裏切りと最強で最弱な人。後編
ペド先輩の性癖にダイレクトな攻撃を撃ち込み、勝利を確信した聖兎だったが、ペドは平然とその場で立っていた。この事実に、聖兎は困惑した様子でペドのシールドに視線を向けるが、ペド先輩のシールドは一枚しか割れない。
「な、なんで、どういうことだ!」
「聖兎、考えも発想力もいい。姉妹の上がJKなら、下は絶対にJKより年下でなければならない。年齢を設定しなくても小学生、中学生に見せられる」
ペドは聖兎の狙いを言い当て、拍手をしながら称賛する。
「だから、だったら、なん、で」
「まだ浅い。聖兎は年齢を小さくすることに神経を使いすぎて、他の設定を無碍にした。一枚割れたのは、俺の性癖にあっていたボーナスだ」
「ボーナス……確かに年齢に気を使いすぎたのは事実です。それでも、最低二枚は割れるはず、それがなんで」
「ハビットとは、オ〇ニーではいけない。性癖とは本来隠すものだが、隠してばかりじゃ広まらない。布教しないとおかずは増えない」
「あ! ぁあ」
聖兎は知っていた。小学生の時、綺麗な格好をしたお姉さんが、実は地味で使い古した下着を着用していたことを、それを思い出しながら、ネットで、綺麗な格好のお姉さん。下着汚い。と検索してもネグリジェ出てこなかったことを。
「ああ、俺は、勝負に固執しすぎて」
ハビットは相手の性癖以外でもシールドを割れる。聖兎はそのことを知っておきながら、無視してしまった。
(俺は、ペド先輩を倒すことに専念しすぎて、自分の性癖を無視してしまった。俺はロリコンではないが、ロリもシチュエーションによってはいける。なのに、俺は自分のいけるロリではなく、ヘド先輩に合わせすぎた)
「俺は、本当は分からせが好きなのに……分からされるなら、分からせたあと姉妹で分からされたいのに……」
「聖兎、DL〇〇teでロリと検索しても出てこなくなった。G〇〇gleでも同じだ。合法ロリも、メスガキも出てこなくなった。だが! 俺は諦めない! T〇〇ttaダウンローダーで見つけたあうろりをストリーミングで見て、ダウンロードはせずに諦め、次見た時はなかったとしても、怖くてダウンロードできなかったとしても、誰かが布教してくれる限り、俺も布教すると!」
「ペド先輩!」
注意。
小学生らしき人物が出ている動画をダウンロードすることは法に違反しています。ストリーミングで楽しむか、持っているならすぐに消しましょう。
「自分が楽しむこと、他の人が楽しむこと、違うようで同じだ。急がば回れ。右利きなら、左手が空いてるだろ!」
「ペド先輩!」
二人の間にシナジーが生じ、熱い熱が溢れ、ストリームを起こす!
「聖兎、本物を見せてやる。俺のターン、手札から人物カード、女子小学生を召喚。さらに性癖カード、数字の五。メスガキ。からかい上手。を装備」
(女子小学生に数字の五、メスガキ、からかい上手。強制的にJS五に持っていった)
「さらに、人物カード女子小学生を召喚」
通常、同じカードを二枚召喚することは少ない。女子高生同士でレズ、男子高校生同士でBLの組み合わせなどはあるが、同じカードを二枚引かなければいけない上、内気JK、ツンデレ高校生など、付属する性癖があるカードがある以上、全く同じカードを二枚使用することは意味が少ない。それをすなわち。
「さらに、性癖カード、数字の五。メスガキ。小悪魔。敬語を装備」
(同じカードを二枚目! 敬語以外は同じなのに、双子ではない)
場にはメスガキ小悪魔JS五が一人と、メスガキ小悪魔敬語JS五が存在している。
「サクッと決めよう。本番が平均一時間半あるからな。シチュエーションカード、オ〇〇ポゲームを発動」
聖兎の脳に映像が流れる。
『ねえ、お兄さん』
『お兄ちゃん』
『『何しているの?』』
二人の女子小学生が話しかけてくる。
『え、そっちこそ何って? 私はちかだよ!』
『私はゆかっていいます』
ちかと名乗った子は、亜麻色の服を着た生意気そうな子だ。
ゆかと名乗った子は、水色のオフショルダーを着た真面目そうな子だ。
『ねえ、お兄ちゃん? 何しているの〜?』
ちかちゃんに聞かれ、答えられずにスマホを下げる。
『ちかちゃん、このお兄さんが何してたかなんて、一目でわかるでしょ。ベンチに座りながらスマホをあんなに下げてた理由』
『うふふ、分かってるけどーお兄ちゃんのへん解? 見解? を聞きたくって』
『弁解って言いたいのかもしれないけど、言い訳でいんだよ。ね、お兄さん、スマホをベンチの下まで下げていた言い訳、できませんよね』
ゆかちゃんはニヤリと笑い、ちかちゃんはおもちゃを見つけたように笑い、両隣に座ってくる。
