一話 30時間テレビ

 これはおれと宇宙怪人ハムスター達が宇宙に旅立つ前の話である。

「ユーキ!大変っす!」

 コタローがすごい勢いでおれの部屋に入って来た!

「どうしたんだ!?コタロー!」

「テレビ局の人からDMが届いたっす!おいら達宇宙怪人ハムスターをテレビに出したいみたいっす!」

 それはびっくりだ!

「コタロー!とにかく話を聞いてみよう!」

「わかったっす!」

 テレビ局の人は明日来てくれる事になった……





 テレビ局の人は昼過ぎに家にきた。宇宙怪人のみんなといっしょに話を聞いてみる。

「私ブジテレビでプロデュースをしている、柳と言う者です。今回は宇宙怪人のみなさんにこの企画をやって欲しいんです。」

 おれ達は企画書を見た。その企画はというと……

「30時間テレビですか!?本気ですか!?」

30時間テレビはブジテレビが毎年夏に放送している、お笑い番組だ。

「はい!本気です!最近はテレビ離れが進んでいますから、いつもとは変わった事をしたいんです。」

 柳さんは強い口調で言った。

「しかし大丈夫ですか?宇宙怪人達は素人ですよ!確かにインパクトはあるかもしれませんが……」

「ワシそんなデカい番組やる自信ないんよ……」

「テレビには出てみたいッチ!けど30時間テレビはキツイッチ!」

 ハムケンやハムッチだけでなく他の宇宙怪人達も不安みたいだ。そんなおれ達に柳さんは

「みなさん!30時間テレビに出演していただけるならギャラは一人100万円出しますよ!」

こんな提案をした!

「100万もくれるんかぞ!やってみてもいいぞ!」

「僕もやってみたいんじゃ!」

 この提案にハムニブとハムタクだけではなくハムスター達はみんなやる気になった!ねここと一休はどうだろうか?

「私も出てもいいけど……でもエッチな事はしないからね!」

「おれっちもやりたいちゃ!」

 みんながやる気ならいいか……しかし少し気になるのが……

おれは質問してみる。

「柳さんMCはどの芸人さんがやるんですか?」

「MCはユーキさんとねここさんにお願いしたいです!」

「え!ええーーー!!!」

「本気なの!?」

 おれとねここはすごく驚いた!おれ達に出来るわけないよ……

「大丈夫です!台本通りにやれば出来ますよ!それに全部生放送ではなくて、収録の部分もありますから!」

 柳さんが自信満々に言うものだからハムスター達は

「ユーキ!ねここ!やるっすよ!」

「二人なら出来ると思うんよ!」

 すぐにおれ達にやらせようとしてきた!ど、どうしよう……

柳さんはさらに続ける

「MCを引き受けてくれたら、お二人のギャラは300万出しますよ!」

「「300万!!!」」

 あまりの金額におれとねここは絶句した!

「さ、300万!ユーキ!やりましょう!」

 ねここはすっかりやる気になってしまった……仕方ないか……

「分かりました!やります!」

 おれのこの言葉に宇宙怪人達は、

「よっしゃッチ!みんなでやるッチ!」

「僕も頑張るんじゃ!」

 それぞれに歓声を上げた!上手くこなせるといいけど……





「みなさん!企画ですが、まずは、30時間100キロマラソンをする人を決めたいんです!」

 マラソンか……運動神経が良いやつだというと……

「コタローかハムニブがやればいいんじゃない?」

 そう聞くと二人は

「まあ仕方ないっすね。おいらやっても良いっすよ。」

「僕は野球やってるから余裕だぞ!」

 前向きな返事をしてきた。しかし……

「いえ……コタローさんやハムニブさんでは完走して当然だと視聴者は思います。お二人ではダメです。」

「じゃあ僕でもだめじゃないかじゃ?」

「はい……ハムタクさんでもダメです!」

 じゃあ残っているのは……

「おれっちは無理ちゃ!人間の大きさに長い間なれないちゃ!」

 一休は無理か……そうなると……

「ワシ無理なんよ……」

「私も自信ないッチ……」

 ハムケンとハムッチのどっちかという事になる。

「柳さんはどっちがやれば良いと思いますか?」

 柳さんは即答した!

「ハムケンさんです!」

「なんでなんよーーー!!!」

 ハムケンは嫌がっているようだが……

「ハムケンならいいよ!」

「ハムケン!練習付き合うぞ!」

 ねこことハムニブだけでなく他の宇宙怪人達もハムケンを応援している。こうなると……

「決まりですね!ハムケンさん!本番まで練習していてください!」

「無理なんよ……完走する自信ないんよー!」

 その後もハムケンはやりたくなさそうだったが、結局マラソンはハムケンに決定した!

「他の企画は追って連絡します!」

 柳さんはそう言って帰って行った。とにかく明日からは練習だな……

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