第2話 深夜の内見


 こんにちは! 原口 モ と申します。


 こんな夢を見ました……


 私は、不動産屋さんに連れられて、ある部屋の内見をしています。


 なぜか深夜…… 懐中電灯を持って…… 特に怖いとか、怪しいとかも感じずに、普通に内見していました。


 まぁ、夢だから……


 見た目は立派な一軒家。築年数は…… たぶん古そう。でも駅に近く、近所にコンビニ、スーパー、ホームセンター、家電量販店もある。


 まず場所は最高! 


 周辺に建ち並ぶ民家に比べ、明らかに浮きまくっている洋館。


 中は……


 おごそかな門をくぐり、無駄に高さがある玄関の扉を開ける。中に入るといかにもといった造り。豪華なシャンデリアに、弧をえがいて二階へ通じる、二本の階段。なんか動物の彫刻が刻まれた柱。


 ゴージャス!(現実ではそんな家は住みたいとは思わないだろう) 


 そして風呂! プールみたいな浴槽が、二つもある。

 マーヴェラス!(現実では掃除が大変そうだ)


 トイレも一階と二階で、四つもある! 

 パーフェクト!(いらん! 多いて!)


 と、こんな感じで夢の中では、大満足。この内見を、暗闇の中で懐中電灯でやっているのだから謎過ぎる。


 違和感だらけでも、まぁ、夢だから……


 さて家賃。家賃はいくらだったか覚えてないけど(夢だから)、夢の中の私は、跳び上がるほど喜んでいた。


 その他の部屋も、一通り内見した。暗闇で…… 懐中電灯で……



「いいですね」私


「でしょう」不動産屋さん


話しながら、玄関辺りに戻って来た時。



 お婆さんがいる……



 にっこり笑って青緑で半透明……


──お化けだ……


 絵に書いたようなお化けだ。


「え?」私


「ん?」不動産屋さん


 不動産屋さんとお婆さんを、交互に見る。



「見えてます?」不動産屋さん


「はい。はっきりと」私



「え? 事故物件ですか?」私


「ええ。ですが、これだけの好条件は、中々ないですよ」不動産屋さん


「ですよね〜」私



 お化けのお婆さんを見ると、穏やかににっこり笑っている。


「悪霊じゃなさそうだしな〜 ど〜しよっかな〜 条件いいしな〜」真剣に悩む私




 …………!




 そこで夢から覚めました。


 夢から覚めた私、

「う〜ん…… ど〜しよっかな〜……」




 って! 悩むかい!

 怖い! 怖い!

 婆さん 怖いて!


 なんだよ! この夢!


 

 普通に考えたら、例え優しそうなお婆さんでも、幽霊ですからね。怖いですって。

 

 それに、いるって事は……


 成仏していないんでしょうか!

 そういうことでしょうか! 

 そんなとこ住めません! 

 悩みません! 

 即アウトですよ!!


 

 まぁ、夢の話ですから……




   おしまい  原口 モ でした✌


 

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原口 モ の『ヘンテコ』な 『お話』 原口 モ @mo-haraguchi

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