『ねえ、お兄さん、このことバラされたら困りますよね』
『困るよねーちか達みたいな小学生に通報されたら、お兄さんおしまいだもんね』
『だったら』『じゃあ』
二人は耳元に近づき、甘く湿度の高い空気を耳に吹きかけ。
『『わたしたちと、ゲームしよう』しましょう』
甘美な声色が脳を
『じゃーあ、最初はちかが命令するから、その通りに動かしてね』
『え、私が最初に命令するんだよ。ね、お兄さんも私がいいですよね』
『ダメ、ちかが最初。お兄ちゃん、ちかの方が可愛いから最初がいいよね』
『可愛さなんて関係ないでしょ! それに、私の方が可愛い』
『ちかの方が可愛いよ! ゆかちゃん嫌い〜お兄さん、ちかの命令だけを聞いてね』
『だめです。私、ゆかの命令だけを聞いてください』
二人は甘いおねだり声を耳元に流し込み、脳の蕩け具合が加速する。
『お兄ちゃん、ちかの声好きでしょ。好きなら自分の大きいの、動かしていいよ』
『お兄さん、私の方が好きですよね。好きなら自分の〇首いじってください』
下か上か、左右から囁かれる声に、平衡感覚が揺らぎ始め、回って揺らいで狂って、両方とも触り始める。
『あーあ、お兄さん両方触っちゃいましたね』
『お兄ちゃんずるい! でも〜強い男の人胸なんて感じないよね』
『感じますよね。お兄さんは、弱い男の人ですもんね』
『お兄ちゃんは強い人だよね。ちかの言うことを聞けば強くなれるよ。ほら、ちかの言うことだけ聞いて。ね、ね』
耳に水音と吐息が溢れ、それが耳舐めだとわかる頃には脳の片方が蕩きり、胸をやめて両手で手を動かし続ける。
『うんうん。お兄ちゃんはちかが好きだもんね。いい子いい子。ちかの言うことだけを聞いていればいいんだよ』
『だめです。私の言うことを聞いてください。ほら、お兄さん。胸をいじって、ゆっくり高めてください』
ゆかちゃんが耳を舐め始める。
『お兄さん、情けないですね。弱くて雑魚のお兄さんは私の言うことだけを聞いていればいいんですよ』
耳舐めと共に言葉で脳を蕩けさせてくるゆかちゃん。
脳は左右から蕩けさせられ、自分の意思はどこかに消えて、左右の声だけが脳に響き、それが形づくり、気持ちのいい方の命令に従う。
『お兄さん、いい子ですね。私の言うことだけ聞きましょう。ほら、ご褒美に自分のアレ、いじっていいですよ』
『お兄ちゃん最低―ちかのこと裏切るんだ。そんなお兄ちゃんはいじっちゃいけません。早く手を止めて』
『止めなくていいですよ。上、下、上、下、好きなスピードで動かして、胸もいじって気持ちいいですね。ちかちゃんより私の方が気持ちいいですね』
『お兄ちゃん、ちかの方が気持ちいでしょ。ほら』
ちかちゃんの耳舐めと言葉責めが艶に湿度が増す。
『お兄さん、私の方が気もいいですよね』
ゆかちゃんの方も官能的な熱が上がる。
二人の言葉を感じながら手を動かし、限界を迎え始める。
『お兄さん、イっちゃいそうなんですか? いいですよ』
『ダメ! ちかがいいって言ったら出していいよ』
『私が許可しているんですよ。ほら、出していいですよ』
『だめだめーちか、すぐ出しちゃう人嫌いだな。もう少し我慢できがら、ちかがいいことしてあげるよ』
『私もいいことしてあげますよ。ほら、十、九、八、七』
『ダメダメ。お兄さん、我慢して。ちかのカウントに合わせて。十、九』
『六、五、四、三、二』
『七、六、五、四、三、二』
どちらのカウントに合わせるのか、そんなことを考える暇も余裕もなく、ただ、ゼロのカウントだけを待ち続ける。
『一。お兄さん、私が好きですよね』
『一。お兄ちゃん、ゆかだよね』
どちらにするのか、どっちらで出すのか。カウントを待ち続け、死ぬ気で止めながら、ゼロを待つが、それが訪れることはなかった。
『『ストップ』』
急いで手を止めるが、溜まっていたものがゆっくりと流れ出し、二人の見下すような視線を受けながら、ただじっと薄い快楽に身を任せる。
『あーあ。ちかの言うこと聞かないから』
『私の言うことを聞かないからですよ』
『でも』
『だけど』
『これからも命令、してあげるからね』あげますからね』
二人の小悪魔的な視線を感じながら、これから搾り取られる恐怖と興奮で、脳は完全に蕩け切っていった。
聖兎とペドのシールドが全て吹き飛ぶ。
「ああああああ! あれ?」
「あああああああああああ、メスガキ、あ、くそ、負け、おお」
快楽に身を任せ、聖兎の脳が蕩きり余韻に浸ろうとしたしゅん感、一瞬で快楽を消し去るペドのオホ声。聖兎が人生で初めてオホ声に嫌悪感を抱いた瞬間だった。
「あの、ペド先輩」
「あーあー」
(ダメだこれ)
ペドは天を仰ぎ、神を信仰しているようにも見えるポーズでただ快楽を味わい続け、聖兎は終わるまで無表情で待ち続ける。
