魔法少女はイノシシです。
「今日は言ってた通り友達の家に泊まるからぁ、うん。うん。そんなに心配しないでよー、私ももうすぐ高校生になるお姉さんなんだから!」
もう時刻は20時を回る頃。今日の調査に当たっては、友達の家に泊まるということで口裏を合わせてあるそう。
まぁシオリのことだから、何かしらのポカですぐにバレるんでしょうけど…
「ダイジョブダイジョブ!迷惑なんてかけてないって!…えっ?今何処にって?風の音…そそそそそんな音してるかなぁ!?気の所為じゃない!?あー!呼ばれてるから行かないと!それじゃねー!!」
早速バレかけてるわね…ほんと、隠し事に向いてない子だこと。退屈とは無縁で助かるわね。
「ふー、危ない危ない…じゃ!そろそろ行ってみよっか!準備じゅんびー。」
この子も慣れたものね。まだ何件かしか魔法に関わってきてないのに…先天的なものかしら?ただ能天気なだけ?後者っぽいわね…ニチアサ大好きだもの…
「今日も頑張っちゃうよぉ〜!ん~~!変身!!」
変身ポーズなんて、ほんとは必要無いのだけどね…?
街を見渡す事が出来る展望台。およそ2km程離れた小高い丘にあるここに、それはあった。
「これ…結界、ってやつ?」
――そのようね。シオリが見るのは初めてだったかしら?
「見たこと無いよ〜、うえぇ、何か不思議な感触…」
――不用意に触らないの。何が起こるか分からないんだから。
興味があったら我慢出来ないんだから…しょうがない子ね?そこがカワイイのだけど。
「うーん、ここに魔力が集まってるのはわかるけど…中で何が起きてるのかなぁ?」
――それは中に入らないとわからないわね。
「どうやって入ろう…叩いてみる?」
――それは止めておいたほうがいいと思うわ?それに…そんな事しなくてもいいみたいよ。
「えっ?それってどういう…わっ!ちょっ、ナニコレ!!」
シオリの足元には影があった。灯りに照らされて長く伸びている。その影が波打ち、シオリの足はズブズブと沈んで行った。
「コレこのままでいいの!?大丈夫!?溶かされない!?」
――大丈夫よ…多分。
「いーや〜!最後に沢山シュークリーム食べておくんだったー!!あとポテチと生チョコとスイートポテ…!」
身体が沈む。
瞼が閉じられているので外の様子は分からないが、まるで水の中に飛び込んだような…纏わりつく液体の様な感触。ひどく不快だ。
――もっと丁寧に招待して欲しいものね。
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