第39話 デスコード④
ケイ「無駄になんかしない...ユカワさん」
ユカワの死のおかげでケイが爆発に巻き込まれる事は無かった、しかし爆発を受けて尚コードは切れなかった、それには暴念と代表も驚いていた。
暴念「本当は爆発で壊れる予定だったんですが、想像よりも頑丈でしたね...」
代表「予定外だが、これを乗り越えてこそ"無"から"何か"を生み出せる人間だ。我々も知らない攻略法を見せて貰おうか」
一方ケイのいる部屋はまだ煙が充満している状態だった
ケイ「どうしたらいいんだ...爆発で壊れないだと...そんなもんもう壊せない」
今までのケイならここで諦めてたかも知れない、しかしユカワの死を無駄にする事だけは絶対にしたくない。ケイは必死に頭を回転させた
ケイ「考えろ! 質問はまだ3回できる! 1つ余らせて2つを現状の確認に使おう」
「制限時間はのこり2~3分の間ですか」◎
「コードを切らなくても部屋から脱出できればクリアですか」◎
部屋の煙の充満が徐々に解消していく
ケイ(煙...煙だ! 窓なんて無いこの部屋で煙が徐々に消えていくと言う事はどこかに空気が通ずる場所があるんだ!)
ケイは防護盾を円を書く様に回し風の流れを見る、すると扉とは反対側の壁の右上に煙が逃げていくのが見える
(あそこから煙が逃げている! あそこは排気口なのか? 少し凹んでいるように見える。恐らくこの部屋全体は爆発に耐えれるように鉄でできているが排気口だけは強度が少し弱く、爆発により完全に壊れるまではいかないもののかなりの損傷ができた。あそこを開けて脱出できないか?)
しかしケイの身長では排気口にギリギリ手が届かず、仮に届いたとしても手を伸ばした状態では力が入らず排気口を開ける事は不可能だろう
(どうしたら良い...ジャンプすれば届くけどジャンプ中に壊して開けるなんてできるのか? 落ち着け、時間はもう1分も無い)
ケイはユカワの最後の言葉を思い出した...
ユカワ「頭を使え...」
(...そうだ! 頭を使うんだ!)
まずケイは何回かジャンプし凹んだ排気口のネジが緩んでいる事を確認、その後床に落ちてるユカワの生首の髪の毛を掴んだ
(確か人の頭はボウリングの玉と同じくらい重いと聞いた事がある、ならユカワさんの生首を当て続けたら!)
ケイはユカワの髪の毛を持って生首をぶん回す、生首を排気口に何回も何回も振りかぶりぶつける、
カチャン...
ネジが外れ排気口のフタが取れる音がする
ケイ「開いた!!」
ケイは少し後ろに下がり勢いをつけた後思いっきりジャンプして排気口に手を掛ける、その後排気口の中に体をよじらせながら入り、狭くて真っ暗な道を這いつくばって前に進む...30秒程進んだ後だろうか、光が見えてくる。
(なんだあの光は...)
光の元に着くと、真下にカジノルームが見える
(ここを! このフタを開ければ!!)
ケイはマイナスドライバーの代わりにズボンに入っていた10円を手に取り排気口のフタのネジを回す。
(3...4箇所! これで開く!)
ケイはフタを開け降りようとするが上手く力が入らず落下する。
ケイ「痛っ...ここは...」
暴念「おめでとう。脱出成功だ」
ケイはカジノルームに戻ってきた、脱出成功したのだ
リカ「なんてダサい脱出方法かしら」
ソウ「顔真っ黒じゃねぇか」
リュウ「これで合格者は4人か」
ケイ「勝った.........」
暴念「とりあえず治療だ、おいお前ら」
暴念の部下がケイの額に包帯を巻き汚れを拭き取ってくれる、パニック状態から少し冷静になったケイはまずユカワの死体がある方に黙祷をする...その後は単純に気になった事を質問した
ケイ「リカ達は、どうやって3人でクリアしたんだ?」
リカ「質問できる所までは簡単に気付けた。そこから物を頼めるって事に気付いた時、その物はどこから届けるんだろうと考えた。どこから物を渡してくれるかを質問し天井と言う事を確認し、私達は大きくて部屋に持ち込むまで時間のかかる"はしご"を注文した。結果はしごを天井から床に落とすまでに時間がかかり、その間に肩車していたソウとリュウが開いた天井に手を掛け登ったってわけ」
ケイ「コードは関係無く脱出すれば成功と言う事、どこから物を渡されるか質問した事、そしてそこから脱出しようとした事...くそっ...1枚上手だな。俺には20回しかできない質問をそこに使う勇気は無かった」
リカ「20回しか質問できない...?」
ケイ「気付いてなかったのか?」
リカ「えぇ、なら私達はあれ以上質問できなかったのか...運が見方したのかも」
暴念「質問回数の制限に気付いていたのはケイ様のチームだけでしたよ」
ケイ「そうだったのか...でも逆にそれが命取りで本当に聞くべき質問ができなかった」
暴念「何はともあれクリアはクリアです。最終ゲーム期待してます」
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