13
「――あなたには、魔法少女の資格がない」
「はい?」
「もう一度言ってほしい? 魔法少女の資格がないって言ってるの」
「あ……あのー……」
眉毛を逆八の字にして怒っている彼女は、俺にそう言った後で更に目を細めて睨みつけてきた。
彼女の怒りの原因が分からず、俺は困惑するしかない。
それは
「ほら、
「いや、それはキミが
「どうして?」
「どうしてって……恥ずかしいんじゃない?」
「……なるほど」
真剣な眼差しのまま、少女は
キッチリしてそうな風貌なのに、彼女はどこか間が抜けている。
なんともシュールな光景だが、笑ってしまったら彼女に殺されそうだ。
堪えるために、逆に俺は彼女を睨みつけていた。
地面に足がついた
彼女は意を決して、口を開いた。
「あの……あなたは誰?」
俺は驚いた。
なんと
意外だと思った。
そして、俺を睨んでいるのはまーた
少女は
妙に目が泳いでいるように見えるのは俺の気のせいなのだろうか。
両者とも喋らず時間だけがゆったりと過ぎていく。
うん。
そろそろ話を入れた方がいいかなと思った俺は口を開けようとした。
しかし、タイミングが悪かった。
少女も一緒に口を開いたのだった。
口ごもってしまう俺と少女。
俺は手でジェスチャーして、少女が先に言うように仕向ける。
ムッとさせながら、少女は咳を一つした後に改めて言葉を喋った。
「……私はミリカ」
「ミリカ? やっぱり知らない名前だ……」
ミリカと言った彼女の名前を聞いても、
そして、
「ねえ、私と
「……少なくとも、
「え?」
ミリカは俺に向かって人差し指を突き出した。
名指しで非難されるなんて、
てか、
色んな考えがぐるぐると頭の中を駆け巡る。
「
「ら……何だって?」
「……くっ」
「
な、何だ。俺が何かやらかしたのか……って、あ。
そうだった。
ら何とか王国は、確か
あっちゃー……マズかったか?
「……とにかく、今度会った時は容赦しないから。そのつもりで」
そう言い残すと、ミリカと名乗った少女は俺たちの前から消え去ったのだった。
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