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堪えきれなくなった
彼女も、本当の意味で救われた。
俺の言葉じゃなく、
良かった……。これで、もう安心だな。
さあ、これが俺の最後の変身だ。
「
「う……ま、まあな」
「いいじゃん
「そんな納めさっさとしたいわ!」
それは俺が
まあ、それも元に戻ってから聞けばいいさ。
「さて……後は頼むぞ
「うん。エンジェルロッドを貸して」
俺の姿でエンジェルロッドを掴むとなんと小さいのだろう。
こりゃ子どものおもちゃにしか見えないぞ。
そんな感想を抱きながら、俺は内心ワクワクしながら元に戻るのを待つのだ。
「……エンジェルロッド! 私の願いを叶えて!!」
そう、俺の声が部屋の中で鳴り響いた。
さあ! 俺と
こい! あの感覚!
赤白い光で気持ちのいい感覚!
「ねえ
「何?
「いや、今は
「ううん。私はまだ
「……んん?」
というか、俺も混乱する。
ちょ、ちょっと待て! 失敗!?
「こ、
「わ、分かったよ
「……来い! 俺の体ぁー!!」
「……今度こそ、できたかな?
「何?」
「……また
「何故だぁ!? 何故元に戻らない!!」
「うーん……」
その時、
「こ、
「え? そうだけど? ってか普通って何?」
「
「アッハッハなんだそんなことかー! いやーびっくりしたね
「ハッハッハー! まったくだなあ!! そんな簡単なことかー! そりゃ俺の体だったら魔法使えないし、回復するはずもないよなー!! …………って何ぃ!?」
「
「うーん。まあ……回復するかなーって思ってて……。ほら、
「ならないよ!! ……あれ? でも、
「魔力を使ったからだ……!!」
「え? そんなに大量の魔力をどうやって消費したんですか!?
「そりゃ、救う……ため……」
「救う!? 誰をですか!?」
何がなんだか理解できず、
「まさか……魔王に憑依された私のために……魔力を使っちゃったの!?」
「そうだよ!
「……うぅ。私のせいで
「ま、待て
それを俺は必死の形相で押さえ込む。
「悪いのは
「それは違うよ!!」
「何……!? じゃあ誰なんだ
「今回の元凶……それは
「俺!? 何でだ!!」
「だって、あの作戦考えたの
「あの作戦……魔力を一気に集中させるやつか! あ、ああああああっ!!」
あれか! あの瞬間、ミリカの変身が解かれて俺の姿に戻ったのは、あそこで魔力が尽きたからなのか!!
お、俺のせいなのかぁ!?
そんなことはない! 俺は
「エンジェルロッド! 俺の願いを叶えろ!! 頼む! このとおりだ!!」
「しかし何も起こらなかったのだった……」
「
「ま、待って
「
「エンジェルロッドを貸して……」
暴走が止まった
そんな彼女に俺はエンジェルロッドを差し出す。
「エ……エンジェルロッド! 私の願いを叶えて!!」
「しかし何も起こらなかったのだった……」
「……わ、私なんてことを!!」
崩れ落ちる
「
「どうするもこうするもないだろ! どーすんだよこれ!」
「だって
「ああ! 俺も悪いさ! だけどお前だって魔力の回復について何も知らないってのもどうかと思うぞ! 魔法少女として!」
「な! だってだってこれから魔法少女になるって決意したんだもん! あの時はまだ魔法少女未満だったんだもん!!」
「……とりあえず、理解しました」
「え?」
ゆらりと立ち上がった
彼女の目には一種の決意が燃え上がっている。
「このままの生活を続けましょう。
「い、いやでも……」
「当事者が願いを込めないと、エンジェルロッドはどうやら叶えてくれないらしいです。それも、ある程度の魔力がないと……」
「と、いうことは……」
「はい。
「そ……そんな。せっかく魔法少女として頑張っていこうと思ったのにぃ……」
「頑張って下さい
「……マジで?」
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