十三話 なんとなくハムスターレストラン宇宙怪人熊の熊吉!後編

「熊吉!おいら達が作った料理も美味しかったっすよね!なんでっすか!?」

「美味い料理作ったのにぞ……」

 コタローハムニブチームは結果に満足してないようだ……

「ええっと、青椒肉絲の方が満足感があったので……」

「そ、そこっすか!?確かにそうっす……」

「そうかもだぞ……」

 熊吉の説明に二人は納得したようだ!

「勝負はもう一回あるからね!ねここ進行して!」

 おれの言葉でねここがさらにゲストを呼び込む!

「ここで熊吉の同僚!宇宙怪人カメの亀太郎さんの登場です!」

「熊吉園長!俺も来たぜー!」

 宇宙怪人カメの亀太郎は小さい地球の亀の姿からは大きくなる事は出来るが、ねここのように人間に近い姿にはなれない。背中には甲羅があって体も緑色だ!ちなみに亀太郎も動物園で働いている。とにかくおれは進行する!

「熊吉!タケノコの他に好きな食材は?」

「そうですね……また地球の熊といっしょなんですけど、はちみつが好きですね。亀太郎さんは好きですか?」

「俺も食べない事はないぜ!」

 そういう事なら問題はない!

「次の食材ははちみつだよ!両チームともメニューを考えてね!制限時間は20分だよ!」

「「「「了解!!!!」」」」

 ハムスター達はキッチンの立ち位置へ向かって行った。




 まずはキッチンにカメラが行く!ねここがリポートする!

「コタロー!ハムニブ!何を作るの?」

「今回もシンプルな料理を作るっす!ハムニブ!パンの準備をするっす!」

「おうぞ!俺はコタローの考えに乗るぞ!」

「こっちのチームは決まりました!ハムタクハムッチチームにも聞くわ!」

「ハムタクどうするッチ!」

「パンを使うとするとじゃ……向こうはデザートだろじゃ……そうじゃ!こっちはおかず系でいくじゃ!」

「両チームとも決まったみたいだわ!ユーキ!また何かあったらリポートするわ!」

「はい!わかったよ!」

 今回は両チームとも方向が違うようだ!




 おれはゲストとトークしなければならない!

「熊吉!亀太郎の動物園での働きはどう?」

「真面目に働いてくれていますよ。お客さんからも人気がありますし。」

「いろんな人から写真撮ってと言われるんだぜ!正直ちょっと困っちゃうぜ!」

 亀太郎はハニカミながら言った。口ではこう言っているが、本当は嬉しいのだろう。おれは亀太郎に質問する。

「亀太郎は動物園の仕事好き?」

「嫌いじゃないぜ!地球の動物達は俺達宇宙怪人とは違って喋らないけど、お世話してると気持ちがわかるような気がするんだぜ!」

「それは良いね!」

 ここでねここのリポートが入る!

「コタローハムタクチームはパンを取り出しました!コタロー!フレンチトーストでも作るの?」

「いやこのパンは普通にトースターで焼くっす。」

「ええ!そうなの!」

 コタローがあっけらかんとした顔で言うのでねここは驚いた!

「ねここ!こっちの料理は焼いたパンにはちみつを塗るだけだぞ。」

「本気なの!?」

「はちみつなんてそのままで美味いっすから。」

「本気なのね……あっちのチームに行くわ……」

 ねここは言葉もないようだ……しかしシンプルすぎるだろ……

「ハムタク!ハムッチ!今はキャベツを切っているようだけど、どんな料理を作るの?」

「僕達は豚肉のはちみつ生姜焼きを作るんじゃ!肉はもう揉み込んで置いてあるんじゃ!」

「キャベツは付け合わせッチ!」

 これを聞いてねここはホッとした表情になる。

「それは良いわ!ユーキ!ひとまずお返しするわ!」

 ハムタクハムッチチームはちゃんとした料理を作っているようだ!本当に良かった……





 こっちにカメラが戻って来た!

「熊吉!亀太郎!料理の様子を見てどう?」

「楽しみですね。ハムタクさんハムッチさんの料理が気になります!」

 熊吉は期待している顔で答えてくれた!

「俺はパン派だからコタローハムニブチームが気になるぜ!」

 亀太郎はこう答えたが……亀太郎、あれで良いのか?自分でも簡単に作れるだろ……ここでまたねここからリポートが入る!

「コタローハムニブチームはパンが焼けたようです……」

「上手く焼けたっすね〜ハムニブ!マーガリンを塗ってはちみつかけてくれっす!」

「おうぞ!ぬりぬりっとぞ!料理完成したぞ!」

 一応料理は完成したが……スタジオは盛り上がらない……

「もうちょっと盛り上がってくれっすよ!お客さん!」

「こんな料理では盛り上がらないだろ!お客さんは悪くないよ!」

 おれは思わずツッコんだ!

「なんなんっすか……もう!」

 コタローは不満があるみたいだが仕方ない……

 ねここはもう一つのチームにも行く!

「ハムタクハムッチチームはハムタクが肉を焼いてます!すごく良い匂いね!ハムタク!上手くいってるみたいだね!」

「そうなんじゃ!もうちょっとで完成じゃ!」

「こっちのチームももうすぐ完成です!」

 ねここは元気いっぱいにリポートを終えた!




 そして両チームとも料理が出来た!まずはハムタクハムッチチームの豚肉のはちみつ生姜焼きから二人に食べてもらう!

「熊吉どう?」

「美味しいですよ!はちみつってこんな使い方も出来るんですね!」

「亀太郎はどう?」

「美味いぜ!肉も柔らかいぜ!」

 次はコタローハムニブチームのはちみつトーストだ!

「熊吉こっちはどう?」

「ちゃんと焼けてますね。美味しいですよ。」

「亀太郎はどう?」

「焼き具合が最高だぜ!」

 二人とも食べ終わった!勝者を決めてもらう!

「熊吉どっちが美味しかった?」

「今回もハムタクさんハムッチさんチームです!」

 これで今回の対決の勝者は決まったが、一応亀太郎にも聞こう。

「亀太郎はどっちが美味しかった?」

「どっちも良かったぜ!でもパンの焼き具合が良かったからコタローハムニブチームに一票だぜ!」

 これで結果が出た!

「宇宙怪人熊の熊吉をゲストに迎えた今回の勝負は、ハムタクハムッチチームの勝利です!」

 おれの結果発表にスタジオが盛り上がる!

「ハムタク!やったッチ!」

「ハムッチ良くやってくれてありがとうじゃ!」

 二人はすごく喜んだ!一方コタローとハムニブは……

「今回は負けても仕方ないっすね……亀太郎が評価してくれただけでも良かったっす。」

「さすがにシンプルすぎたぞ……」

 負けを認めているようだ。

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