第24話 フルーツパーティー③

セイガは死んだ。その一部始終をモブコと監察室から見ていたゴウが語る。


ゴウ「ミニゲームは1分間で針の穴に糸を10個通すと言うものだった。結果はセイガが6個、モブコが1個だ」


ケイ「モブコが1だと?! お前裁縫得意なんじゃないのかよ!」


モブコ「そんな事言ってないわよ! この場だったら私が1番できるかなとは思ったけど得意では無いわ!」


マイク「それでも1個だけなのは怪しいナ」


モブコ「私は運良く4日目まで残っただけだし、皆ほど冷静になってられないのよ! 死ぬかも知れない状況で針を1個でも通しただけ凄いと思って!」


ケイ「まぁ針を1個しか通さないのは狼としてはあからさますぎる...」


モブコ「でしょ! 私は狼じゃない!」


皆が言い合いしてる間もチョーは無言だ。


マイク「セイガはどう死んでどこに行ったンダ?」


モブコ「壁が開いて、銃を持った人が出てきてセイガが撃たれて、その後運ばれていったわ」


ケイは急いでチャレンジ部屋に入り壁を確認すると、カラフルな模様で分からなかったが確かにドアがあった。しかしドアノブが無いので反対側からしか開かない様になっている。


マイク「とりあえずモブコをミニゲームに参加させるのは無しダ、現状俺から見て怪しく無いのはチョーとケイ。この2人で参加できるゲームが望ましい」


全員がモブコに疑いをかけつつ次のミニゲームが始まった


ヒカリ「次のミニゲームは"ゴルフ"です!」


ケイはゴルフの経験が無かった。同じくチョーも自信が無く唯一ゴルフの経験があるのはゴウだけだった


マイク「あと1人どうするカ」


ケイ「マイク、お前だろ」


マイク「俺はゴルフは得意ではナイ」


ケイ「お前だけミニゲームをまだやってないだろ! そうやって今回もミニゲームを避けて生きるつもりか? お前も死線を潜れ!」


ゴウ「そうだ! お前だけずるいぞ!」


マイク「はぁ...分かった。俺がずっと監察官となり狼を探そうと思ったが、まずは皆の誤解を解くとしよウ」


ケイ「監察官は俺がなる」


こうしてゴウとマイクがチャレンジ部屋に入ると部屋には社長室にあるようなパターゴルフセットが置かれていた。


ヒカリ「1人3回までパターゴルフに挑戦していただき、2人で合計3回カップインして下さい。ではスタート!」


マイク「まずゴウ、頼んダ」


そうしてゴウの1打目...だが失敗した。次はマイクの番と思われたがマイクは次もゴウに挑戦する様頼んだ


ゴウ「ふざけんな、何故俺が連続なんだ?」


マイク「お前は懸垂のミニゲームで29回しかできなかっタ。お前が怪しいからこそ先にパターを3回やらせて何回クリアできるか見ておきたいのダ」


ゴウ「怪しいので言ったらお前も一緒だぞ! 全くミニゲームに参加しないでよぉ!」


マイク「参加しない事は全く怪しく無い。むしろ狼は死ぬ可能性が無いから積極的にミニゲームに参加したいはずダ」


ゴウ「ぐっ...分かったよ」


こうしてゴウは2打目、3打目と続けて挑戦し1点を獲得。そしてマイクは1打目を成功させ2打目を失敗。3打目を失敗するとどちらかが死ぬ事になる...運命の3打目結果は...



ヒカリ「全部屋終了しました! クリアした部屋にはメダルが落ちてきます!」


ゴウ「イテッ..」


ゴウの頭にメダルが落ちてくる、マイクの3打目は成功した。


部屋に戻りマイクがガチャガチャを回すと、ブドウの缶バッジが出てくる。今まで一度も被る事無く残すはミカンのみとなった


マイク「ここまで缶バッチを被らず引けたが現在ガチャガチャの中身はミカン3個とそれ以外が6個でミカンを引ける確率は1/3ダ。逆に言えば狼を特定しないまま1/3で終わってしまウ」


ケイ「そこでだ、提案がある」


ケイは残酷だが合理的な作戦を考えた


ケイ「次のミニゲーム、現在怪しまれてるゴウとモブコにやらせないか?」


マイク「なるほど、失敗する事前提で死ななかった方が狼...」


ゴウ「そんなの反対だぜ! なんでモブコとなんか」


モブコ「こっちこそ願い下げよ! わざわざ死にに行くなんて」


チョー「.........俺は賛成」


マイク「俺モ」


ケイ「過半数が納得したんだ、決まりだな」


ゴウ「クソッ!」


ゴウとモブコ、市民の役職を引いた方は気が気じゃ無いだろう。ゲームジャンルによっては1人でクリアできるかも知れないが無情にも今回のジャンルは...