「よかったけど、ルーインドはあんまり好みじゃないんだよなー。負け。という観点から見るといいけど、ルーインドは三発で限界なんだよな。最後これで気持ち良くなるって時には立たない。困るよな」
(分からなくはないけど、今はそれより)
「なんでペド先輩のシールドも割れているんですか?」
「なんでって言われても……俺の特技? かな。まあ、そのせいで無敗なのに最弱とか言われてんだけどな」
(無敵の最弱。勝負に勝てる強さは持っているが、それで自爆してしまう。この人をよく表す言葉だ)
「ペド先輩、流石です」
「聖兎も、俺は服装の指定をしていなかったのに、敬語の子は水色、生意気な子は亜麻色の服を着ていた。しかも一人の名前はちかちゃん。順応が早い」
(確かに、なにも考えずとも出てきた。この人、会話の中でさりげなくワードを入れて、やっぱり侮れない人だ)
二人の言葉が途切れたのを見て、白川が宣言する。
「こ、この勝負はあの、引き分けです。どうしましょう」
(そうだ。白川先輩をどうするのか、この勝負はそれが原因で始まったんだ)
「ペド先輩、次勝負しても多分俺は負けます。けど、白川先輩をイーストに連れて行くなら、何度でも戦い続けます」
ペドはオーラを出すが、聖兎は臆することなく立ち向かう。
「いいじゃん。元々勝敗だけじゃなく、俺が実力を認めたら諦めるって話だったからな。今回は諦める。聖兎、お前を認めるよ」
ペドの言葉を聞いて、白川は聖兎の元に駆け寄り手を取って喜ぶ。
「あ、ありがとうございます。よかったです」
「こちらこそ、白川先輩を守れてよかったです」
二人が喜ぶ最中、子供のように駄々をこねてペドをポカポカ叩く黒川。
「えーじゃあ、ちかは? 怒られちゃうよ!」
「ごめんだけど、今回は諦めよう」
「えー白川ちゃんがいれば、ちかが絶天頂になれるのに!」
「俺が絶天頂になったら、推薦してあげるから」
「そう言って去年もダメだったじゃん。絶天頂全員と引き分けて、結局勝率ゼロパーセント。雑魚ペド! ペド嫌い〜」
「えー許して。あ、ほら、梨花ちゃんには俺が言っておくから、ね」
「んーもういい! 白川ちゃん、絶対に手に入れるからね。そしたら一緒に絶天頂になって、約束守ってよね! じゃ!」
「じゃ、ああ、そうだ。寮長の件は辞退するように言っておくから、そっちで決めていいぞ。じゃあな聖兎」
ペドと黒川を見送り、二人の姿が消える聖兎はどっと倒れ込む。
「あーペド先輩、やばかった」
心配しながら見ていたセリアも聖兎に声をかける。
「大丈夫?」
「一応」
「最初は負けるんじゃないかと思ったけど、すごいわね」
「あーそれなんだけど、ペド先輩、最初から白川先輩のことは興味なかったんじゃないかな」
「どう言うこと?」
「白川先輩が欲しかったら、勝負の時に実力を認めるって条件は入れないと思う。ペド先輩の目的は、最初からウエストの誰かと勝負して、実力を図ることだったんじゃないかなって」
「なにか目的が有るってこと?」
「さあ、分からないけど、ペド先輩は何かある。もしペド先輩が何かを起こした時、ウエストに邪魔な奴がいるのか、試したかっただけかもしれないけど」
「味方ってことよね」
「分からないけど、敵ではないと思う」
「そうね」
(ペド先輩のバックにいる梨花先輩。何者なのか分からないけど、俺が目指すのは絶天頂だ。絶対に絶天頂になって、あの人に会う。俺の物語はまだこれからだ)
「そういえば、寮長はどうするの? 聖兎がやる?」
「いや、俺は辞退したわけだし、白川先輩で良いんじゃないか」
「ふえ、わ、私ですか?」
「「はい」」
聖兎が他の寮員に異論がないか聞くが。
「賛成です「賛成!「俺も「自分もです「私も!」
「みんな言ってますし、白川先輩どうですか」
白川はオドオドしながら周りを見て、みんなの熱に負けたのか、ふん! と息を吐いて宣言する。
「分かりました。ウエスト寮長やりしゅ、あ、やります!」
(あ、でも役職付きは同じ部屋だよな。セリアと白川先輩が一緒……むっつりドスケベな白川先輩と一緒。大丈夫かな)
「あ、あの、なんですか?」
「あ、いえ。末長く、退学とかしないで寮長をやってください」
「あ、はい、分かりました」
盛り上がる中、誰かが声を上げる。
「寮長! 一言お願いします!」
「え、ああ、寮長選んだ、あ、寮長試験の次は、体育系フェチれぎゅれーしょん、寮対抗体育祭です! が、がん、あ、勝つぞー!」
「「「おおー」」」
続く。
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