第6話 極寒巨大迷路

~3日目~


支配人「今日のノルマは1人です」


アユ「今日は私が行くわ」



~ゲーム会場~


支配人「今日のゲームは極寒巨大迷路です。ルールは簡単、ただ迷路をゴールするだけ。しかし迷路内は気温0℃となっており、1分たつ事に気温が1℃ずつ下がっていきます」


スタート地点の扉が開く


アユ「寒!!」


支配人「某遊園地の迷路を再現しているので、ちゃんと非常口もあります。寒さの限界がきたら迷路の何ヵ所かにある非常口から退場して下さい。そして緊急用として迷路の壁の下には隙間がありますが、壁の下をくぐりゴールする事は違反となり脱落です。それではスタート!」


200人が一斉に迷路に入っていく。それをケイとミオが部屋のテレビから見守る


ケイ「人によるが恐らく制限時間は25分と言っていいだろう」


ミオ「なら速く迷路に入った方が良いのに何でアユは立ち止まったままなの?」




アユ(フフッ、必ずこのゲームには裏があるわ。そしてそれを解くのは私じゃない)



大群の中に赤い髪の女を見つける


アユ「来た!!」



ケイ「ずるい! 命綱観覧車で最初に2人クリアしたアカリの裏に付いていくつもりだ!」


ミオ「でもその考え方をしてるのはアユだけじゃないみたい」



アユ「これでクリアね」


ゴウ「お前も同じ考え方してんのか」


アユ「あ、あんた! 観覧車で一番最初に挑戦してペアをすぐ落とした奴!」


ゴウ「あぁ、俺には筋肉しか無いんでね。今回はあの女に乗っかるぜ」


巨大迷路の為206人という大群もかなり散らばる


それから15分程迷路を歩くアカリを尾行する


ゴウ「おい、まずいんじゃないのか?」


アユ「もう-16℃ね。でも自分で探すのも他人が探してるのに付いてくのもあんまり変わらないわ」



目の前に非常口がある


アユ「ゴウ、凍死する前に出たら?」


ゴウ「俺は-100℃まで耐えられるし」


アユ「フッ、本当に筋肉だけね」



アカリ「2人共私に付いてくるのは間違いよ」


アユ「え?」

ゴウ「バレてた?」


アカリ「そりゃバレバレよ、でも私寒いの苦手なのよ。だから離脱する。さようなら」


そうしてアカリは非常口から出ていってしまう


ゴウ「え...おい! やばいだろこの状況! どうすんだよ!?」


アユ「どうするって、私達で急いで探すのよ!」


ゴウ「急げ!」


全力で走り回ってゴールを探すが3分経っても成果無し。見つかるのは非常口だけだ


ゴウ「-20℃か...でも見つけねぇと金が! たかだか遊園地の迷路じゃねぇか!」


アユ「遊園地...あ! しまった! 今探してる場所にゴールなんか無かったんだ!!」


ゴウ「は!? 何言ってんだ?」


アユ「遊園地の非常口って何ヵ所かあるでしょ。その非常口って全部繋がってるのよ!」 


ゴウ「へー」


アユ「つまり非常口から別の非常口に出れるのよ!」


ゴウ「チクショウ! そう言う事か!」


2人は急いで非常口に入り


"ロビーはこちら→"


の壁紙とは真逆に走る。そして一番奥の非常口に向かい迷路内を見ると


アユ「見て! さっきまで迷路内の壁が水色だったのに、ここは全部ピンクだわ!」



アユとゴウは非常口からまた迷路内へと戻る。

運営はゴールへと続く道に壁を作り非常口から非常口へと移動しないとゴールできない用にしていたのだ。そして後はただゴールを探すだけ...では無かった



ゴウ「な、何だこれ?!」


一本道に、上から大量の水が降ってきている


アユ「この先に進むなら、覚悟を決めろって事ね」


ゴウ「覚悟はできてる。進もう」


2人は-21℃の中大量の水を浴びる


アユ「死ぬ!!! こんなの!!!!!」


ゴウ「ウォォォォーー!!!!」


あと1分もあれば凍死する。そんな中前に進むと壁にゴールと書かれた場所にたどり着く。そこにはアカリや先に着いていた人が10人程いる


ゴウ「ここにいればクリアなのか?」


アユ「バカ! ここにいたら死んじゃうわ! あの座ってる2人を見て、もう寒さで死にかけて動けないのよ」


ゴウ「そんな...」


アカリ「なんでこのゴールの壁だけ下に隙間が無いのかしら」


アカリがゴールと書かれた壁をずっと触っている。アユも壁を触り何かヒントを探そうとする


アユ「アカリ! この壁の下の方、窪みがあるわ!」


アカリ「なるほど。右下と左下に2ヶ所、この窪みを掴んでシャッターみたいに開けるのね」


ゴウ「力なら俺に任せとけ...」


ゴウの声色も弱くなっている


ゴウ「お前聞いてただろ! 左側持て!」


タケル「あぁ」


その後何人か非常口から入ってきてゴウとタケルが壁を上げるのを見守る



ゴウ「オ、オラァァァ!!!!!」


壁が上がり人が通れる用になる


それを気に近くにいたまだ体が動く13人程が一斉に先に進む


ゴウ「おい! 俺が...開け...たんだぞ」


タケルは壁を持ち上げた体勢で動かなくなってしまった、アユはタケルを蹴り飛ばす。


アユ「ゴウ! まだクリア...しちゃ...だめよ」


ゴウ「何...言ってんだ...?」


アカリ「ゴウ!...下げて...」


ゴウ「あ?...なんで...だ?...それじゃあまた壁ができて...ゴールできな」


アユ「口答えすんな!...いいから...やれ!」


ゴウ「...分かった」


ゴウが右側、アユとアカリで左側の窪みを掴み壁を下に勢い良く下げる、すると壁は床より下に下がっていき普通の道ができた


アユ「あ...とは...進む...だ...け......」


ゴウが進みそれに続きアカリとアユも前にひたすら進む...するとそこには外の光が見えた


アユ「冷たい...いや違う...熱いんだわ、熱い! 焼け死ぬ!!」


光を越え無事ゴールに出る事ができた。

迷路との寒暖差で外が灼熱に感じたが1分もすれば元の感覚に戻った


アユ達のゴール後更に4人が出てきて計20人がゴールとなった



支配人「それでは改めまして今日の合格者は、7人です」



場がざわめく...




支配人「最初にゴールから出てきた13名はルール説明の時に言った"壁の下をくぐるな"と言うルールを破った為失格です」


ゴウ「うっ!! だからアユとアカリは、壁を下に下げたのか」



窪みが下にあった為上に上げるのが正解と思われたが、それこそが運営の罠。助走を付けるために上に上げて、その後思いっきり下に下げなければいけなかったのだ。


脱落者193名(死亡者96名)


残り132名

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