晴奈の事を思い浮かべた。そしてすぐさま連絡した
"花火大会なんだけどさ、一緒に行かない?"
圭一はそわそわしながら返信を待つ、5分程して携帯の通知がなり恐る恐る携帯を開く
"いいよ! 一緒に行こう!"
圭一は「よしっ!」と小さな声で叫んだ。
"ありがとう! ちなみに前夜祭もどう?"
"ごめんね...前夜祭の日は友達の誕生日でそっちに行っちゃうんだ"
"そっか、じゃあ花火大会を一緒に行こうね"
"うん! 楽しみにしてるね"
圭一は喜びと同時に覚悟した...いよいよ告白をする時だと。
~花火大会当日~
"今どこにいる?"
オープンキャンパスの時と同じ場所で待ち合わせた2人だったが、花火大会という事もあり人混みが凄く圭一は晴奈を見つけられずにいた
"コンビニの前ら辺だよ"
"分かった、今向かうね"
LINEでの情報を頼りに人の流れに逆らいながらコンビニ前に向かう
「あ! 圭一君!」
晴奈は圭一を見つけ手を振る。晴奈は白く綺麗な浴衣を着ていた、その姿は人混みの中1人だけ輝いて見えた。
「混んでてなかなか前進めないね」
「そうだね、はぐれないようにしないと」
そういい圭一は晴奈の手を繋ごうと少し手を伸ばす...が、手に触れる勇気は無かった。
駅から会場へと続く道にも沢山屋台が並んでいる
「何か食べたいのある?」
「うーん...甘い物が良いかな、圭一君は何が食べたいの?」
「うーん...俺はかき氷かなー」
「いいね! 熱いしかき氷食べよっか」
「そうしよう!」
2人は会場に着くとかき氷の屋台を探し並び始める。
「いっぱい並んでるね」
「他にもかき氷屋さんあるのにね」
「でもここまで並んじゃったからもうここにしよっか」
2人は10分程並んで徐々に前に進んでいたが急にピタリと列が進まなくなる
「今からでも別の所並ぶ!?」
「そうだね!!」
会場内は音がうるさくて声が聞き取りずらく、2人とも大声で話している。列に並んでいる時に飲み物を飲み干してしまった晴奈は「飲み物を買いたい」と言うので一度列を外れ飲み物を売っている屋台へと並ぶ
「氷水に付けられた飲み物ってなんか気分上がらない?」
「自販機で買うより雰囲気があっていいよね」
飲み物屋は列が無く店番のおじさんが椅子に腰かけていて、圭一達が「すいませーん」と声をかけるとおじさんが椅子から立ち「らっしゃい!」と声をあげた
「あ...なんでここに」
晴奈が疑問を持った顔をする。どうしたの? と圭一は聞くが、いいや何でもないと晴奈はごまかしカルピスを頼む
「圭一君はいらないの?」
「うん、まだ飲み物残ってるからね」
「まいど~!」
「よし、改めてどこかかき氷屋並ぼうか」
「うん、そうしよう!」
ヒュ~~~ン... パーーン!!!
花火が上がる
「8時になったんだ!」
「綺麗だね~」
2人はその場に立ち止まり花火を見上げる。2分程見た後、「もっと見やすい場所に行こうか」と圭一が提案し人混みのあまり無い所に向かう。そこで1時間程花火をただ見ていた
「いよいよフィナーレね!」
「うん...そうだね」
圭一は決めていた、フィナーレと同時に告白をしようと。
「あの......晴奈!」
「何?」
この汗はただ暑くてかいている汗ではない。
「初めて会った時から...その...」
晴奈は目を麗わせ1滴涙を垂らした
「晴奈...その...!!」
その瞬間晴奈は口から血を吐き出した
「どうしたの!? 晴奈! 大丈夫!?」
「うぁ...私...」
「まって! 救急車呼ぶ!」
「バチが....当たっ...た......の」
晴奈の意識はどんどん遠退いていく
「喋らないで!! 横になってて!!!」
「っ......っ.............」
晴奈は声を出そうにも出せない状態になっていた、そんな晴奈は最後の力を振り絞りスマホを手に取り圭一にLINEを送った。その直後目を閉じ動かなくなった
「晴奈~~~~!!!!!」
最後に晴奈は圭一に"FB"と文字を送って死んでしまった、その後花火はフィナーレを迎えた、今年の花火大会は絶対に忘れる事の無い1日だ。
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最終話 会いに行くよ
その後晴奈は病院へ運ばれ死亡が確認された。僕は晴奈がいなくては生きてはいけない。
「晴奈、今そっちに行くからね」
僕は屋上から身を乗り出す。~完~
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