第43話 ジュディマリを聞く少女③

第3話 自転車


「力士を引退してかき氷屋を始めた力八関さんです!」

「来月には花火大会にも出店するゴワス」

「それは楽しみですね~」


今日は日曜日だからニュースはやってない。そして圭一にとって今日は過去一番楽しみで緊張の日だ、11時30分に自転車をこいで猫カフェに向かった。11時50分に到着すると、そこにはすでに晴奈の姿があった。


圭一は「あれ、12時集合だよね?」と確認すると晴奈は「緊張しちゃって」と笑いながら言った、2人とも同じ理由で早く来ていたのだ。ある意味2人の緊張はとけた。


予定より早く中に入り猫と戯れながら話をする


「進路はもう決まってる?」


「うーん...私何も決めて無くてさ...もう6月なのにまずいよね。圭一君は?」


「僕は動物が好きだから、ペットの専門学校に行こうと思うんだ」


「いいね! 私も動物好きなんだ!」


「じゃあ、今度一緒にオープンキャンパス行ってみる?」


「私バカだから...受からないと思う」


「専門学校は大丈夫だよ! 勉強とか必要無いの」


「そうなんだ、じゃあ行きたい! でも私...学校通えるかな」


「大丈夫大丈夫! 行くだけ行って雰囲気だけでも見てみよう」


「...うん!!」


晴奈には何か事情があるのかな...と圭一は思ったが深くは聞かない事にした。


晴奈は話題を変え「ジュディマリの好きな曲ランキング発表しよう」と言ってきた。


「いいよ! この前言った曲は無しね。僕の3位はクラシック」


「やっぱ定番で良いよね~。私の3位はラブリーベイベー」


「うわ~! 女の子っぽい!」


「何それ~」


やっぱりジュディマリの話題は盛り上がる。今圭一は幸せで仕方なかった


「2位はね、POWER OF LOVE」


「私の2位は、エゴイスト・・・?」


晴奈の選曲を聞けば聞く程好きになる


「1位はね、ラッキープール」


「やっぱり~? 私も大好き~! 必ずカラオケで歌うもん!」


「そうなんだ! カラオケ行きたいな~」


「今度行こうよ!」


「え、いいの?!」


さりげなく次のデートの予定を作れた


「じゃあ私の1位ね! 私は...クリスマスかな!」


「す...す...凄く良いと思う」


圭一はドキドキしすぎて、好きすぎて苦しい。


その後2時間程会話し、時々気まずくなる時もあったが2人はLINEを交換して笑顔でバイバイする。また自転車をこいで家に帰るのだった

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