第22話 フルーツパーティー①

ヒカリ「皆で協力! ワクワクフルーツパーティ〜!!」


ケイがいる部屋の6人は、ヒカリのテンションと遊園地のアトラクションの様なゲーム名に逆に悪寒がした。


ヒカリ「まずゲームを始める前に皆で自己紹介をして下さーい!」


〜部屋の6人〜

ケイ

マイク

ゴウ

セイガ

モブコ

チョー


4日目まで残った人達となると顔見知りのメンバーもそこそこいる。マイクは1日目の命綱観覧車でケイの直前にクリアした奴で、ゴウは3日目の極寒迷路でアユと共に行動していた奴だ。セイガとモブコは団体戦人狼でケイと戦っている、初見なのはチョーと言う人物だけ、だがどこか見覚えのある顔だ...


ヒカリ「各部屋自己紹介が終わった見たいね! じゃあゲームの説明しま~す! まず皆様の部屋にはガチャガチャの台と隣の部屋に繋がるドアが2つあります! 2つのドアを開けてみて下さい!」


ケイ達はドアを2つ開ける。1つはカラフルな模様の部屋で、もう1つはそのカラフルな部屋をマジックミラー越しに見れる、まるで警察の取り調べ室の様な部屋だ。


ヒカリ「皆様には毎ターンこのカラフルな部屋に2人で入ってもらいミニゲームをクリアして貰います、クリアするとメダルを1枚貰えて元々いた部屋にあるガチャガチャを回せます。ガチャガチャにはイチゴ・ミカン・ブドウ・メロンの4種類の缶バッチが3つずつ入っていて、これを4種類全て集めたらゲームクリアです!」


セイガ「ミニゲームをクリアしていってとにかくガチャガチャを回せば良いんだな」


ヒカリ「しかし大変です! 皆様の中にはフルーツを独り占めしたい狼が混ざっています! その為狼はわざとミニゲームを失敗して邪魔をしてきます」


ケイ「人狼に似たシステムか...」


ヒカリ「それでは簡単なデモを行いましょう! デモでは狼はいませんが、本番はいるから気をつけてねぇ〜...では代表者2人と監察官1人を選んで下さい!」


ケイはこのデモが大切だと感じ、よく役割の分からない監察官をやると名乗り出た。代表者はセイガとマイクが立候補した。


ヒカリ「代表者2人はチャレンジ部屋(カラフルな部屋)に、監察官は監察室(チャレンジ部屋が見える部屋)に入ってね!」


3人ともそれぞれ部屋に入る。


ヒカリ「それでは今回のミニゲームは"謎なぞ問題"、制限時間は1分です」


チャレンジ部屋に置かれているタイマーがスタートしモニターに問題が映し出される


"パンはパンでも食べられないパンって何?"


ケイ「舐めてるのか...」


あまりにもクイズが簡単すぎてセイガがすぐに"フライパン"と答えミニゲームクリア、メダルを1枚手にする


ヒカリ「今回は全部屋クリアだけど、もしミニゲームに失敗すると失敗した2人の内1人がランダムで死んじゃうよ〜」


ケイはやっぱり負けたら死ぬゲームなんだと気を引き締めた。


ヒカリ「でも、ミニゲームに失敗した2人の内に狼がいたら、ランダムじゃなくて狼じゃ無い人が死んじゃうんだ、だから狼は思う存分失敗して大丈夫だよ! でも派手にやりすぎると監察官にバレちゃうから気を付けて〜...って感じでデモプレイは終了! メダルは回収します! それでは間も無く本番に移るので、皆様着席し、イスの下に置いてある封筒から自分が狼か市民かを確認して下さい!」


全員ルールを把握しイスの下にある封筒に手をかける、その時またスピーカーからヒカリが喋り出した


ヒカリ「ごめんごめ〜ん! 大事なルール言い忘れてた! まず部屋の残り人数が2人になったらゲームオーバー、狼の勝ちだよ。そしてフルーツを4つ集めてもまだゲームクリアじゃなくて、最後に狼だと思う人に皆投票して貰うよ、その時狼を当てられ無くてもゲームオーバー! 狼の1人勝ちになります!」


セイガ「大事すぎるだろ、普通その説明すっぽかすかね」


マイク「ルールは把握でキタ」


ゴウ「ん、まぁ大丈夫か! 多分分かった!」


モブコ「皆協力しましょうね」


チョー「...」


改めて皆封筒に手を伸ばす。ケイは誰にも見えない様中身を取り出す...そして心の中で(俺は市民か)とこれからの立ち回りを考える。



ヒカリ「皆役職確認したね! それではフルーツパーティースタート! 第1ゲームのジャンルは"体力"です!」


ケイ「な、頭脳だけじゃダメなのか!」


セイガ「想定外だな」


ゴウ「ラッキーじゃねぇか! 今まで自分の筋肉と他人の頭脳だけ頼ってクリアして来たんだ、ここで役に立てるぜ」


マイク「他にもう1人体力自慢はいるカ? 俺は無理ダ」


モブコ「私は無理」


セイガ「僕は知能系担当かな」


ケイ「人並みにならできます」


マイク「じゃあゴウとケイで良いカ」


チョー「......俺が行く」


この部屋に入って初めてチョーが口を開いた。


セイガ「いいね、じゃあゴウとチョーに任せてみようか。監察官はジャンケンで決める?」


ケイ「そうしよう」


ジャンケンの結果、ケイが監察官となりゴウとチョーはチャレンジ部屋に、ケイは監察室に入った。


チャレンジ部屋には懸垂用のバーが設置されていた。最初に見た時は無かったので、どこか更に別の扉からスタッフが入り設置したんだろう。


ヒカリ「今回のミニゲームは、1分間に2人で合計80回懸垂をして貰います! 棒にぶら下がっといて下さいね、では...レディーゴー!」


1分間のカウントダウンが始まる。20秒が経過した頃にゴウはもう限界を迎えていた


ゴウ「うぅ...苦しい...人殴る事は出来ても懸垂とかは苦手なんだよ」


30秒にもなるとペースが格段に落ちていた


ケイ「まずいぞ、このままだと80回なんてとても無理」


そう思われたが、35秒、40秒、45秒経ってもチョーのペースが全く落ちない


ケイ「凄いぞチョー! むしろスピードが上がってるんじゃないか!」


チョーはそのペースを乱す事なく60秒やり終え2人の合計は80を超えた。


ヒカリ「そこまで! ゲームクリア出来た部屋もあればダメだった部屋もあるみたいね〜。とりあえずクリア出来た部屋にはメダルを差し上げます!」


チョーは天井から落ちてきたメダルを拾い元の部屋に戻る


セイガ「良くやった!」


マイク「俺にはできない事ダナ」


チョーはメダルを台に入れガチャガチャを回す、出てきたのはイチゴの缶バッチだ。


セイガ「ケイ、勿論監察官のやるべき事は分かってるよな」


ケイ「うん、ゴウが29回、チョーが62回だ」


モブコ「ゴウあんだけイキってて少な!」


ゴウ「あぁ!? ならお前がやってみろよ!」


マイク「とにかくチョーは市民っぽくなったナ」


チョー「...」


ヒカリ「さぁ、次のミニゲームに参りましょう、ジャンルは"謎解き"です!」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る