僕を好きだと君は言った。

 翌日、後輩ちゃんにが急に教室にやってきて、私を引っ張って空き教室に連れて行った。

クラスメイトが騒ぎ出すのを背にひたすら連れていかれる。あぁ、明日になったら面倒なことになりそうだな。


 着いたのはレースのカーテンが風になびき、窓が開け放たれた空き教室。

教室には、わざとらしく、2つの椅子が向かい合うように置かれていた。


 男子からは可愛い可愛いと褒め称えられ、女子すらも虜にする君。

 その君になぜか呼ばれてここに来た。


「あの、先輩…私のこと、引かないで、聞いてくださいっ…」


 深呼吸をする君。顔は熱っていて、真っ赤に染まっている。まさか…。

 そう考えていると、予想した通りのことを君に告げられた。

「あなたのことを、す、好きに、なっちゃいました…」

「……え?」

「その…、変ですか…?あなたのことを、その、好きって思ったのって…」


 僕はなぜか、恥ずかしそうに俯く君が愛おしく感じていた。なぜだろう。心からこの告白を嬉しいと思う自分がいるのだ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る