ヒカリ「次は"一般常識問題"です!」


ゴウ「終わった...」


モブコも顔を青ざめる。2人とも苦手ジャンルだった様だ、しかしケイ達にとってはラッキーだった。失敗して死ななかった方が狼でほぼ決まりだからだ。


ケイが監察官になりゴウとモブコはチャレンジ部屋に入る、そしてヒカリから今回のゲームの説明を受ける


ヒカリ「10秒毎に問題が変わり、計6問出題します。回答は1問につき2人で1回、合計4問正解したらクリア。それではスタート!」


画面に問題が映し出される


1問目 "73の次の素数は何?"


ケイは10秒もあれば簡単に解ける問題だと心の中で思うが実際チャレンジ部屋に入ると頭が回らなくなりパニックになる。


制限時間残り3秒の所でゴウが"76"と答えるが不正解。答えは79だった


モブコ「バカじゃないの!?素数だってのに偶数答えるなんて! お前やっぱ狼か!」


ゴウ「うるせぇ! お前が全然答えようとしねぇから一か八か答えてみたんだよ!」


すでに2人は理性を失っている...否。狼は理性を失ったフリをしている。


2問目 "2番目に大きい都道府県は?"


モブコは問題文が映るとすぐに「岩手県!」と即答し、画面に大きく正解と表示された。


ゴウ「ナイス!!」


モブコ「フンッ」


3問目 "M-1グランプリ2016~2018年の準優勝は誰?"


この問題はゴウが「和牛」と即答し正解した。しかし続く4問目は不正解で、後が無い状態となった。


5問目 "徳川家康が祀られている建物は?"


モブコ「えーと...確かあの、見猿聞か猿言わ猿とかのあの場所」


ゴウ「徳川家康の事は分からないが三猿で有名なのは日光東照宮だ!」


5問目は2人の力で正解した。


次が最終問題、ここでミスればどちらかが死ぬ事になる。


6問目 "eスポーツのeとは何の事?"


ゴウ「分かんねぇよ...」


ゴウもモブコも分からなかった...残り2秒の所でモブコが「インターナショナル」と答えるが不正解。答えは"エレクトロニック・スポーツ」だった。


ゴウ「クソッ、ゲーム失敗って事はモブコが狼、俺が死ぬ事になるじゃねぇか!」


モブコ「何言ってんだ! お前が狼だろ!」


ゴウ「嘘つけ! わざとミスったくせに! インターナショナルって" e "じゃなくて" i "じゃねぇか!」


モブコ「ひねり出しても何も浮かばなかったのよ!」


2人の怒号が響く部屋に、外側からしか開けられないドアから武装したピストルを持った男が現れる


ゴウ「やめろ...やめろー!!」


ゴウは武装した男に飛び掛かりモブコはただ震えている。武装した男は圧倒的な力でゴウを振り払い拳銃をゴウに向ける...そして


ゴウ「うわぁ〜!!」


ゴウは2発、3発と銃を撃たれ死んだ。モブコは自分じゃ無かったとホッとして涙が溢れていた。


それを見ていたケイは急いで監察室を出てチャレンジ部屋に入る。するとゴウは武装した男に連れられ部屋を後にした。


ケイ「モブコォォォ!!!」


モブコ「何よ! 私狼じゃ無いわ!!!」


ケイ「もういい、お前にゲームはさせない」


こうしてミニゲームは終わり次のミニゲームを始める。


ヒカリ「次のジャンルは"体力"です!」


"体力"では懸垂で圧倒的な運動神経を見せたチョーが参加し、もう1人はゴウが居なくなってしまった為替わりにケイが参加し、マイクは監察官となる。ゲーム内容は1分間に腕立て伏せを100回やるという物で、チョーは60回ピッタリ、ケイは51回をやりきった。


ケイ「死ぬかと思った...」


ケイは両手がプルプル震え大汗をかきながら部屋を出る。チョーがメダルを拾いガチャガチャに入れると出てきたのは...




チョー「......揃った」



ブドウが出てきた。1度も被る事無くフルーツを4つ揃えるとスピーカーからヒカリの声が聞こえる


ヒカリ「やっとフルーツを揃えた部屋が3部屋出てきました! しかしまだクリアではありません、最後に狼を当てたらクリアです! それでは3分間誰が狼かを予想し、その後投票を行なってくださ〜い!」


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