二十四話 なんとなく商店街歩き!その3

 なんとなく商店街歩きはまだ続く!

「いやー!歩いたら腹減ったっすねー!」

「ユーキ!ねここ!みんな!腹減ったッチ!」

「俺もだぞ!」

「僕もうじゃ!」

「ワシもやけん!」

 ハムスター達はまたお腹が空いているようだ……しかしイタリアンの店で食べてから三時間も経ってないが……

「じゃあ私の知り合いの人気店に行く?」

 ねここが提案してくれた!おれ達はその店に行く事にした!




 ねここはトンカツ屋さんに連れて来てくれた!昼過ぎの時間だが混み合っている。

「女将さん!私、ねここです!テレビの取材いいですか?」

「ねここちゃん!本当は取材は断っているんだけど、ねここちゃんなら良いよ!」

 ねここの力で取材OKになった!すごい!おれ達は広い座敷に通された!ちょっと気になる事を聞いてみる。

「ねここ!女将さんとはどういう付き合いなの?」

「女将さん、ネコ好きで保護ネコ活動もしているのよ!そこで知り合ったの。この店でバイトした事もあるのよ!」

 そういう関係なのか!ハムスター達はさっそくメニューを見ている。

「とんかつ美味そうやね〜!」

「チキンカツも美味そうじゃ!」

「エビフライも良いっすね!」

「ねここ!この店のおすすめってなにッチか?」

「このお店なんでも美味しいの!でも一番美味しいのはタルタルソースなのよ!」

 ねここの言葉にみんな驚いた!これを聞いたハムニブが提案する!

「これはテレビの企画ぞ!だからみんな!出来るだけ違うメニューを頼むんだぞ!タルタルソースが付いている物をだぞ!」

 おれ達はハムニブの提案に乗る事にした!さあ!注文しようとした時だった。

「ねここちゃん、今日人がいなくってさ、悪いけど手伝ってくれない?」

 女将さんからのまさかのお願いだ!

「私は良いですけど……テレビ的にどうかな?」

 その場に居たディレクターに相談するとOKの言葉が返って来た!ねここは急遽働く事になった!





 ねここは制服に着替えさっそく働いている!

「ねここの制服姿カワイイっすね!写真撮ってハムッターに上げるっす!」

 コタローは勝手に上げてしまった!まあ多分大丈夫だろう……しかし……

 おれ達の頼んだ料理が届いた頃だった。

「いらっしゃいませ!え!剛力さん!なんで!?」

「久しぶりだね♡ねここちゃん♡」

 ねここが驚くのも仕方ない。剛力さんとはねここが以前のパパ活の相手だ!パパ活と言っても食事しただけだが。女将さんとねここがヒソヒソ話している。追い出すのだろうか?するとねここがおれ達のところに来て……

「ユーキ!剛力さんを同席してくれない?」

「え!ねここ!なんでだよ……追い出せばよくない?」

「その方がテレビ的に面白いでしょ!剛力さん、テレビOKみたいだから!」

 ディレクターもOKを出した……そんなのありかよ!剛力さんはおれ達の席に通された。

「君がユーキくんだね。きみ達の事はよく知っているよ。」

 剛力さんは落ち着いた口調で話しかけて来た!

「そ、そうですか……ちなみにここの場所はなんでわかったんですか?」

「コタローくんのハムッターを僕フォローしているんだ。」

 おれはコタローとひそひそ話す。

「コタロー、フォロワーぐらいチェックしとけよ!」

「そんなのわからないっすよ……一応ときめきメーターは持って来たっすから、これでねここを助けるっす!」

 ときめきメーターとは、ときめきがなくなってしまっら倒れてしまう体質のねここのためにコタローがハムケンから買った道具だ!これを使えば心のときめきがわかる。しかしこんな事になるとは……SNSは怖いな……





「ねここちゃん♡とんかつ定食をお願いね♡」

「はい……わかりました……」

 剛力さんはねここを呼んで注文した!さっそくねここのときめきが下がり出している!

「ユーキくん。宇宙怪人ハムスター達の世話大変だよね?僕も手伝おうか?」

 剛力さんがおれに話しかけて来た!

「た、大変だけど大丈夫です……」

「遠慮しなくても良いんだよ。」

「いえ……本当に大丈夫です……」

 剛力さんはねここと話す時はねちゃっとした話し方だがおれも話す時はちゃんとしている。剛力さんって結構まともな大人ではないのか?





「ねここちゃん♡可愛いね♡」

 剛力さんはねここが通るたび一言言いながら見つめている!もちろんときめきが下がる!前言撤回だ!この人やばいよ!そんな中、ハムスター達はというと……

「とんかつ美味しいんよ〜!でもタルタルが一番美味しいけん!」

「タルタルめちゃくちゃ美味いんじゃ!」

 美味しそうに食べている……助けてくれよ……そんな事を思っていたらねここが剛力さんのとんかつ定食を運んで来た!

「剛力さん……お待たせしました!」

 ねここは営業スマイルで食事を持って来た。すると剛力さんがねここの手をさりげなく触った!

「ごめんね♡あたちゃった♡」

 ときめきは一気に一番下まで下がり!

「もう無理……」

 ねここは倒れてしまった!こういう時はあれだ!

「ハムケン!ハムビタンZを飲ますんだ!」

「一本3000円よ!払ってね〜!」

 高い……しかし半額以下で売ってくれるのか!?まあ番組のお金で出してもらおう……ハムビタンZを飲んだねここはすぐに起き上がり!

「剛力さん!!次にやったら警察行きますよ!!!」

啖呵を切った!

「はい……わかりました……」

 剛力さんはしゅんとなった。この後剛力さんは黙って食べて出て行った。ハムスター達はそんな事は気にせず何回もタルタルソースをおかわりしていた。おれは食欲を無くして残してしまった……残った分はハムスター達が食べてくれた!

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