第34話 慶次VSケンさん①

~6日目夜~


ケイはわらしべ長者でゲットした8万円で売店に行き少し高級なお酒とお菓子を買い、部屋でパーティーをする。


おめでとうと心から喜ぶアユと、喜びながらも少し心配なミオ、明日が最終ゲームだと言うのにお酒を大量に飲むケイ。


「本当に任せて良いのかしら...」


パーティーに呼ばれたアカリは不安を覚えた。


「まぁまぁ!! 今考えてもどうにもなんないっしょ! アカリも飲めよ!!」


「もうケイ酔いすぎ。アカリも迷惑してるよ」


「はぁ...」


アカリはこんな男に全てを託した事を後悔した


~7日目朝~ 2018年7月24日


ファイナリスト11人はホテルの地下10階に招待される。そこには広大で豪華なカジノルームがあった。


「只今準備をしております。もうしばらくお待ち下さい」


と最終ゲームの司会を務める暴念が言ったので、待ち時間ができたケイはカジノルームを見て回る事にした


「お! パチンコもあるのか、これは最新の華の慶次だ!」


ケイは周りを見て、皆自由にしてる事を確認した後持っていた3万円を使い"CR華の慶次3"を打ち始めた。


「あら、私も隣失礼しようかしら」


そう言ってケイの隣の台に座ったのはリカだ


「リカ、今日の勝負では負けないからな」

「そんな事より、まずパチンコ負けないといいわね」

「負けねぇよ! リカこそ負けないといいな」


リカが座ったのは"CR大工のケンさん4"だ


「私も投資金額は3万円、まずここで勝負ね」

「あぁ、リカよりも当ててやるよ!」


こうしてケイVSリカのパチンコ勝負が始まった


ケイは早速球貸しを押すと100球しか出てこないのに千円分消費されている事にバグが起きていると思ったがその後台の横に挟まっている説明書を見て衝撃を受ける


「じ...10円パチンコだって!?」


本来パチンコとは1球1円か4円が基本で、1球に10円の価値があるパチンコは存在しない...しかしここは地下にある違法カジノ、金持ちが興奮するようにホテル側は10パチを作ったのだ


「3万円で3千発ね...」


待ち時間に丁度良い短期決戦となったパチンコ勝負だが、実はこの勝負ケイが有利に進んでいた。何故ならリカの台は1/319のミドル台、それに対してケイは1/99の甘デジ台、両方の台ともLUSH突入率は50%だが華の慶次はLUSH非突入でも時短30回がついてくるので実質突入率は63.5%だ。


「悪いなリカ、俺が先に当てる、これは直感などでは無く"理"だ」

「ふん...パチンコは心の持ちようで決まるのよ、甘デジ台だろうとミドル台だろうと当たる時はすぐ当たるし当たらない時は一切出ない」


リカは自信満々に大工のケンさんを打ち始めた。


両者打ち始めて1分で千円が溶ける、100発で7回転したリカに対しケイは5回転だ。甘デジは店側の回収率が悪いため釘も多少閉まっている


そのまま10分が経過し、両者1万を溶かした所でリカの保留が緑色に変化していた


「緑保留か、ミドル台でそれは弱いな」

「本当にそうかしら?」


そう言いリカは画面の左下を指差す


「くっ...先読みカスタムか!」


リカは先読み設定を"熱"に設定したいた、つまり本来弱めのこの緑保留はかなり熱いのだ。


そして迎えた緑保留...勿論リーチはかかるがそこから演出に発展........した!


「くそっ! 当たるな!!」


ケイはつい叫んでいた。


"相手の社長を倒せば大当たり!"


画面が暗転した後真っ赤なケンさんが画面いっぱいに映る。そして相手の社長めがけて思いっきりハンマーを降りかぶり...


"さぁ! ボタンを押してくれ!!"


激熱演出にリカはニヤりとボタンを押す






スカッ...



リーチは外れ元の画面に戻った


「チェッ...」

「フッ、そんな簡単に当たってたまるか」


舌打ちしたリカをケイが煽ったその時、外れたはずのリカの画面がまた暗転して金色の文字が流れる


"お願い・・・"


"帰ってきて・・・"


"私もう・・・"


"何もいらない・・・"


そしてヒロインの女の子が登場し祈りのポーズを捧げている。そのまま女の子の顔にズームしていき...




ドゥィンドゥインドゥインドゥイン!! キュキュキュキュキュキュキュイ~~~ン!!!


虹色のケンさんが画面いっぱいに映りレバーが思いっきり振動した。



"おいらが大工の、ケンさんでい!!"



こうしてリカは当たりを引いた。しかし7当たりじゃ無かった為ここから更に演出を当てなければならない。


「まだLUSHかは分からない、けど3Rは確定で貰えるから450発、つまり4500円は返ってくる」

「ふん、一万円使ったから結局マイナスじゃねぇか」

「LUSHを引かなければ...ね」


余裕なリカを見てケイは本当にLUSHを引いてしまうんじゃないか...と恐怖を覚えた



"敵を全て倒せたらLUSH突入"


リカが右打ちをしている間にボタンを押すチャンスが三回ある、その三回で約500人の敵を倒せばLUSH突入だ。


まず一回目、


"残り320人"


そして二回目


"残り52人"


最後の一回...その直前にレバーが一瞬振動した


「フフッ...LUSHもーらい」


最後のボタンを押すと...


"残り0人"



ブルルルルルルル!!!!


レバーが思いっきり振動し画面いっぱいにLUSH突入の文字が現れる。そして3Rだったヘソの出玉も10Rに変更された


「くそっ! 何で1/319がたったの60回程度で当たるんだ!」


大工のケンさんのLUSH継続率は93%(1/2を3回と残保留1回)。当たり内訳は85%で2R、15%で10R(次回大当たり濃厚)


"超ケンLUSHスタート!!"


始まりと同時に図柄が444で揃っている


「さ、まだまだ行くわよ」


と強気のリカに台が呼応したのかそのまま8連チャンし...


"極限ボーナス!!"


9連目にして10Rボーナスを手に入れる


「継続率93%って事は、そろそろ外れを引いてもおかしくない、リカの勢いもここまでだ」


無理やり"理"による言い訳をしたケイだが、心の奥底ではまだまだ終わらない事を感じ取っていた


その後も

"444"

"111"

"888"

そして"777"の極限ボーナスを当てまた

"444"

"333"

そしてその後"777" "777"と2連続で極限3000ボーナスを当てた。


そのままLUSHを継続させ気づけば20連していたその時...


"833"

"241"

"145"


3連続で外れを引きラストチャンス(残保留1回)となる。


"右打ちでチャージしてくれ"


ここで1/2(正確には1/2.17)を外すとLUSHが終了し左打ちに戻る



"行くぜ! 最後の一発~~!!"


"ボタンを押せ"


「来い!!!!」


リカが大声で叫びボタンを押すと


キュキュキュキュキュキュキュイ~~~ン!!


"777"


当たりどころかまたも極限ボーナスを叩き出した。こうして止まることを知らず59連チャンしてリカのLUSHは終わった。


「計33600発、実際に手元に来たのは32800発、つまり328000円の勝ちよ」


「ぐっ......」


ケイはここから2000玉で33万もの利益を作らなければならない


「そうなればもう甘デジには座れないな」


と言いケイは席を離れ、5台隣にあるミドル台"華の慶次4"に座った


「ここから反撃開始だ!」






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る