第9話 団体戦人狼③

役職:狐について

襲撃されても死なず占われると死ぬ。最後まで生き残っていれば狐陣営の一人勝ちとなる


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機械音「それでは夜のターンに移ります」


部屋が少し薄暗くなる


機械音「タブレットから夜のターンの行動を行なって下さい、役職の無い人は疑わしい人物に投票をして下さい」


ケイはすぐタブレットに アカリ" と入力し後はボーッとしていた。

ケイが占い師を騙った理由はアカリから襲撃されない為だ。ケイはアカリが人狼と言う事を知っている(ペアのアユから情報を得ている)のでケイを襲撃するのが最善策だが、占い師の可能性がある以上狐がいなくなるまで襲撃する訳には行かないのだ。


1分程経って部屋が明るくなる


機械音「全員の行動が終わりました、それでは昨晩襲撃された人物を発表します。その人物は...モブオさんです」


モブオもしくはモブコが襲撃される事も想定内。セイガとオウリを襲撃した方が良いのではないかと思うが、セイガ・オウリは占い師のペアと言う事で朝の会議で追放されるからだ。


だがリカ (霊媒師) のペアであるミネを襲撃する手もあった。それが本来最善手だが、アカリは選ばなかった。そして選ばない理由はセイガペアもケイも気づいている、それに気づける天才しか残っていないのだ。


そしてスピーカーから音声が流れる


機械音「えー、昨晩襲撃されたモブオさんの他に、もう1人脱落者がいます。それは、ミネさんです」


ミネ「くっ...」


モブコ「2人!?」


モブコ以外は気づいていた、ミネの狐の可能性に。


〜1日目朝・残り30秒での会話〜


セイガ「それと、占い師2人の占い先も選んで貰えるかい? 時間無いから急いで、10秒で頼む」


リカ「え...じゃあ、ケイさんはアオイさんを占って、カイザーさんはミネの事を..痛!」


ミネがリカの足を強く踏み、耳元で何かを囁く、上手く聞こえないが罵詈雑言を吐いてる人間の顔だ


リカ「やっぱりカイザーさんはモブコさんの事を占って下さい」


カイザー「分かった」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


おそらくチームを引っ張ってきたであろうミネが仲間のリカの失態で正体がバレてしまった。


機械音「ミネさん、モブオさん、2人は直ちに退出してください」


リカ「ミネ...ごめん...」


ミネ「大丈夫、狐がいなくなった以上市民チームが簡単に勝てるはずよ」


2人が退出し、二日目の朝の会議が始まる


ケイ(裏切り者:占い師co)「狐を倒せましたね」


カイザー(占い師co)「あぁ、俺のおかげでな」


ケイ「僕ですよ」


アカリ「とりあえずさ、霊媒結果聞かせて貰えるかしら。アユが人狼ならペアのケイに人狼の仲間を伝えてるはずだから、ケイにその人狼を聞いてゲーム終了」


ケイは違和感を覚えた。そんな事しなくてもアカリが自分から名乗り出ればゲーム終了だ、狐がいない以上他プレイヤーを全員追放すると言う行動もしなくて済む、なのに何故こんな回りくどい事を...


リカ「霊媒結果ですね、アユさんは黒でした」


セイガ「じゃあケイがペアの人狼を発表してゲームを終えよう」


アカリ「ま、多分セイガかオウリあたりじゃ無いかしら」


ケイは脳みそを高速回転させた、アカリは何を考えているのか、何故自分が人狼じゃない様な事を言うのか、アカリの今までの発言を思い返す...だが分からない。アカリの過去の発言...それは人狼ゲームを超えての更に過去に遡る。



ケイは気づいた、過去のゲームでのアカリペアの特徴に。


ケイ(命綱観覧車はアカリとアオイが、謎解きゲームはアカリとミドリだが謎を解いたのはアカリ。極寒迷路はアカリ1人で...3人で残ってるから一見全員強いと思うが、活躍してきたのはアカリ1人だけ! アカリだけが天才だったんだ! つまり今回の人狼ゲーム、ミドリとアオイ2人が勝ち上がるよりも、アカリ1人が勝ち上がる方が都合が良いんだ)


セイガペアがケイに話しかけた時、自分達は実力を隠していると言ったがそれはアカリ達もだった。全員が強者と見せつける事で真の強者に気付かせない、"脳ある鷹は爪を隠す"だ。


しかしケイには疑問が残る。人狼を勝たせたいならアユを最初に追放するべきでは無いからだ。ケイが市民陣営ならアカリが人狼だと明かしてすぐにゲームが終わる。


アカリ「さぁケイ、人狼を言いなさい」


このアカリの発言でケイは気づいた


ケイ(アユを追放して霊媒師に黒と言ってもらう事でペアの俺が人狼を知っている事実を使って、別の人物を人狼に仕立て上げる為だったんだ!)


人狼を知っているケイの言う言葉は本物の占い師よりも信頼に値する言葉だ。仮にケイがセイガを人狼だと言えば皆信じるだろう。


ケイ(しかしアカリの作戦には欠点がある...アカリ目線俺が裏切り者である確証は無かったからだ、占い師coは2人だから単純に裏切り者の可能性は1/2だし、何故俺が裏切り者だと...そうか。もし俺が市民チームなら1日目にアユが追放されそうな時、俺達はアカリを追放する様に仕向けるだろう、でもそんな事はしなかった、アカリがいなくなったら俺の勝ちも無くなるからだ、そしてアユが追放された後俺は完全に諦めた顔をした、市民陣営なら諦めた顔なんかしない。その情報があれば俺が裏切り者だと予想が着く、それでこの作戦にしたのか、天才すぎるぞアカリ! 仲間になった瞬間こんなにも心強いのか!)


こうしてケイは希望を取り戻しアカリの作戦に乗った。今日セイガを追放できれば夜誰かを襲撃し、残る人数は7人。アカリペアとケイで過半数を取れる


ケイ「人狼は..........アオイだ!」

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