八話 なんとなくキャラクター大相撲その4

「なんとなくキャラクター大相撲」も終盤だ! もちろんねここが進行する!

「次は青森県のりんご長芋マンです!」

 りんご長芋マンは頭がりんごで体が長芋ぽいタイツを着ているキャラクターだ!

「こいつさっき出て来た時よりもデカくなってないッチか!?卑怯ッチ!」

 確かにデカくなっている気がする……ハムッチの疑問にはねここが答える。

「実はりんご長芋マンの中の人が代わりました!宇宙怪人ハムスター軍団が強いので、急遽元力士の中でも強い人を呼びました!」

「そんなのダメっすよ!」

「そんなの勝てないぞ!」

「ハムタクが可哀想ッチ!」

「僕そんなのと相撲を取るんかじゃ……」

 ハムスター達は不満気だ!その気持ちもわかるが……

「とにかく!戦ってもらわないといけないからね!二人とも土俵へ向かってね!」

 今回はおれがアナウンスした。ハムタクは下を向きながら土俵へ向かった……大丈夫かな……

「見合って、見合って、はい!」

 おれの合図で取組が始まった!ハムタクはりんご長芋マンに真っ向から当たりにいった!立会いは互角のようだ!しかし……

「圧力が強いんじゃ……」

 ハムタクはそう呟くと後ろに引いてしまった!土俵際で一か八かの首投げを仕掛けるが、投げられず押し切られてしまった!

りんご長芋マンの勝ちだ!

「こいつのパワー半端ないんじゃ……全然押せなかったんじゃ……」

 ハムタクは落ち込んでる。怪我しなかっただけよかったか……





 宇宙怪人ハムスター軍団はついに大将のコタローの登場だ!

「おいらの出番っすか!まあやるだけやるっすよ!」

 コタローは自信満々だ!しかし……

「コタロー!あいつやばいんじゃ!何か対策をしないといけないと思うんじゃ!」

「マジっすか……なんか自信なくなってきたっすよ……」

 ハムタクのアドバイスがコタローの自信をなくす……

「コタロー!話してないで土俵に上がってね!」

 ねここのアナウンスでコタローはしょうがなさそうに土俵に向かった。

「見合って、見合って、はい!」

 おれの合図で取組が始まった!りんご長芋マンは真っ直ぐぶつかりにいったが、コタローがそれをそこで横に動いて避けた!りんご長芋マンはその勢いのまま土俵の外へ出て行った!コタローの勝ちだ!

「やったっすー!勝ったっすー!」

 コタローは喜んでいるが、スタジオはまさかのコタローの変化に盛り下がっている……

「みんな!なんなんっすか!?勝ったんだから喜んでくれっす!」

「コタロー!こんな勝ち方じゃ盛り上がらないんじゃ……」

「ちゃんと当たりにいけッチ!」

「まあ気持ちはわかるがぞ……」

 仲間のハムスター達からも苦情を言われてしまう……

「くっそー!!!次のやつ出て来いっす!」

 コタローは次は良い相撲を見せてくれるだろうか?





「それではご当地キャラクター軍団の大将の登場です!長野県のサーモンシャモマンです!」

 サーモンシャモマンは頭がサーモン柄の被り物で体がシャモ柄のタイツのキャラクターだ!

「こいつ人間に近いっすよ!こんなキャラクター認めていいんっすか!?しかもかなりデカいっすよ!?」

 確かにサーモンシャモマンはかなり動きやすそうだ!しかも体もかなり大きい。しかし、ねここはコタロー文句には反応せず……

「それじゃあ二人とも土俵へ向かってください!」

 進行した!おれも行司をやらないと……コタローはというと、

「なんでおいらの言ってる事に反応してくれないっすか……」

 と言いながら土俵へ上がった。ねここも反応するのに疲れたんだろう……

「見合って、見合って、はい!」

 おれの合図で取組が始まった!今度はコタローは真っ向から当たりに行った!サーモンシャモマンも当たりに行き、がっぷり四つに組んだ!お互いになかなか攻めれない!その時だった

「宇宙怪人ハムスター……ぶっ飛ばすぞ……」

 サーモンシャモマンが小声でコタローを脅迫しだした!

「こいつ!小声で脅してきたっす!怖いっす!」

 コタローはすぐに被害を訴えるも……

「サーモンシャモマンはそんな事言いません!」

 ねここに否定されてしまう……お客さんもそんな事はないだろうと笑っている!おれには聞こえいるが……ここは黙っておこう……サーモンシャモマンはさらに脅迫する!

「ハムスター野郎……後で覚えておけよ……」

「怖いっすよ!おいらどうなちゃうんっすか!」

 そんな事を言いながらもコタローはジリジリ押していく!ついに土俵際まで追い詰めた!

「おれにも面子がある……勝ったらどうなるかわかっているんだろうな……」

 サーモンシャモマンの脅しには屈せずにコタローは寄り切った!コタローの勝利だ!

「やったぞコタロー!」

「よくやったんじゃ!」

「コタローすごいッチ!」

 他のハムスター達とお客さんは喜んでいるが……脅されたコタローは喜んでいない……

「ユーキ……勝っちゃって良かったっすか?」

 コタローは小声で聞いてきた。

「良かったよ……よく頑張ったよ……」

 おれはコタローを励ました。この後何もないといいけど……

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