第2話 英y…あれ俺今ヒモ?

パチッ

目が覚めると見知らぬ天井だった。

故郷とは違う、きれいな線が入った高級そうな板。

俺どうしたんだっけ?お腹が空いて倒れて、森にいたよな?あれ?


「…ここどこ?」

「宿屋。」


半分無意識に出た言葉を横で聞いていた人物が質問に答える。俺は自分が聞いたことない声に戸惑いながらゆっくり顔を声のした方に傾けた。


俺と同い年くらいの男がこちらを見ている。長いマントをはおり、左耳には十字のイヤリング、どちらも故郷では見られないほど立派だ。そして鋭い目つき。あれ絶対人殺したことあるぞ。こわ。俺なにかしたっけな…


「お腹すいたんだけどご飯ない?」


とりあえず俺は今の最優先事項を口にする。誰?とかここに来た経緯は?とか目怖いとか色々言いたいけど後回しだ。


「はぁ…持ってきてくれ」


大きくため息を付いて返事をした。だるそうだ。

ドアの前にいた人に頼むと俺の前にご飯がどんどん運ばれてくる。サラダから肉、デザートまで種類が豊富だ。湯気が出てとっても美味しそうだ…故郷ではこんなの食べられなかったからな…俺は腹がすごく減っていたので何も言わず、一心不乱に食べまくった。


「はぁ…!美味しかった!」


しばらくご飯を貪ってある程度満足した俺はそう言った。最高の飢餓状態になるとご飯ってこんなに美味しんだな…感動。気を取り直して


「それで、誰?」


次に言いたい事を言った。本当は目が怖いっていうことを先に言いたかったんだけどご飯を食べてる途中でそっぽを向いたからな。優先順位が変わったんだ。


「礼儀ってものを知らないんだな。まぁ、いいか。

俺はルイって名前だ。」

「ルイか!助けてくれてありがとう。ほんとに助かった。俺はレオっていうんだよろしく」


ルイは少し驚いた顔をしていた。俺だって少し位、礼儀はある。ありがとうとごめんなさいは故郷で大切だって言われていた。故郷の人たちが毎日のように言っていた言葉はここでも大切らしい。


「そうか。レオよろしく。ところであそこで何をしていたんだ?」

「あぁ。俺は王都に向かう途中であそこにいたんだ

だが食料がなくて動けなくなっちまって、ん?」


ルイは黙ったまま立ち上がり、窓に近づいた。そのままカーテンを横にどかすと光が差し込んできた。すると騒がしい声、きれいな町並み、大きな城……とってもきれいだな…ん?あれっこれって、


「それはちょうどよかった。ここは王都のメルガピアだ。」

「えっ!?」


そうだったのか…知らない間に目的地についているなんて驚きだ。だからこんなに天井がきれいで高級そうだったのか。

そんな驚く俺を横目にルイは荷物をまとめ始める。


「どこ行くんだ?」

「いや目的地までついたならもう大丈夫かなって。あっ宿代とご飯代は気にしなくていいから。じゃあまた機会があったら会おうな。レオ。」


そう言ってドアに手をかける。俺はその手をガッチリ掴んだ。

なんてできた人だ。でもこのまま行ってしまったら困る。だって…、


「俺一文無しで仕事もないんだけど」


これ遠回しにヒモになりたいですって言ってるよな















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