第38話 デスコード③
制限時間残り10分、質問上限6回
ユカワ「ケイ君、僕はこれを水平思考ゲームと言ったが、それと同時に脱出ゲームでもある。という事は質問だけでなく他の事もできるんじゃないか?」
ケイ「他の事...何だ?」
ユカワ「例えば、物を頼むとか」
ケイ「何!? 確かに"○○を貰えますか"など言えばくれるかも知れない」
ユカワ「そして頼む物は"防護盾"だ」
ケイ「何故!? 俺にはよく分からないけど例えば"はんだごて"とか"チェンソー"とかそういう壊せる何かを頼むべきじゃないですか!?」
ユカワ「いいや、仮に手に入ってもこんな短時間で切断はできない。それより今は爆発に備えるんだ」
ケイ「何言ってるんですか! 爆発したらゲームオーバーですよ! 敗けを認めて生きる事を優先しろって事ですか!?」
ユカワ「...私に1つ質問させてくれないか」
ケイ「えぇ、いいですけど」
ユカワはスピーカーに向かい
「爆発した後もゲームは続きますか」
と質問した。結果は◎だった
ユカワ「ケイ君は制限時間と爆弾する時間が一緒だと思い込んでいただけだ、つまり本当の制限時間は爆発が起こった更に何分か後」
ケイ「30分後に爆弾が爆発すると質問して◎だったけど、30分後にはもう爆発しているって事か」
ユカワ「制限時間は30分なのだから爆発は25分か27分と言った所だろう。防護盾でその爆発に備えてその後に脱出する」
ケイ「爆発と制限時間にタイムラグがあるからって爆発が起きた後の2~3分で何ができるって言うんですか? 何かコードを壊す方法があるなら爆発前にやっちゃえばいいんじゃ...あ! 壊す方法ってまさか!」
ユカワ「そう。爆発によってこのコードを破壊するんだ、それが一番理に適っている」
ケイ「残り時間が少ない! 質問しますよ!」
ユカワ「頼んだ」
ケイ「防護盾を貰えますか!!!」
ピンポーン!
数秒後天井の一部が外れ防護盾が落ちてきた。その後天井はまた元に戻った。防護盾は想像していたものよりも小さく頑張って1人が入るサイズだった
ユカワ「もう1つ頼むしか無いな」
ケイ「はい」
そうしてケイはもう一度スピーカーに向かい防護盾を頼んだが...
ブブー!
ケイ「何故さっきは◎だったのに今回は✕なんだ!」
ユカワ「まさか......」
ケイ「何か気付いたんですか?」
ユカワはスピーカーに向かい
「物を頼めるのは一度だけですか?」
と質問する。答えは◎だった
ユカワ「やられたな。俺達は確認を怠った」
ケイ「そんな...でもこの防護盾なんとか2人」
ユカワ「無理だ! 仮に2人とも生き延びても四肢のうちどこかが損傷、失う事は確かだ。なら1人が確実に生き延びるべき」
ケイ「分かりました...その1人を、どうやって決めるか提案があります」
ケイは暴力での解決を一瞬考えた、相手は67のおじさんだし力で行使したらケイの100%勝ちだ。しかしここまでほぼユカワのおかげで攻略できた事、何より優しい人柄にケイは完全ランダムのじゃんけんでの勝負を申し出た
ユカワ「断る」
ケイ「何故ですか! もう時間も無いんです! 生き残る1人を決めましょう!」
ユカワ「生き残るのは君だ」
ケイ「はい...? 僕?」
ユカワ「その方が理に適っている、67歳の老いぼれに対して君は若い。そしてここまで生き残った優秀な遺伝子だ。こんな所で死なす訳にはいかない」
ケイ「優秀って...貴方の方がそうですよ!」
ユカワ「かも知れない。今はな...」
ケイ「そんな...まだ時間はあります! 限界まで考えましょう!」
ユカワ「優秀な私が言っているんだ、もう手は無い、唯一できる事と言えばこれかな」
そう言いユカワは爆弾の上に覆い被さった
ユカワ「爆発がどれ程の物か分かっていない、ならこうして少しでも爆風を弱めればケイ君への被害は少ないだろう」
ケイ「やめてくれ!!」
ユカワ「来るな!!!!」
恐怖に抗う為目を真っ赤にするユカワ、これから恩人を失う悲しさから目を真っ赤にするケイ
ユカワ「いいかケイ君、まずこの部屋でゲームが始まっている事に気付いたのは私達がトップクラスに早いはず、そして質問ができる事、回数制限があること、物が貰える事、ここまで"無"から気付けたのは我々かリカのグループくらいだろう、つまりこれから最終ゲームに挑むケイ君の敵はせいぜい3~4人程、ケイくんならできるはずだ」
ケイ「そんな、ほぼユカワさんのおかげで...」
ユカワ「早く部屋の角へ行き防護盾を構えろ」
ケイ「くっ...」
ケイは声も出せぬまま部屋の角へ行き防護盾を構える
ユカワ「良いかケイ君、困ったら頭を使え...」
ドガーーーーンッッッッッッ!!!!!
ものすごい爆発で部屋が一気に煙まみれになる
ケイ「ユ...ユカワさぁぁぁん!!!!!」
ケイは防護盾を捨て部屋の中央にいるはずのユカワの元へかけよる...そこにあったのはユカワの生首だ
ケイ「ぐっ...ぐぁぁ........」
ケイの涙がユカワの額に当たる...何滴も何滴も
ケイ「無駄にしてたまるか...たまるか!!」
ケイは涙を手で拭い部屋の扉の方へ向かい手をかける............しかし
ケイの「開かない..!何でだ!」
ケイは急いで中央のコードを確認するが、コードは切れていなかった、爆発さえも耐えうる悪魔のコード、まさに"デスコード"だ
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