story2
私は生まれた時から雨女だ。大事なときに出かけると大抵雨になる。運動会も修学旅行も私がいるときはよく雨になった。
だから私はそんな自分が嫌いだった。大嫌いだったのだ。でも、彼氏ができてからそう思うことはなぜかなくなっていた。
そんな彼氏くんとのデート。高校生の私達はそこまでお金をかけられないためデート場所は近くのショッピングモールだ。この日も途中から雨がしとしとと降ってきた。やはり私は雨女なのだ。
お互いに似合いそうな服を選んだり、カフェでお昼を済ませると私達は外に出た。ショッピングモールから駅までは少し距離があるので歩かなくてはならない。
でも、外では雨が降る中、私は傘を持っていない。
いや、わざと持ってこなかったのだ。
「一緒に入るか?」
「うん」
だって、こうすれば、彼氏くんの近くにいることができるから。彼氏くんの傘に入ると、もう彼氏くんとの距離は近い。手が触れるかどうかどうか――ほんの数センチだ。
彼氏くんがいてからこう思う。
――雨女でよかった。
と。
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