第10話 団体戦人狼④

ケイ「人狼は........アオイだ!」


本来ならセイガを追放するべき所、ケイは先の事を考えアオイに牙を向けた。


アオイとミドリは少し驚いているがアカリは冷静だ。こうなるパターンも想定していたのだろう。


ケイ(このゲームは最後まで生き残る事が絶対条件。人狼がアカリ1人しかいないと言う事は最終的に生き残るのは2人、つまりミドリとアオイが生き残っていると恐らく4日目の夜か5日目の朝に俺は用済みになって追放されてしまう。そうならない為には5日目の朝3人になる時までにミドリとアオイを追放しておいて俺の協力が必要な状況にしなきゃいけないんだ)


アオイ「私は人狼じゃないわ」


ミドリ「私もペアだから証言する。アオイはただの市民よ」


アカリ「てなるとケイは裏切り者で人狼を庇ってると言う事になるわね」


ケイ「何言ってる、これは真実だ。お前らはこのゲームで他のペアを全員追放して最終日に賞金を受け取る人数を減らしたいだけだろ!」


アカリ「とにかくアオイは人狼じゃないしケイは誰かを庇ってる」


カイザー「まぁ俺が本当の占い師だからケイが裏切り者だと言う事は分かる。しかし俺達ペアにも人狼はいない、となると残りはモブコだな」


モブコ「私は人狼じゃない!」


ケイ「確かに俺は占い師じゃない」


カイザー「認めるのか?」


ケイ「あぁ、俺はアユが人狼陣営として勝つ道も見据えて、市民ながら占い師を語っていた。つまり俺は市民陣営でアオイが人狼と言うのも真実だ」


セイガ「なるほど上手くできてる。ケイ君が市民だと僕は信じるよ」


セイガペアにとってはケイが市民だろうと裏切り者だろうとアオイペアを追放できる事に越したことはない。


アオイ「はぁ...しょうがないな、私は騎士よ。対抗がいないなら私を追放はできないわ」


オウリ「悪いな、俺が本物の騎士だ」


セイガ「ククッ、終わったな人狼さんよ」


アオイ「ぐっ...」


アオイは市民ながら騎士だと嘘をついて本物の騎士を炙り出す役目を果たした。


ケイはふとアカリの方を見たが全て想定通りの様な顔をしていた、まだ作戦があるのだろう。しかしその作戦は実行されないまま投票の時間になった。


機械音「それでは投票結果を発表します。アカリ、アオイ、ミドリさんがセイガさんに、他のプレイヤーは全員アオイさんに投票しました、アオイさんが追放です」


アオイ「ゲームは続くわ。ちゃんと考えるのね」


機械音「アオイさんは会議室から退出して下さい、それでは夜のターンです」


リカ「えっ...」

モブコ「終わってないじゃない!」


部屋が暗くなり、ケイはここからの作戦をまた構築した、アカリを1人にさせて味方につければ心強いがそこに至るまで4つの試練がある。

1.ミドリを追放する事

2.セイガペアの3票が人数が減るにつれ威力を増す事

3.アカリが十中八九カイザーに占われる事

4.ケイ自身が追放されない事


アオイが人狼だと嘘をついた事がバレた今、ケイが吊り候補なのは明らかだ。


その頃アカリは襲撃先を考えていた


アカリ(占い師のカイザーを襲撃したいけれどオウリが騎士な以上100%カイザーを守るはず。なら霊媒師のリカを襲撃しても良いがリカかモブコを襲撃するとセイガ達の勢力が増すばかり、ここは騎士のオウリ襲撃が安パイだろう...となるのが素人。恐らくオウリは騎士なんかじゃない、本物の騎士はセイガだ。あえてオウリがcoする事でオウリが夜の襲撃で狙われる様に仕向けてそれをセイガが守る、という魂胆だろう。ならカイザーは守られていないはずね)


アカリはカイザーを選択した。読みは完璧で、実際セイガが騎士でオウリは市民である。アカリは洞察力、閃き力共に天賦の才を持っている。


機械音「おはようございます、昨晩襲撃された人は...カイザーさんです。カイザーさんは会議室から退出して下さい、それでは3日目の朝スタートです」


セイガ「くっ...やっぱり人狼はアカリかミドリだな」


オウリ「あぁ、あの盤面でカイザーを襲撃できるなんて切れ物他にいないからな」


リカ「あ...あの...なんでケイさんは嘘をついたんですか?」



ケイ「俺が市民で人狼を知っているのは確かだ。でもこんな天才達相手に明日以降のゲームで勝てる自信が無い。なら今の内に..潰せる内に潰そうと思ったんだ」


リカ「そんな...明日以降のゲームは協力するゲームかも知れないじゃないですか」


ケイ「それはそうだが...こんな奴らどうせ勝ち進むから、最後に貰える賞金減っちゃうだろ、勝ち残った人で山分けなんだから」


リカ「ヒドい...」


ケイは勝ちの目があるとすればこのリカだと踏んでいる、大人しくてすぐ騙されそうなリカは簡単に利用できる。


アカリ「ケイさ、アオイのことを潰せた訳だしもう本物の人狼言ってもいいんじゃない?」


ケイ「あぁもう良いか。人狼はミドリだ」


ミドリ「はぁ...まだ嘘つくのね」


セイガ「何がどうなってる」


アカリだけが天才と言う事を知らないセイガ目線では訳の分からない事ばかりなのだ。


セイガ(アカリかミドリが人狼ならアオイが追放されそうな時に「私が本物の人狼です」と名乗り出れば良かった。でもそれをしないと言う事は人狼陣営として勝ちたいと言う事なのか。と言う事はアカリペアには人狼と裏切り者がいて人狼陣営が勝利した方が明日のゲームに進める人数が増える、まだ人狼である事を認めない所からすると、アカリとミドリがそれぞれ人狼と裏切り者なんだ)


セイガ「フフッ...ならケイ君の言う事は間違って無いな。協力して人狼を倒そう」


オウリ「ま、またケイ君が嘘ついてても明日にアカリを追放すればゲームは終わるだろうからね」



アカリは大した抵抗も無くミドリ追放を受け入れた。負ける可能性に不安は無いのだろうか。


結果的にアカリとミドリがセイガに。それ以外は皆ミドリに投票しミドリが追放となった。

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