第8話 団体戦人狼②

暴念「代表、人狼ゲーム開始します」


代表「あぁ、始めろ」


暴念がマイクの音量を上げる


暴念「アー、アー、皆さん」


〜会議室〜


機械音「アー、アー、皆さんお待たせしました。人狼ゲームスタートです」


人狼2

裏切り者1

狐1

占い師1

騎士1

霊媒師1

市民5


3人ペア①アカリ・アオイ・ミドリ

3人ペア②セイガ・オウリ・カイザー

2人ペア①ケイ・アユ

2人ペア②リカ・ミネ

1人参加①モブオ

1人参加②モブコ



〜1日目朝〜 追放会議7分


始まりのチャイムと同時にセイガが指揮を取り占い師と霊媒師に名乗り出るよう命じる。


カイザー「俺が占い師だ」


ケイ「対抗します、俺が本物の占い師だ」


ケイは裏切り者として占い師を騙った訳ではない、例え市民でも占い師coするだろう、この占い師騙りは夜のターンに役目を果たす。


カイザー「はぁ...ケイ君とは協力したかったのに人外とは残念だなぁ」


ケイ「こっちのセリフだよ」


セイガ「まぁまぁ、人狼ゲームだからそう言う事もある、それで霊媒師は何故出て来ないんだ?」


モブコ「私じゃない」

モブオ「俺も違うぞ」


3秒程の沈黙が流れると、2人ペアで参加しているミネがリカの肩を摩りながら大丈夫だよと声をかけている


ミネ「ほらリカ! 大丈夫だから自信持って正直に自分の役職言ってごらん!」



リカ「あ...私が、霊媒師です」


リカはゆっくり左手を上げながら小さな声で自分が霊媒師である事を明かす


アカリ「どうしてカミングアウトするの遅かったの?」


リカ「ご...ごめんなさい...」


ミネ「すいません、リカ人前で話すのが苦手なんです」


アカリ「チェッ...」


オウリ「まぁまぁ、そういう子もいるよ」


アカリの舌打ちで空気の悪くなった場をオウリが和ませる


オウリ「でもねリカちゃん、霊媒師coが1人って事はリカちゃんは本物の霊媒師で、進行役もリカちゃんになるんだよ」


リカ「進行...どうしたらいいですか?」


ミネはリカにずっと触れながら背中を押している、そのお陰でリカは喋れているようだ


セイガ「まぁ、1日目の追放先を指定するくらいかな」


リカ「私が...ですか?」


アカリ「あんたしかいないでしょ、確白みたいなもんなんだから」


リカ「じゃあ...モブコさんで」


モブコ「は!? 私人狼じゃないし!」


リカ「す、すいません!」


セイガ「じゃあ皆、モブコに投票だな」


アカリ「ちょっと待った!」


モブコ追放ムードをアカリが一掃する、ケイが恐れていたアユ追放の流れに持っていくつもりだ。しかし全員の意見を傾けるのは中々難しいし霊媒師のリカが追放先を指定してる以上ここから全員の意見をひっくり返すのは容易ではない。


アカリ「追放するのは占い師coしている2人の内のペアから選ぶべきよ」


アユ「ちょ、なんでそうなるのよ! モブコで決まりってなったじゃん!」


アカリ「本物の占い師のペアに狐がいたとしたら絶対占われないでしょ、しかも偽物の占い師のペアは市民チームに協力しない可能性がある、なら占い師のペアは絶対に追放すべきなのよ」


アカリの意見は的を得すぎていた、占い師が人狼陣営に協力する可能性があると吹き込まれれば占い師のペアは全員追放したくなる


リカ「じゃあ、アユさんかセイガさんかオウリさん」


オウリ「なるほど、確かに正しい意見だ。でも僕達は3人ペアだから人狼か狐がペアに1人いようと市民チームに協力した方が2人生き残れるからね、市民に協力した方が得なんだよ」


アカリ「そうね、なら2人ペアのアユは市民に協力しようと人狼に協力しようとメリットは同じ、アユ投票で確定ね」



アユ「ちょっと待って! まだ占い師も誰も占ってないのに何が分かるのよ!」


アユは必死に抵抗するがあまりにもアユ追放が理に適ってしまっている。



ケイ「無駄だアユ、セイガペアとアカリペアがお前への追放を決めている以上これで6票、もう終わりだ」


アユ「そんな...」


アカリが人狼だと言えばアカリが追放されるかも知れないが、それをしては俺とアユの勝利条件"人狼陣営の勝利"が無くなってしまう。


ミネ「ほらリカ! 意見まとめな」


リカ「じゃあすいません、アユさんで」




セイガ「それと、占い師2人の占い先も選んで貰えるかい? 時間無いから急いで、10秒で頼む」


リカ「え! ...じゃあ、ケイさんはアオイさんを占って、カイザーさんはミネの事を..痛!」


ミネがリカの足を強く踏み、耳元で何かを囁く、上手く聞こえないが罵詈雑言を吐いてる人間の顔だ


リカ「やっぱりカイザーさんはモブコさんの事を占って下さい」


カイザー「分かった」


会議時間は残り10秒を切った、アユは涙目になりながら悔しがっているがケイは諦めていなかった。ケイは諦めてるフリをして残り10秒になるのを待ち、今だ!と思い口を開く


ケイ「やはりアユは追放するべきじゃ無い!」


アカリ「は?」


ケイ「アカリ達とセイガ達の狙いは、自分達のペア以外の全滅だ! そうする事が一番確実な勝利だからだ! こいつらが結託して常に6票を一箇所にまとめて投票されたら勝ち目が無い! リカ、ミネ、モブコ、モブオ、アユ! 俺達で協力してセイガに投票するんだ! じゃないとあいつらに皆殺しにされる!」


機械音「会議を終了して下さい」


このケイの理論は破綻していた、何故ならアカリは2日目以降も占い師のペアのセイガとオウリを追放する予定なのでアカリ達とセイガ達が結託する事は無い。だがケイはあえて残り10秒に詰め込んで話す事でアカリ達に反論の時間を与えなかった。上手くいけばアユ6票VSセイガ6票の決選投票に持ち込める、そこでまた票が割れた場合の説明は無いが恐らくランダム処刑だろう。50%の確率でアユが生き残るというケイ達にとってはあまりに大きい数字だ。


機械音「椅子の下にあるタブレットから投票したい相手を1人選んで下さい」


全員が10秒以内に投票を終えた、そして開票する


機械音「投票結果は...ケイ・アユ・モブオ・モブコさんがセイガさんに、残りの8人がアユさんに投票した為、アユさんが追放となります。アユさんは会議室から退場して下さい」


アユ「チェッ...ケイ、絶対勝って賞金取れよ」


ケイ「...」


そうはしたいが頼みの綱である6票VS6票の決選投票に持ち込め無かった為ケイは放心状態だった。あらゆる可能性を試行錯誤したが勝ち目が無い...こうして夜のターンへ続くのだった

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