第15話 第7部 紛争編 2

ここまでのあらすじ


岩井テレサから万一のため、同盟チームも警戒するように言われた彩斗達は用心のための死霊屋敷にメンバーが暫く死霊屋敷に移る事になり、『ひだまり』も暫く閉める事になった。

まだ夏休みが数日あって司と忍も死霊屋敷に連れて行き、事態解決まで学校が始まれば明石夫婦が車で小学校まで送り迎えする事になった。


その時、彩斗は『ひだまり』に加奈達ウェイトレスのスカートを覗くスケベヲタク死霊がとんでもなく増えている事に、そしてそれに比例するように客がとても増えている事に言及し、いっその事『ひだまり』を死霊屋敷近くに移転しても絶対に客が沢山やって来ると言い、明石や四郎も賛成した。


その後岩井テレサからの伝令で横浜の邸宅で彩斗達以外の同盟チームも一堂に会して今後の話をしたいとの事で、彩斗はジンコ、四郎、はなちゃんを同行する事に決めた。


彩斗と四郎とはなちゃんが死霊屋敷に向かう途中、始めて四郎と狼人の闘いを見た後に立ち寄った中華料理屋の隣に絶好の空き物件を見つけた。


そして、夜になり、メンバーが死霊屋敷に集まってくると彩斗達は強化工事が済んだ死霊屋敷を披露してメンバーが皆喜んだ。

その時彩斗はプールがあれば恋人のユキといちゃいちゃ出来るとの妄想を悪鬼メンバーが感知してそれぞれプール…良いなぁとため息をついた。


その時はなちゃんが彩斗の黒歴史である『鯨女顔面鷲掴みキス拒否られ野郎事件』を知っている事に彩斗は戦慄し、彩斗は必死にはなちゃんにどうかその事は絶対に他に漏らさない様にと懇願する。


そして翌日、護衛付きの豪華なリムジンで現れたリリーと彩斗、四郎、ジンコ、はなちゃんは横浜にある岩井テレサの邸宅に向かった。


以下本文


「あらジンコ、何か緊張してるわよ?

 落ち着いて。」


リリーに言われて座席にかしこまって座っていたジンコが頷いた。


「いや、この前リリーから岩井テレサさんの組織の事を説明されたけど…なんか凄いから…」


ジンコの言葉を聞いてリリーは苦笑いを浮かべた。


「まぁ、そうね。

 私達も普段はこんな大仰な事はしないのよ。

 ただ、今回はかなりの大事だと受けとってもらうのが良いかもね。

 そして…あら?」


リリーが眉をひそめて手元のボードを見た。


「確かワイバーンからは4名と…。」

「そうだよリリー。

 俺と四郎とジンコとはなちゃんだけど。」

「あらいやだ、どうしようかな?

