四十六話 なんとなくボクシング対決!

 おれは試合が始まる前にハムニブに声をかける。

「ハムニブ!とにかく勝たなくていいからね!いい勝負をして盛り上げて!」

「試合の前にちょっと休みたかったぞ……だが、出来るだけの事はやるぞ!」

 ハムニブは前の企画の事をまだ引きずっている……しかしもう対決は始まる!休む暇はない!

 ハムニブはチョクモンさんと向かい合う!ここでコングがなった!

「さあ試合スタートです!」

 実況も始まった!まずはお互いにジョブを打ち合っている!それがしばらく続いた後、チョクモンさんが攻める!チョクモンさんがストレートパンチを打つ!ハムニブはそれをまともに受けてしまう!それでハムニブは膝を突いてしまう!これはダウンになるんだろうか?

「おおーと!これはスリップの判定のようです!」

 なんだスリップか。それなら大丈夫だな!

 チョクモンさんはさらに攻める!ジョブにストレート、アッパーなども組み合わせ打っている!ハムニブはガードを固めてなんとかしのいでいる!

「ハムニブはパンチを打てない!ハムニブはチョクモンよりリーチが短い!どうする!?」

 確かにそうだ!ハムニブはどうしたらいいんだ!ここで……

「ハムニブ!手を出すっす!」

「ハムニブ!このままでは勝てないッチよ!」

「ハムニブ攻めるんじゃ!」

 ハムスター達も応援する!ハムニブはついにパンチを繰り出した!しかし……

「ハムニブ!チョクモンからカウンターパンチを食らった!ハムニブダウン!」

 ハムニブは全く良いところなくダウンしてしまう!なんとか10カウントの間に立ち上がれるか!?

「ハムニブ!立って!まだ勝負は始まったばかりだわ!」

「ハムニブ!お願いだから立ってくれ!」

 ねこことおれも応援する!もちろんハムスター達も立つように応援している!すると……

「ハムニブが時間内に立った!試合続行です!」

 ハムニブは立ってくれた!しかしその後も防戦一方で1ラウンドが終わった!




 インターバルの時間になった。おれはハムニブに水を渡す!その時ハムニブは……

「ユーキ……もうギブアップしたいぞ……チョクモンさん強すぎるぞ……」

 弱音を吐いている……気持ちはわかるが……

「ハムニブ!ハムケンもゴール出来るかどうかわからないんだよ!番組のために、あと一ラウンドイケるね?」

 ハムニブには頑張ってもらわないと!ハムニブはおれのこの言葉に……

「わかったぞ……やってみるぞ……」

 少しやる気になったようだ。しかしハムニブの目には涙が少し流れていた事をおれは見逃さなかった。

 




 二ラウンド目が始まった!チョクモンさんはいきなり鋭くパンチを繰り出す!ハムニブはそれを必死にガードして耐えている!

「ハムニブ!攻めれない!このままだといけないぞ!」

 実況の人の言う通りだ!

「ハムニブ!手を出すんだ!」

 おれの言葉を聞いたハムニブはパンチを出した!それを待っていたかのように、チョクモンさんはカウンターパンチをハムニブに食らわせた!

「ハムニブ!まだダウーン!今度も立てるか!?」

「ハムニブ!立つっす!」

「立てッチ!ハムニブ!」

「立つんじゃ!ハムニブ!」

 宇宙怪人ハムスター達だけではなく会場全体で立てコールが起こる!ハムニブ立ってくれ!そして……

「ハムニブ!10カウント直前で立った!まだ戦う気があるようです!」

 ハムニブ!良くやった!これに会場は盛り上がる!しかしハムニブはフラフラだ!おれは黙って見守る!ハムニブはまだ戦えるはずだ!

 しかしその後ハムニブは相手に抱きついて攻撃を防ぐクリンチをしまくる!そして二ラウンドが終わった!




 インターバルの時間にハムニブはまた弱音を吐く。

「ユーキ…。もう無理だぞ……時間を稼ぐだけで精一杯だぞ……」

 ハムニブはかなりしんどそうだ。そうだ!アレを使おう!

「ハムニブ!スーパーハムビタンZを飲むんだ!これで戦えるかもしれないよ!」

「そんな怪しい物飲みたくないぞ……でも番組のためかぞ……飲むかぞ……」

 ハムニブはスーパーハムビタンZを飲んだ!すると……

「チョクモンなんて倒してやるぞ!!!!!」

 一気に元気になった!良かった!





 そして三ラウンド目が始まった!ハムニブはチョクモンさんにすごい速さでパンチを繰り出す!

「ハムニブが攻める!インターバルの間に何があったんだーーーー!!!!」

 実況の人も驚いている。スーパーハムビタンZは普通のハムビタンZよりも効き目がヤバいな……ドーピングに引っかかるかもしれないが、これはあくまでテレビの企画。許してください……

 ハムニブは相変わらず攻めまくっている!今度はチョクモンさんが防戦一方だ!

 だが一分くらい経った時だった!ハムニブのパンチの間に隙があったようだ。チョクモンさんはそれを見逃さず、ハムニブに強烈なパンチを食らわした!ハムニブはダウンしてしまった!

「ハムニブまたダウンだーーー!!!今度も立てるか!?」

 また会場には立てコールが起こる!しかしハムニブは立てなかった……チョクモンさんの勝ちだ!

 ハムニブはその後しばらくしてなんとか立ち上がった。ハムニブが無事で良かった!

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