絶対に知られてはいけない。
医学は進歩している。いや、進化している。少なくとも薬さえ飲んでいればそこまで不自由ない生活を送ることができるくらいには。僕はまだ普通の人として偽ることができる。
翌日、僕は学校を休んだ。僕が休んだことによって、特大何か学校で起きることはないだろうから何も問題はない。
諸々の診察が終わり、お会計待ちをしている時、僕はうたた寝をした。が、誰かに起こされてしまった。
「あの……」
か細い声をかけられて顔をあげると、知ってる顔がそこにはあった。
「な、なんでここに!?」多少声が裏返ってしまったのは不覚だ。もしやストーカー?という思考を悟られないように平然としていようと決めた。
「後輩ちゃん、なぜ君がここに?」
「あの、風邪をひいて、それで……」
「そうか、まだまだ寒いから気をつけないとだな」
これで話すことは終わり。名前はまた後日聞こう。早く帰るといいと言おうとしたが言えなかった。
「先輩はなぜ病院にいるのですか?」
「僕か?僕も風邪を引いたからここに来たんだ」嘘をついた。多少罪悪感がある。ただ、本当のことは話すわけにはいかなかった。
「風邪?じゃないですよ…ね?声はっきりしてますし……」
「ちょっと熱があってだな」
「熱もないですよね?むしろ先輩の顔、青白いですよ」
「な!?そうか?熱があってだるかったのだがな」
嘘は多用したくない。早く帰ってほしかった。
「そうですか、気をつけてくださいね。ではまた」
そう言って後輩ちゃんは帰っていった。
よかった。秘密は守られた。
僕は大病を煩っている。ただ薬な力で押さえ込んでいるだけで、いつかは病にさらに
誰にも知られたくはなかった。
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