 どうも私達も色々忙しくて誰かがおっちょこちょいな事をしでかしたみたいね。」

「うむ、リリー、何か不都合な事が有るのか?」

「いや、四郎、はなちゃんが出席する事は問題無いのよ。

 ただ、その場合人数の数え方に間違いがあったみたいね。

 同盟チームには依り代に宿った死霊メンバーがいるのはワイバーンとオルトロスだけだし、オルトロスの方の死霊ははっきりそれとわかる名前だったからね。

 はなちゃんの藤原はなと言う名前で悪鬼か人間メンバーとどこかで勘違いされたみたいね。」

「リリー、わらわでは何か不都合があるじゃの?」

「え?いやいや、はなちゃんが出席する事は全然問題無いわ。

 千年以上この世に存在しているから、私達も助言をもらいたいわ。

 ただね…まぁ、後で判るわね。」


そう答えてリリーが苦笑いを浮かべた。

リムジンは俺達を乗せて岩井テレサの屋敷に近づいて行った。

警察のかなり厳重な検問で道を塞がれていた。

少し怪しいと思われた車は容赦なく脇に寄せられて、車と乗っている人の体を厳重に検査されている。

何かの時に備えて最小限の武装をしている俺達は焦った。


「リリー、俺達武器を持っていてヤバいかも…」


俺が言うとリリーは笑顔を浮かべた。


「大丈夫、何も問題無いわよ。

 私だってほら、武装しているもの。」


リリーがジャケットをめくると大きなナイフと、自動拳銃が吊ってあった。

黒光りする自動拳銃は恐らく40口径以上、対悪鬼用の強力な銃だろう。


やがて検問の所に来てリムジンが警察から止められた。

リリーが窓を開けて近寄って来た警察官にボードと胸ポケットから何かを見せた。

ボードを受け取った警官がリムジンの俺達の顔を見た。


「一人足りないようですが…。」

「一人欠席だ巡査部長。」

「は!警視正どの!どうぞお通りください!」


巡査部長と呼ばれた警官がボードをリリーに返してビシッ!と敬礼をし、リムジンが検問を通った。


余りの予想外のやり取りに俺とジンコが固まった。


「え…リリー…今って…」

「警視正と言ったけど…大きな警察署の所長クラスの階級…」


俺とジンコの驚きを理解しない四郎とはなちゃんがのんびりした声をあげた。


「リリーは警察署長様なのか。偉いもの…なのか?」

「四郎!相棒とか言うテレビの右京とか言う変人のおかまっぽい奴が警部じゃの。

 リリーは多分もっと偉い階級じゃの~。」


リリーが苦笑いを受かべた。


「あらそうなの?

 ほほ、いきなりこういう身分にされてなんか良く判らないけどね。

 私は今のところ警察庁の任命した特別捜査官という立場らしいわよ。

 これ、言っとくけど本物だからね。」


リリーが胸ポケットから先ほど警察官に見せた身分証を出して見せてくれた。

俺は本物をじっくり見た事は無いが、確かに警察庁の警視正で特別捜査官と何やら大仰に書き込まれていてかしこまった警察の制服姿のリリーの顔写真が付いていた。


「あらやだあまり見ないでよ。

 この写真は写りが悪いのよ。

 私こんな顔だったっけ?って思っちゃった。」


身分証や免許証あるあるの事を言いながらリリーは警察バッジ付きの身分証を胸ポケットに納めた。


「じゃあ、あの検問は俺達や岩井テレサの為の…」

「そういう事よ。

 まぁ、警察がどこまで不審者を屋敷に近づけさせないか判らないけどね…とにかく、今はこれ位大事と言う事よ。」


固まった俺とジンコ、凄いな~と気楽に言う四郎、凄いじゃの!凄いじゃの!とはしゃぐはなちゃんを乗せたリムジンは機動隊が両脇を固める岩井テレサの屋敷の大きな門をくぐった。

はなちゃんが並んでいる機動隊員たちにご苦労じゃの!と言いながら無邪気に敬礼をしていた。

緊張していた俺とジンコもはなちゃんにつられて変な敬礼をして四郎とリリーに笑われた。

もっともリムジンのスモークガラス越しには外にいる機動隊員達には判らないだろうけど。

警備の警官隊の物々しさに比べて門をくぐると整然と落ち着いた感じになった。

俺達のリムジンが車回しに停まると、榊と黒スーツの男が2人ドアを開けてくれた。


俺達は挨拶もそこそこに岩井テレサの屋敷に入った。



中略(本編を読んでね!(≧▽≦))



