十話 なんとなくハムスターレストラン 宇宙怪人犬ジョン前編

 野球中継が終わって、次の企画の時間が来た!

「なんとなくハムスターレストラン開幕です!」

 料理が出来るこのスタジオで行われるのは、ハムスター達4人がコンビになってゲストのために料理する企画だ。

「コンビの組み合わせは、コタローとハムニブのコンビと、ハムタクとハムッチのコンビです!」

 ねここのアナウンスでハムスター達が出て来た!

「やるっすよハムニブ!」

「ハムタクに勝つぞ!コタロー!」

 コタローとハムニブは負ける気はないようだ!

「料理なら僕に任せろじゃ!」

「ハムタクについて行くッチ!こっちも負けないッチ!」

 この企画で注目なのは、料理が得意で店を開いた事もあるハムタクだ!しかしハムッチはやる気はあるようだが、足を引っ張らないでこなせるだろうか?ねここはさらに続ける。

「ここでゲストをお呼びします!宇宙怪人犬のジョンさんです!」

 宇宙怪人犬のジョンとは、ハムスター達は前に戦った事があるが、その後しばらくして警備員の仕事でいっしょになった。おれの友達に飼われていて、今はハムスター達に敵意はない。ちなみにジョンはねここのように人間の姿にもなれる。今回は人間の姿で出てもらっている。ちなみに人間化しても犬の耳は残っている。

「なんで宇宙怪人を呼ぶっすか!?キレイなお姉さんをゲストを呼べっす!」

「てっきり芸能人がゲストとしてくると思っていたッチ!芸能人に会えると思って、楽しみにしていたのにッチ!」

 二人のハムスター達からは不満が上がったが……

「俺は仕事で世話になったから別に良いぞ!」

「宇宙怪人犬も僕の料理の虜にしてやるじゃ!」

 こっちの二人は不満がないようだ。

「とにかくもうゲストは変えられないからね!企画を進めるよ!」

 おれの言葉にハムスター達はそれぞれの立ち位置へ移動して行った。





 さあスタートだ!おれがMCでゲストから話しを聞く。ねここはハムスター達をレポートする。

「ジョン!好きな食材は何?」

「うーんそうだな……鶏肉が好きかな。特にささみが好きだよ!」

「そうなんだ!ハムスターのみんな!ささみを使った料理を作ってね!制限時間は15分だよ!」

「「「「了解!」」」」

 ハムスター達はまず何を作るか考え出した!

「ジョン!まだ警備員の仕事はしているの?」

「たまに人が足りない時に行ってるよ!でも今は飼われているから働かなくてもいいんだけどね」

「それは偉い!」

「ユーキ!ジョンさん!コタローチームはオムライスを作るようです!」

 ねここのリポートでカメラがコタローとハムニブチームに行く!

「やっぱり鶏肉料理っていったらチキンライスっす!」

「上にオムレツも乗せてオムライスにするぞ!」

 カメラはハムタクハムッチチームにも行く!

「こっちはササミカツを作るんじゃ!」

「大事なところはハムタクに任せるッチ!」

 おれはそれを聞いてジョンに質問する

「ジョンはオムライスとササミカツ好き?」

「どっちも好きだよ!楽しみだなー」

 ハムスター達は料理に取り掛かった!





「ハムニブ!筋を取るのは任せるっす!」

「おうぞ!コタローはピーマン切ってくれぞ!」

「ハムッチバッター液を作ってくれじゃ!」

「わかったッチ!」

 料理は上手く行っているようだ!おれはジョンにさらに質問する。

「ジョンは普段は犬の姿になって過ごしているの?」

「最近は人間の姿で過ごす事が多いかな……人間の姿の方が生活しやすいしね。」

「確かにそうだな……」

 ここでねここのリポートが入る!

「コタローとハムニブチームがチキンライスを作り始めました!」

「ハムニブ!ケチャップどのくらい入れたら良いっすかね?」

「いっぱい入れた方が美味しいぞ!」

「あれ?なんかベチャベチャになってきたっす……」

 ねここはハムタクとハムッチチームにも行く!

「こっちはササミカツを揚げるようです」

「ハムッチ!小麦粉入れすぎだぞ!」

「ッチ!?もう時間無いッチ!このまま行くッチ!」

「両チームとも上手く行ってないみたいです!リポート終わります!」

「ええっと……ジョン!料理の様子を見てどう?」

「大丈夫かよ……食える物出してくれよ……」

 ジョンだけじゃなくおれも不安だよ……






 なんとか料理が出来た!

「まずはコタローハムニブチームのオムライスです!ジョン食べてください!」

 オムライスの上のオムレツはまとめられなかったのかスクランブルエッグが乗っている。

「うん!これはマズイ!」

 オムライスは口に合わなかったようだ……

「次はハムタクハムッチチームのササミカツです!」

 見た感じは美味しそうだが、どうだろう?

「うん!こっちもマズイ!」

 まさかのどっちもマズイのか!?ハムスター達の反応はというと……

「オムレツも上手く作れなかったっす……」

「ケチャップ入れ過ぎたぞ……」

「バッター液作り直す時間無かったんじゃ……」

「仕方ないッチね……」

 失敗を認めているようだ。しかしこれは対決企画だ。

「ジョンどっちが美味かったか決めてもらわないといけないんだよ……どっちがマシだった?」

 おれがそう聞くとジョンは少し考えた後、

「うーん、ササミカツの方がましだったかな……」

 そうポツリと答えた。

「ハムタクハムッチチームの勝利です!」

 おれがそう言ってもスタジオは盛り上がらなかった。勝った二人もあんまり喜んでなかった……

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