原口 モ の『ヘンテコ』な 『お話』

原口 モ

第1話 野生の熊との対決!


 こんにちは! 原口 モ と申します。


 こんな夢を見ました……


 ある夜、実家(夢の中では実家の設定だけど、現実の実家とは違う)で、兄が翌朝から草野球の試合があるので、荷物を車まで運ぶ。それを手伝う私。


 坂道の多い土地で、駐車場までは坂と階段を下っていく。山に囲まれているので、夜は暗く静かだ。


 兄はクーラーボックス等、私は大きなスポーツバッグ、そしてグローブにバットをさしてカツオ君スタイルで、歩いて四、五分ほどの駐車場ヘ向かう。


途中、坂道にカーブがあり、少しひらけている。そこに民家がある。その民家の庭に熊がいた……


 …………熊?




──く、く、く、くま!!!


 一瞬、でかい犬かとおもったけど、頭がでかい! 二本足でたってる!

 そして、その野生の熊はこちらの存在を、はっきりとらえている。


 兄とアイコンタクトをとる。

 

 走って逃げるのは良くないと、聞いた事がある。目をらさずに、後退りする兄と私。


 熊は二本足で立って、フラフラ揺れている。興奮しているようには見えない。


 このまま、ゆっくり、ゆっくり……


 と、その時! 熊は四つん這いになって頭を低くした!


──やばい! 


 兄が、私から離れる方向に走り出した! 犠牲になるつもりか!!


 熊は四足で、犬みたいに走り出す! 物凄いスピードだ! あっという間に兄に追いつき、両手をあげて襲いかかる!


 兄はかろうじてかわすが、転倒する!


 私は叫ぶ、

「逃げて! はやく! 逃げ……」



──………… ……?



 あら? 夢? 夢っぽいな……


 生身の兄は、なぜか熊と対等に揉みあっている……


 そこで目が覚めた……



 汗だくで心臓バクバクで「ハッ」とか、「うわぁー」とかじゃなく、ヌルッと目が覚めた……




 しかし私の闘いは、ここから始まる!


 夢? 目が覚めた? 


 知らん! 関係ない! 


 私は目を覚ましたのに、もう起きているのに、真剣に熊との戦いを続行しようとしている!


──さぁ、どうする!


 警察を呼ぶ?

 間に合わん!


 まずはバッグを投げつけるか?

 いや、そんな攻撃が効くはずない! 熊を怒らせるだけだ。


 バットでなぐるか?

 普通の人間が、全力で生き物を殴れるか? いやいや、相手は本気だから、こちらも躊躇ちゅうちょしてはダメだ! ましてや兄が襲われている。


 フルスウィング出来たとしても、効くのか? 熊に? 人間のパワーで?




 考えている暇はない! はやく兄を助けなくては! 


 兄と熊は、まだ対等にもみ合ってくれている。



 作戦を描く。


①バッグを投げる 

 熊の気を引く


②バットでフルスウィング

 熊の足の指を叩き潰す


③痛がる熊の背後に回り込む

 首を締め上げる


④熊は「ごめんなさい」と逃げていく

 


 完璧だ!



 ふと、我に返る……





 ……なんの時間だよ!



 アホくさ! 寝よ 寝よ



   おしまい  原口 モ でした✌


 


 

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