十五話 なんとなくハムスターレストラン探偵少女f後編

「さあ探偵少女fふえぐりたまよさんをゲストに迎えての二回戦が始まります!」

 ねここがアナウンスしたが、コタローとハムッチには疑問があるようだ。

「あれ?今回は追加のゲストはいないっすか?」

「イケメン探偵とか出て来ないッチか!?」

 この疑問にはたまよちゃんが答えてくれる。

「私、友達少ないので……家族以外の探偵の知り合いとかいませんし……」

 そうならしょうがないな……

「たまよちゃん!友達なんぞ、これから作ればいいぞ!」

「僕らが友達じゃ!」

 ハムニブとハムタクが励ましてくれた!この二人良いやつだな……

「二人ともありがとうございます!」

 たまよちゃんが元気になったところで企画を進めないと!この対決が最後の対決だ!

「さあみんな!キッチンの立ち位置に行ってね!」

 ハムスター達はキッチンの立ち位置に向かって行った。




「たまよちゃん次に好きな食材はなに?」

「私、甘い果物が好きなんです。特にいちごが好きです!」

「さあ!みんな最後の食材はいちごだよ!料理を考えね!制限時間は20分!」

 おれの言葉でカメラがキッチンに向かう!ねここがリポートする。

「コタロー!ハムニブ!なにを作るの?」

「そうだなぞ……コタロー!どうするぞ?」

「そうだっす!今回もシンプルにいくっす!」

 今回もシンプルにいくのか!?今回こそは大丈夫だよな!?ねここはもうひとつのチームにも行く!

「ハムタク!ハムッチはなにを作るの?」

「いちごッチか……私は思いつかないッチ。ハムタクどうするッチ?」

「うーむ、20分しか時間ないじゃろ……簡単に出来る物、簡単に出来る物といえば、そうじゃ!あれを作るんじゃ!」

「両チームとも決まったようです!こちらからは以上です!」

 キッチンからカメラがこっちに来た!おれも上手くやらないと……





「たまよちゃん!学校はどう?楽しい?」

 たまよちゃんはゆっくりと答える。

「さっきも言ったのですが、私は友達が少ないです。でも学校は楽しいですよ。」

「良かった!探偵業と学校の両立はしんどくない?大丈夫?」

「大丈夫ですよ。なんとかやれてます。」

 ここでねここのリポートが入る!

「コタローハムニブチームはいちごのへたを取っています!コタロー!何を作るの?」

「いちごの練乳がけっす!いちごなんてそのままで美味いっすから!」

「え……それだけ……ハムニブ!それで良いの?」

「そうだなぞ……そうだコタロー!砂糖もいっしょにかけるぞ!」

「っす!それ採用っす!」

 それ料理と言えるのか?いくらなんでもシンプルすぎるだろ……ねここはもう一つのチームにも行く!

「えっと、ハムタクハムッチチームのキッチンに来ました!ハムタクは生地を作っているようです!ハムタク!何を作るの?」

「いちごといちごのジャムを乗せたホットケーキだじゃ!ハムッチにはいちごを切ってもらっているんじゃ!ハムッチも上手く切ってくれているんじゃ!」

「このくらい余裕ッチ!」

 これを聞いたねここは安心した顔になった!

「両チームとも一応順調に進んでいるようです!ユーキ!お返しするわ!」

 ハムタクハムッチチームはまともに料理を作っているようだ!良かったよ、ホント……





「たまよちゃん料理の様子を見てどう?」

「すごく楽しみです。どっちの料理も美味しそうです!」

「え!ホットケーキはともかく、コタローハムニブチームなんて練乳かけただけだよ!?」

「私、いちご自体が好きなので楽しみです!」

 そりゃ練乳かけただけでも美味しいけど……料理は佳境に入っている。またねここがリポートしてくれる。

「コタローハムニブチームですが、もう完成したようです……」

「いやー時間余っちゃたっす!」

「もう一品作れるかもぞ!」

 二人はご満悦の様子だ……ねここは速攻でもう一つのチームに行く!

「ハムタクハムッチチームはホットケーキを焼いています!」

「そろそろ焼き終わるんじゃ!ハムッチ!皿を用意してくれじゃ!」

「ほいッチ!」

「皿に乗せてとじゃ。いちごを乗せて、ジャムをかけて、完成じゃ!」

 両チームとも一応上手くは出来たみたいだ!





 料理が完成したのでたまよちゃんに食べてもらう!

「たまよちゃん!まずはコタローハムニブチームのいちごの練乳と砂糖がけを食べてね!」

「はい。うん。甘くって美味しいです!」

「次はハムタクハムッチチームのいちごを乗せたホットケーキだよ!食べてみて!」

「はい。ちゃんと焼き上がっていますね!美味しいです!」

 たまよちゃんはどっちの料理も美味しそうに食べてくれた!

「たまよちゃん!どっちが美味しかった?」

「ハムタクさんハムッチさんチームのホットケーキの方が美味しかったです!」

「この対決の勝者ハムタクハムッチチームです!」

 おれの掛け声で会場は盛り上がる。しかし……

「あれ?でも今回は追加のゲストいないっすから、これで一対一っすよ!?どうするっすか?」

「それに今までの対決も一対一ッチよ!?」

確かにそうだ!でももうゲストはたまよちゃんしかいない!

「たまよちゃん!どっちが総合的に良かったか決めてくれる?今までの対決も観ていたんでしょ?」

 おれがそう言うとたまよちゃんは

「そうですね……しばらく考えても良いですか?」

 と言って仰向けに寝た!確かに前も考える時は仰向けに寝ていたけど……テレビ的には困る!

「たまよちゃん!尺の問題があるからね!すぐに決めてくれないと!」

 おれの言葉にたまよちゃんは起き上がってくれた!

「分かりました。直感で決めます。この企画の勝者はハムタクさんハムッチさんチームです!」

この声に合わせてキャノン砲から銀テープが飛んだ!

「やったんじゃ!ハムッチ!」

「ハムタク!良かったッチね!」

 勝った二人は抱き合って喜んだ!負けたチームはというと……

「この企画は負けてもしょうがないっす……」

「ハムタクに花を持たせてやったぞ……」

 負けを認めているようだ……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る