俺達は地下にあるちょっとした劇場のような所に案内されて、すでにかなり席が埋まっている中で席に着いた。

ステージと言うか、演壇にはテーブルがあり、岩井テレサと何人かの人物が座っていた。

警察の制服姿で苦虫を噛み潰したような顔の人物を見てジンコが息を呑んで小声で呟いた。


「ちょっと彩斗、あれ、警察庁長官よ。

 本物よ。」


成る程、何か物凄い大事なんだろう。

世間が全く知らない所で物凄い大事が今の日本で起きているのだろう。 


「ジンコ、よくテレビで警視総監と言うのを聞くけど警察庁長官って…」


俺が小声でジンコに尋ね、ジンコが小声で答えた。


「彩斗、警視総監てね、いわば首都警察、東京を管轄する警視庁のリーダーと言う事よ。

 地方の県警本部とかと規模は違うけどあまり変わらない組織よ。

 警察庁と言うのは全国の警察組織を統べる組織でその長官だからよっぽど偉いわよ。

 ここに警察庁長官がいると言う事はね、日本政府、つまり総理大臣とか、政府のお偉方たちもこの事を承知してると言う事なのよ。」

「なるほど、あの男の頭の中を覗いたのじゃがさっきからこれは緊急事態だから緊急事態だからと念仏のように唱えているじゃの。

 面白いの!

 なんか偉そうな者達が並んでいる前で色々言い含められていたようじゃの。

 テレビで見た総理大臣とか言う男や口がひん曲がった人相が悪いギャングのような奴や気弱そうなのに欲深な顔つきの奴やずる賢い私利私欲にまみれた女や…どうも政治家と言う奴らは上の方はろくな奴はおらんじゃの。

 奴らはあの男に頭を抱えながら困った顔をして何かを言い含めていたじゃの。」

「へぇ~、そうなんだ~!

 それは面白いわね~!」


後ろから女の声が小さく聞こえて来た。

俺達が振り向くと後ろの席に座っていた中年の小太り女と両側に座った20代そこそこに見える双子の男が笑顔で俺達を見ていた。


「あら、聞こえちゃったからね。

 ごめんなさい。

 私は第10騎兵ヴァナルガンドの者よ。

 よろしくね。」


女と双子の男、横で居眠りをしていた老人の男が双子の片割れに横腹をつつかれて目が覚めると人懐こい笑顔で手を差し出した。


「あ、俺達は第5騎兵ワイバーンです。

 どうぞよろしく。」


俺達は第10騎兵ヴァナルガンドのメンバーと握手を交わした。

ヴァナルガンドの他にもはなちゃんの声を聞いている者がいるようで、俺達に顔を向けて笑顔で会釈をしている。

俺達も少し戸惑いながら会釈を返した。

そう、ここには初めて会った、俺達と同じように岩井テレサと同盟を組んだ悪鬼討伐チームがいるのだ。

こんな事が起こらない限り顔を合わせる事も無かっただろう。

何か新鮮な想いが湧き、俺達以外に仲間がいるという事を実感した。

見回した限り100人くらいの人や悪鬼が席に着いていた。

そこここでひそひそと自己紹介をしあい、握手を交わしていた。

敵の悪鬼ではなく味方がこれだけいると知って俺達も心強く思った。

だが、そんな俺達に敢えて戦いを挑み襲撃を掛けて来た奴らはどれほどの人数がいるのだろうか?


岩井テレサが立ち上がりマイクを持った。

ざわめいていた会場が静まり、岩井テレサに注目した。


「皆さんが集まったようなので我々が直面している状況を説明します。

 ここには外部の人間もいるので、質疑応答と今後の対策についての説明は後程改めて行います。」


岩井テレサは前置きをしてから、第1騎兵カスカベルと第8騎兵ヤクルスが悪質な別物の討伐に向かった際に奇襲を受け、カスカベルの半数とヤクルスの殆どが殺された事を説明した。

そして襲撃してきた集団が非常に統率がとれた強力な存在で別物と人間の合同チームだと言う事が判明した。

プロジェクターに映し出された低軌道衛星が撮影したと思われる赤外線映像で戦闘の詳細が説明されて、カスカベルとヤクルスが応戦をして謎の集団のうち、別物を13体、人間を7人倒した事を伝えた。


