第3話 いかにもな男
この世界は5つの大陸に分かれている。
一つは人間が所有している発展した大陸。
一つは獣人が所有している平和な大陸。
一つはドワーフが所有している機械的な大陸。
一つはエルフが所有している豊かな大陸。
そしてもう一つは魔人が所有している荒れ果てた大陸。
ここ王都メルガピアは政治、貿易、防衛などを行っている人間界の要となる都市である。
平和を守っているこの都市には自然と人間が集まり、才能が集まる。そんな中でもひときわ優れていた人物が……
「おい」
本を読んていた俺は話しかけてきたルイを睨みつける。
「今いいところだったのに、」
この話、大好きなんだよな。
この話が本当なら王都にはたくさんの強いやつがいる。英雄になるために仲間との成長はメインイベントと言ってもいいほど大切らしいからな。
今からちょうど一時間前。ルイにお金も仕事もないことを伝えたら心優しくヒモにしてくれた。
ルイは俺が思っていたよりも慈悲深すぎる人物らしい。ほんとに助かった。
「いいから、仕事を探しに行くぞ。」
「おお!仕事。」
仕事なんてしたことなかったが新しいことはとても興奮する。ほんとは英雄になるため強くなりに来たが、英雄がヒモ生活を送っているなんて絶対に恥ずかしい。
俺はバッと立ち上がりルイについて行った。
俺は故郷を出たときくらい胸を高鳴らせながら、部屋を出た。
「すっげぇー!」
俺は街の様子を見て驚きの声を上げる。
「レオ。お前はどんな仕事がやりたい?」
そんなことは気にせず、ルイは話しかけてきた。
仕事か…初めてだし、別に得意なこともないし、
何も知らないし……
「んー、正直なんでもいいと思ってる。」
「はぁ?そんないい加減でいいのかよ。仕事だぞ?」
呆れた声でルイは言った。
「だって知らねぇもん。よくわからないんだ。」
「…………」
俺達は1日中街を歩いた。
空いている仕事はめちゃくちゃきつかったり安かったり…なんか怪しいのもあったな。
「結局いい仕事は見つからなかったな。」
仕事探しを諦めた帰り道で歩きながら会話をする。
「そうだなー仕事ってこんなに見つけるのが大変なんだな…」
「それは多分王都だからだ。王都は人間界の中心となる都市だからな。需要も高い。」
そうだったのか…これは長くなりそうだな。
それにしてもルイには助けてもらってばかりだ。仕事がうまく行ったら恩返しをしよう。
そう感心しているうちに宿屋についた。
帰ったら本を読むつもりだったが、とても疲れていたのでそのまま寝てしまった。
次の日、仕事探しに出かけようとルイに声をかけに行くと、
「悪い。今日は仕事が入ったから一緒に行けないんだ。」
と言われた。
そうか。ルイも仕事をしているだな。今度見学しに行きたいものだ。
けれど仕事は1日でも早く見つけたいのでしょうがないと今日は一人で仕事を探しに行くことし、部屋を出る。
一人で街を歩くと周りがよく見える。
それにしても何度見てもきれいな町並みだ。
人間界は他の種族と比べて大幅に発展していると本に書いてあったことを覚えているがどうしてなのだろう?
「痛いっ!やめて!」
…!どこから声がする。子供の声、?
俺は声のした方に走り出す。暗い路地裏につくと、上等な服を着た男とボロボロの服を着た少女だった。声の主はボロボロの服を着た少女だった。
「何をしているんだ?」
俺は男の方に質問する。女の子の髪を引っ張っていてどう見ても女の子が痛そうだ。早く助けてあげないと。
「お前正気か?今なら許してやるぞ」
…?何を言っているんだ?
「ふざけているのか?とにかく、その子から手を離せ。」
「はあ、これはもう重罪だな。救いようがないぜ。」
よく見ると男は腰に剣を携えている。
そしてその剣をゆっくり抜いた。
「お前はここで殺してやろう。」
男はそう言って近づいてきた。
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