四十一話 なんとなく違う世界線の宇宙怪人ハムスターとトーク!コタロー編

 ハムケン組長との中継は打ち切られたが、スタジオは異様な雰囲気に包まれている……

「ハムアコ!ハムケン組長みたいなやばいやつがあと四人くるっすか!?」

 宇宙怪人ハムスター達はただでさえやばいやつなのにな……ハムアコは答える。

「コタローさん!社会的に成功している宇宙怪人ハムスターもいるのよ!それにちょうど良かった!次は違う世界線のコタローさんを連れて来ているのよ!」

「え!マジっすか……」

 このタイミングでねここが呼び込む!

「はい……えっと、コタロー父さん?の登場です……」

 コタロー父さん?がスタジオに入って来た!コタロー父さんはこの世界線のコタローと同じように赤いネクタイをしている。見た感じ二人に違いはないが……

「ねここ!コタロー父さんってなんすか!?」

「ええっと、台本にそう書いているのよ!とにかく本人に聞いてみて!」

 とりあえずまずはおれが質問しよう……




「コタロー父さん!なんで父さんって名乗っているの?」

「実はおいら父親なんっす!養子っすけどね!」

「なんっすかそれ……」

 コタローの文句は後回しだ!

「でも養子って結婚しないともらえないだろ?コタロー父さんは結婚しているの?」

「それがしてるんっすよ!ハムプチズの愛ちゃんがお嫁さんにきてくれたっす!」

 ハムプチズの愛ちゃんはコタローが好きなご当地アイドルだ!ちなみに人間だ。

「はぁ!?何言ってるっすか!?そんなの嘘っす!」

「この世界のおいら!それが本当なんっすよ!ちなみに愛人も二人いるっす!」

 この回答にコタローは黙り込む。この隙におれが質問する。

「コタロー父さん!愛人がいる事を愛ちゃんは知っているの?」

「知っているっす!おいらくらいになるとこのくらい当然っす!」

 この発言に会場はざわつく!

「え!コタロー父さん!仕事は何をしているの?」

「ハムチューバーっす!登録人数が1000万人いるっす!」

 コタローもハムチューバーをやっているが登録人数は数万人だったはずだ。1000万人もいればそりゃ稼げるよな……ここでとりあえずおれの質問は終わる……





 ここからは宇宙怪人ハムスター達が質問する!さっそくコタローが聞く!

「違う世界線のおいら!愛ちゃんと結婚した証拠を出せっす!」

「戸籍謄本持って来たっす!これ見ろっす!」

 戸籍謄本がスタジオの画面に映し出される!婚姻のところに確かに愛ちゃんの名前がある!

「だがぞ宇宙怪人ハムスターが戸籍取れるのかぞ?俺達は宇宙人だぞ!」

 確かおれも気になっていた!どうしたんだろう?

「ハムチューバーとして有名になったらなんかくれたっす」

 そんな簡単にいくものなのか?この疑問にはハムアコが答える!

「コタロー父さんの世界線では宇宙怪人にも戸籍が与えられるよう法律が出来たのよ!」

 それやばくね……日本が宇宙怪人に乗っ取られるんじゃないか?しかし疑問は解決した!

「コタロー父さん!家族写真はあるッチ?見せて欲しいッチ!」

「あるっすよ!ちゃんと持って来ているっす!」

 今度は写真が画面に出る!コタロー父さんと愛ちゃんと子どもが三人写っている!これにコタローはというと……

「なんでこんなに人生が違うっすか……世の中不公平っす……」

 不貞腐れている!この反応にコタロー父さんは……

「この世界のおいら!努力が足りないっすよ!」

 と努力不足を指摘する!

「別の世界のおいら!おいらもおいらなりに頑張っているっすよ!そんな事言われる筋合いないっすよ!?」

「成功してないなら努力が足りないんっすよ!この世界のおいらはダメダメっすね!恥ずかしいっす!」

「なんなんっすか!こうなったら勝負っすよ!腕っぷしで決着つけるっす!」

「いいっすよ!やってやろうじゃないっすか!」

殴り合いになりそうな雰囲気になってしまった……ここは止めないと!

「二人とも落ち着いて!これはテレビの企画だよ!」

「おいらは別の世界のおいらととやり合わないといけないっす!」

「おいらもっす!」

 ど、どうしよう……その時プロデューサーの柳さんからカンペが出た!




 カンペの内容は腕相撲で決着をつけませんか?という物だった。机が用意され対決の準備が整った!

「別の世界のおいら!勝ってやるっすよ!」

「この世界のおいら!負けないっすよ!」

 おれがスタートの合図を出す!

「はい!スタート!」

 二人の勝負が始まった!始まりは互角のようだ!

「クソ!なかなかやるっすね!別の世界のおいら!」

「フン!おいらはまだ本気を出してないっす!これから本気出すっすよ!」

 だんだんコタロー父さんが優勢になっていく!コタローは必死に抵抗しているが……

「このままじゃ負けるっす!おいらも全力出すっす!」

 コタローは少し押し返すもコタロー父さんがまた攻める!そしてコタローの手の甲が机に着いた!コタロー父さんの勝ちだ!

「はあ……はあ……おいらこれでも負けるっすか……」

 コタローは落ち込んでいる……そりゃそうなるよな……コタロー父さんはというと……

「やったっすよ愛ちゃん!子ども達!愛人の二人!おいらが一番っす!」

 喜んでいる……しかしこんなにやられたらコタローは再起不能じゃないか?この後の人生頑張れるんだろうか?



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