「…互いの損害を見たら完敗だな。

 これは手強い奴らだな。」


四郎が小声で呟いた。


「そして、襲撃を掛けてきた集団は私達が対立するあの組織とは違う事が判明しました。

 対立する組織も同様の襲撃を受け、かなりの損害が出たことをお伝えします。

 私達と対立する組織は一時休戦を結ぶ事となり、共に謎の集団を討伐する事になりました。」


岩井テレサの言葉に会場にざわめきが走った。


「この中にはあの組織との戦いで仲間を失った者達が大勢いると思います。

 はっきり言うと私もとても悩みましたが、このまま無軌道にそれぞれが戦いを進めると破滅的な未来を迎える事は日の目を見るよりもはっきりしています。」


会場の者達が静まりかえった。


「我々は自由意思を尊重します。

 あの組織との合同作戦に参加できないというチームは参加しなくて結構です。

 しかし休戦協定は断固守らなければなりません。

 休戦期間中、あの組織への攻撃は絶対に禁止します。

 この決定に従わずに攻撃を加えたチームは…我々と敵対組織両方を敵に回す事になります。」


静まり返った会場を岩井テレサは静かにゆっくりと見回した。


「反対するチームはいない様じゃの。」


はなちゃんが小声で言った。

岩井テレサとはなちゃんの目が合って岩井テレサは笑顔を浮かべた。


「異議は無いようなので次に進みます。

 我々はこの事態を非常に憂慮する日本政府と協定を結びました。

 この事件、いや、この紛争が解決するまでは私達の超法規的な行いを黙認、そして水面下で協力するという合意を得ました。

 のちほど皆さんにその手続きについて説明いたします。

 こちらは日本政府からの代表の方です。

 今ここで皆さんの前で確認を取りたいと思います。

 どうぞ。」


岩井テレサに指名された警察庁長官が立ち上がった。

事前に余計な事を言わないと言い含められていたのか、警察庁長官は簡潔に俺達の事態終息のための超法規的行動を黙認して水面下で有るが全面的に支援すると宣言した。

続いて、なんと在日米軍の将軍と自衛隊の将官が立ち上がり同じような宣言をした。


俺とジンコは呆気にとられてその非現実的な状況を見つめていた。


挨拶をしたお偉い者たちは拍手も何もなしでそそくさと退散した。

会場には岩井テレサと俺達だけになった。


岩井テレサがステージの中央に椅子を抱えて来て置くと座った。


「さぁ、めんどくさいのは帰ったわね。」


会場に笑い声が起きた。



中略(本編を読んでね!(≧▽≦))



関東圏内を大きく3つに分けてそれぞれ、カスカベル、タランテラ、スコルピオが管轄し、事態が収まるまでは俺達同盟チームはそのエリアエリアを管轄する3つのどれかのチームの指揮下に入る事が求められた。

指揮下に入る期間は紛争解決までとし、同時に直属チームが臨戦態勢で待機を続け、何かあった時は直に駆けつけて同盟チームの援護をするという条件で全てのチームが同意した。

岩井テレサが別に組織した調査班が今回の謎の集団のアジトを突き止め、場合によっては対立する組織と共に殲滅作戦を行う事が決まった。

俺達ワイバーンは第15騎兵スキュラと先ほど会話をした第10騎兵ヴァナルガンドと共にスコルピオの指揮下に入る事になった。

驚いたのは第15騎兵スキュラは俺のマンションから4駅ほどの近さにいたと言う事だった。

スキュラのリーダーの40代後半に見える男はニコニコしながら俺達と挨拶した。

スキュラのメンバーは11人、ヴァナルガンドのメンバーは14人だそうだ。

会議は終わり、リリーがやって来た。


「あなた達は私達スコルピオの指揮下に入るわよ。

 無茶な命令は出さないから安心してね。」


リリーが笑顔で続けた。


「当然質の悪い別物の調査討伐は続けて構わないわ。

 いつもより注意してね。

 どこで奴らが見張っているか判らないからね。

 襲撃には十分気を付けてね。

 その代わり討伐には厳重に警戒した私達も同行する事になったわ。

 カスカベルの二の舞は御免だからね。」


全くその通りだと俺達が頷いた。


「じゃあ、ワイバーンから始めようかな?

