第30話 審判ポーカー②
ジャンケンの結果ケイが先行となり審判ポーカーが始まった。
ケイは5を出しそれに対してアカリが裏向きでカードを出す。
ケイ「セオリーで言ったら6を出すか7を出すかだな」
アカリ「私がそんな単純なら良いわね」
ケイはアカリ相手に読みが通じるとは最初から思っていない、深読みするとよりアカリの術中にハマるので最初から審判ポーカーにおけるセオリーのみで勝負しようと決めていた
ケイ「宣言、アカリが出したカードは6だ」
アカリ「残念。不正解よ」
アカリが自分のカードを表にする、その数字は8だった
ケイ「セオリーの上を行ったか」
こうしてアカリに13点入った。
〜第2試合〜 先行アカリ
アカリは4を出した
ケイ「流石だ。初めて審判ポーカーをやるのにここで4を出せるとはな」
アカリ「簡単に分かる事よ。ケイは第1試合で5を出した。つまり今回私の4に対してセオリーの5を出せず勝とうとしたら6以上を出さなければならない」
ケイ「本当は1点差で勝つのが理想なんだけどな、仕方ないから俺は6を出すしか無い、でもそんなのすぐにバレて宣言される、かと言って7以上の数字を4に対して出したくない。困ったな」
ケイは少し考えたのち裏向きでカードを提出
アカリ「ケイ、貴方は読み合いを放棄してこのゲームにおけるセオリーだけで勝とうとしてる、つまりケイのカードは...6よ」
ケイ「ククッ...この盤面でのセオリーは6を出す事じゃないんだな」
ケイはカードを表にする...その数字は4だ
アカリ「引き分けか」
第2試合は4対4で引き分けとなった。
〜第3試合〜 先行ケイ
ケイは7を出した、理由はアカリが既に8を持っていないからだ。
アカリ「私が勝つには9か10を出さないといけないのね」
そう言いアカリはカードを出す。
ケイ「アカリは今リードしてるからこの勝負は捨てて良いと考えてるはずだ。もし俺がここで6以下の数字を宣言で当てれば点数を2倍貰える、そしてセオリー通りならアカリが選んだ数字は2とされる。だが俺がセオリー通り2を宣言する事はアカリも読んでいる、つまり俺が宣言するのは3だ!!」
アカリがカードを表にする...数字は2だった
ケイ「グッ...セオリー通り行くべきだった」
アカリ「ケイには無理よ」
ケイ「何故そう言える? 俺が2と言う可能性も十分あったぞ」
アカリ「貴方は第2試合で4を出して引き分けにした、でもやっぱりセオリーは6を出す事だった、なのに私に6を宣言される事を恐れ4を出した。あの時ケイはセオリーを捨てたのよ」
ケイ「クソッ...こうなったらセオリーなんて捨てて本気の読み合いで勝利してやる!」
ケイの宣言が外れたとは言え数字の大小で勝っているのでケイに9点が入る
〜第4試合〜 先行アカリ
ケイ 1.2.3.×.×.6.×.8.9.10 現在9点
アカリ1.×.3.×.5.6.7.×.9.10 現在13点
アカリは6を出し、それに対しケイはすぐにカードを裏向きで出した。
アカリ「今回ケイが6を出して引き分けにする可能性は無い。何故なら今ケイが6のカードを消費すると4~7のカードを全て失い、私が先行で3や5を出した時にもケイは勝つ為に8以上のカードを出さなくてはならなくなる」
ケイ「確かにここで6を出したら今は良くとも後の勝負に響いてくる、でも逆に言えばアカリが6を宣言しない事も分かってる」
アカリ「私が6と宣言する事は無い、仮に6を出していて宣言が失敗しても私が有利になる事は確かだからだ。そして宣言すべきは8か9...決めた、8だ」
アカリは8を宣言しケイのカードをめくる、ケイの数字は...2だ
アカリ「まだ攻めないつもりなの?」
ケイ「ククッ...勝負すべきは今じゃない」
アカリは10点を獲得
~第5試合~ 先行ケイ
ケイ 1.×.3.×.×.6.×.8.9.10 現在9点
アカリ1.×.3.×.5.×.7.×.9.10 現在23点
アカリ「私まだ偶数しか出して無いわ」
ケイ「数字を3つ以上並んで消費すると狙われるからな。初めてこのゲームやるくせにそこに気付けるなんて、やっぱ天才だな」
褒め称えてもアカリは無表情、ケイは手札から10のカードを取り出す
アカリ「ここで10を出す事も読めた、私には全てお見通しよ」
ケイ「10は先行で出せば負けないからな」
10が負ける数字は1しかない、つまり10を出して1を宣言すれば必ず勝てるのだ。
アカリがカードを出すとケイは即答で1と宣言する、案の定アカリは1を出しケイは11点を獲得。しかし続く第6試合アカリも10を出しケイのカードに対し1を宣言し成功。11点を手に入れる
~第7試合~ 先行ケイ
ケイ ×.×.3.×.×.6.×.8.9.× 現在20点
アカリ×.×.3.×.5.×.7.×.9.× 現在34点
ケイ「最後の先行か...出すのは勿論9だ」
アカリ「でしょうね。先行より後攻の方が低い数字を出した時、宣言を当てれば2倍得点が貰える...それが狙いね」
アカリも裏向きでカードを出す。
アカリ「さぁ、ここで当てなければゲームオーバーよ」
アカリが宣言を当てられた時一番失点をするのが 7 (9+7×2=32点)で、一番失点しないのが 9 9 (9+9=18点)だからセオリーで行けば9を出すべき。しかしアカリの脳はそんな単純なのか...
ケイ「7で無い事は確かだ、次のターンアカリは7を出して8と宣言すれば100%勝てるから。ここでアカリはあまり価値の無い3か5を捨てたいだろうが、より捨てたいのは5か。何故なら一見3よりも5の方が価値がある様に見えるが、俺が6を持っている事で負けた時に相手に点数を多くとられる5の方がアカリにとって不要なカードだ」
アカリ「じゃあ宣言は5で良いのかしら?」
ケイ「違う!」
アカリ「は? たった今5みたいな事言ってたじゃない」
ケイ「俺は本気で5だと思ってる、でもどうせ違うんだ...俺の考えなんて全てアカリに読まれてる、だからこそ5じゃないんだ...俺は俺を信じない!!!」
アカリ「カッコよく可哀想な事言ってるわね」
ケイ「俺が勝手に落とし穴に落ちるのを待ってる、アカリは余裕な位置で高みの見物をしている...つまり一番リスクの無い選択"9"を選んだはずだ!」
アカリ「9出すと次のターン私不利だけどね」
ケイ「いいや、次のターンアカリは先行、そして残すカードはお互い3枚、アカリは宣言を当てる自信があるんだ! だからここで9を失っても痛くない」
アカリ「私の事過剰に評価しすぎよ」
ケイ「そりゃするさ、アカリは天才だ。だからこそ次のターン絶対に宣言を当ててくる! だからこの試合はもし負けても一番点数の開かない数字を選んでくる! つまりお前のカードは"9"だ!!」
ケイは勢いよくアカリの出したカードを表向きにする、そこに書かれていた数字は...
アカリ「良く分かったわね」
アカリのカードは9だった。ケイは18点を獲得し点差が逆転した。
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