魔法少女と普通の男
「ふぅん…魔法少女…ねぇ。」
「ほんとだよ!?ホントなんだよー!!ほら!これ魔法少女の証!!」
「いやそんなん見せられてもわからんから。」
フリフリした格好の少女が、男に必死に胸元のアクセサリーを見せようとしている。その光景は…些か問題になりそうな気もするな?
困惑する漢の顔が面白いから止めはせんが。
「むー…!そうだ!魔法を!…使うのはマナが勿体ないし…」
「あー…いいよ、嬢ちゃん。信じる、信じるからここから離れときな。ここに居たら巻き込まれちまう。」
「巻き込まれる?…そうだ!お兄さんを助けてあげるよ!そうしたら魔法も見せられるし!」
「はぁ?…いやいや、明らか年下だろ?危ない真似すんじゃねーよ。つかお前この街の人間か?」
「隣街から来たんだよ!異変の調査で!最近変な噂がこの街から流れてるみたいで…」
「…!伏せろ!!」
―ガガガッ!!バキッ!!
「きゃあ!!!なになに!!?ナンデ!?ドユコト!?」
「説明はあと!!ここを切り抜けてからだ!!」
暢気に話しすぎたな。ここは戦場である。会話で位置がバレバレになっていた。ここからだと良く見えるが、半包囲状態になってしまったな。
まぁ切り抜けるのは余裕だろう。なにせ、その為のお助け要員なのだから。
「えっ!なに!?…そうなんだ……そ…ならこの…で……すれば…」
「何ブツブツ呟いてんだ?静かにしとけ。相手の音が聞こえないだろ?」
今回用意した戦場の地面は元々の山の環境もあり、草地になっている。場所によっては草の擦れる音も聞こえるだろう。
まぁ敵も味方も素人なのだ。消音のイロハなぞわからんだろう。我も知らん。
「…うん、わかった。じゃあやってみるね!」
「はぁ?いや待て、おい何がわかったって」
「むむむむ…とりゃあ!!!」
―ドチャッ!ドチャッ!
「…は?」
おや、本日の天候は晴れ時々トリモチのようだな。…いやなんというか…とてもシュールだな。うむ。
せっかくの魔法なのだから、もう少し夢を持たせてもらいたのだが…
これも彼女の悪戯であろうか…
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