十六話 新しい企画がスタート!
なんとなくハムスターレストランが終わった。おれ達はメインのスタジオへ戻って来た。ここで三時間ぶりにあの人に中継を繋ぐ!
「藤田さん!ハムケンのなんとなく100キロマラソンはどうなっていますか!?」
「はい……ハムケンさんは30キロ地点まで走ってきましたが、ここでハムケンさんに異変がありまして……」
藤田さんが覇気のない顔をしている……
「え!藤田さん!ハムケンに何があったんですか!?」
「ユーキさん。それがハムケンさんが足の痛みを訴えていまして……今、ケアしているところなんです……ハムケンさんはしゃべれるようなので、ハムケンさんに繋ぎます……」
ここでハムケンが映し出される。ハムケンは元気がなさそうだ。
「みんなー!ワシ、こんな事になってしまったんよー!」
「ハムケン!大丈夫っすか!?」
「ハムケン!辛いならやめてもいいんだぞ!」
「そうじゃ!ハムケンも僕達と一緒にやるんじゃ!」
「ハムケン!無茶するなッチ!」
「ハムケン!無理しないでね!?」
宇宙怪人のみんなも心配している!おれも心配だ!しかしハムケンは……
「みんな!ありがとうなんよー!でももうちょっと頑張ってみるんよー!スタジオに向かうけんねー!」
まだやる気のようだ!この言葉にみんなは安心したようだ!
もう一つ気になる企画がある!中継を繋ぐ!
「高藤さん!一休の様子はどうですか!?」
「はい……一休さんですが、休憩が終わっても姿が見えません……」
一休は一体なにをしているんだ……
「高藤さん!なんとか探す方法はないですか!?」
「ユーキさん!そこでさっきハムスターレストランにも来ていただいた宇宙怪人犬のジョンさんに来てもらいました!」
ジョンは地球の犬の姿で画面に出て来た!ちなみにジョンは柴犬みたいな感じだ!
「俺の鼻で一休を探すんだ!」
ジョンはやる気満々だ!高藤さんが一休の匂いがついたタオルをジョンに嗅がす!
「くんくんっと、よし!わかった!あっちだ!」
ジョンは走り出した!高藤さんも走ってついて行く!そして……
「今、ジョンさんが消え物室に入って行きました!」
消え物室とはテレビ局の調理場の事だ!ジョンはその部屋の中の冷蔵庫の前で止まった!
「一休はこの中に居るぞ!」
ジョンがそう言うので高藤さんは冷蔵庫を開けた!中には中にあったチーズを食べているちっちゃくなった一休が居た!
「一休!なにしてたんだよ!もう休憩は終わりだよ!」
おれのツッコミに一休はというと……
「ちゃ!おれっち気づかなかったちゃ!ごめんちゃ!」
悪びれる様子もない……
「一休さん!とにかく!今からなんとなく逃げるちゃの再開ですよ!はい!逃げて!ジョンさん追いかけて!」
「よっしゃ!一休に恨みはないが捕まえるぞ!」
高藤さんはいきなり企画を再開する!
「ちゃ!まじかちゃ!その前に説明してちゃ!どこを何時間逃げればいいちゃ!?」
ジョンが一休を追いかけているが、高藤さんは気にせず
「はい!今回は三時間この消え物室があるフロア全体をジョンさんから逃げてもらいます!」
落ち着いて説明した!
「宇宙怪人がハンターになるなんて聞いてないちゃー!」
一休は大きくなってカメラから遠ざかって行った……
「ユーキさんそちらにお返しします!」
高藤さんは中継を打ち切った。
ここからは録画で撮っていた企画が流される!しかしおれ達はワイプで抜かれるため、休めない……
「さあ次の企画はこれです!」
おれがそう言うと画面が切り替わった!
「なんとなく壁を乗り越えろ!スタートです!」
今回の企画は迫り来る壁を乗り越えたり、壁に空いてある穴を通ってクリアを目指す企画だ!
ちなみにそれが出来ないと氷水に落ちてしまう……まあ氷水に落ちてもちゃんとお湯を張った湯船が用意されているので安心だ!しかし宇宙怪人ハムスター達は文句があるようで……
「なんでこんな体を張る企画やんなきゃいけないんっすか!?」
「いくら宇宙怪人ハムスターの毛が水を弾くといっても氷水はしんどいぞ!」
「氷水なんかに入ったら心臓が止まるんじゃ!」
「こんな企画やりたくないッチ!」
「ワシ乗り越える自信ないんよ……」
相変わらずなんでも文句を言うなコイツらは……あ、この企画は収録なのでハムケンが居ます。
「とにかく始めるからね!」
おれがそう言うとハムスター達はシブシブやる気になったようだ。
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