 付いて来て。」


俺達は何の事だろうとリリーについて行くと、広い部屋がパーテーションで幾つかに区切られている所に来た。


「さて、皆これを着て。

 サイズはあってると思うわよ。

 …一応…プッ…はなちゃんの分も用意されてるわね。

 何かの冗談かしら?

 …本気なのかな~?」


そう言ってリリーが出したものは…ちゃんと記章が付いた警察官の制服とYシャツとネクタイだった。


「リリー…これって…」

「各チームで何人が来るのか指定したのはこの事よ。

 さっさと着替えて隣で写真撮って頂戴。」


変な予感を感じながら、俺達ははなちゃんも含めて着替えて写真を撮り、また元の服に着替えて待機させられた。


ドーナツを頬張りながら四郎がぼやいた。


「さて、リリーは何故あんな事を…。」


ビスケットを齧り紅茶で流し込んだジンコが呟いた。


「なんか凄い予感がするけど…私で良いのかな?」

「何が?ジンコ?」


ジンコが言いたい事は何となくわかっているが俺は誰かの口からさっきの事の説明を聞きたくてしょうがなかった。


「彩斗、判るでしょ。」


ジンコが言った途端にリリーがやって来てお待たせ~!と言って…俺達にさっきリムジンでリリーが巡査部長に見せた警察官の身分証をまとめて俺に渡した。


「さて、これで全員の分ね。

 彩斗はリーダーだから私と同じ警視正よ。

 四郎とジンコと…あ~…はなちゃんは警視…。

 警視って普通の警察署の所長クラスだってさ。」


やっぱりやっぱりやっぱり…。


「これは正真正銘の本物だからね無くしたりしないようにね。

 本当はあなた達偽名で登録と言う話だったけど、別に持っている身分証、運転免許証とかと名前が違っていたら混乱を招くから駄目だと警察庁から言われたからね~。」

「…」

「…」

「…」

「各都道府県警に通達が行ってるからこれで日本全国どこでも駐車違反とかスピード違反とか武器の所持がばれても問題なしよ。

 悪用は絶対しないでね。

 まぁ、私は本当に効力があるのかGTRに武器満載で思い切りスピード違反して警官に停められて後ろの席のマシンガンを見られて応援に駆け付けた何人かの警官に取り囲まれたけど、後からお偉い警官がやって来て丸く収まって皆がビシッ!と敬礼されて放免されたけどね。

 あんたたちは真似しちゃ駄目よ~。」

「…」

「…」

「…」

「ん?どうしたの?」


俺達はリリーにはなちゃんの写真が付いた、藤原はな警視、の身分証を見せた。


「…本当に作っちゃったのね…これは…ちょっとテレサを呼んで来るわ。」


じっとはなちゃんの身分証を見つめ、肩をプルプル震わせ笑いを堪えて顔を赤くしたリリーが走り去り、しばらくして岩井テレサの手を掴んで戻って来た。


「あら、みんな久しぶり、彩斗君、良い男になったわね。

 その顔の傷は戦士の勲章よ。

 あら、こちらは新しいメンバーのジンコさんね。

 初めまして、岩井テレサです。

 あなたは聞きたい事が山ほどあるってリリーから聞いているわ、今度ゆっくりお話ししましょう。

 四郎もはなちゃんも元気そうね。

 あなた達の活躍は…」

「テレサ、挨拶は良いからこれを見てよ。」


リリーが藤原はな警視の身分証を岩井テレサに見せた。

じっと身分証を見ていた岩井テレサの顔が見る見る赤くなり、腹を抱えてその場に崩れ落ちて笑い転げた。


「誰よこんなことしたのは~!

 きゃはははは~!

 うひ~!おかしい~!

 誰が作ったのよ~バカなの?バカなの~?」


そして、俺達はワイバーンからもう1人警視の身分証を発行する事に決まり、はなちゃんの身分証はせっかく作ったのだからそのままと言う事になった。

そして、岩井テレサからお菓子のお土産を沢山もらって俺達はリムジンでマンションまで送り返された。




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