魔法少女は凶暴です

――話題沸騰中の寄木市に来てみた感想は?



「うーん…特になんとも…。普通の街だよね?」



 シオリがクレープをつまみながら言う。あらあら、この間ナナミにお腹を抓まれてダイエットを決意してたのに。決意は何処へ行っちゃったのかしら?



――ダイエットはヤメたの?


「う…いいの!今日はチートデイ!運動するし!!」


――そう言って2日前もお菓子食べ放題してたじゃない。最近はお風呂上がりに、パジャマのゴムにお肉が乗って…


「うがー!!いいの!!いいの!!ノエルは黙ってて!!」


 あらあら、自覚はあるのね。もうちょっと自制を身に着けて欲しいものだわ。シオリだけの体じゃないんだし。


――はいはい。それはいいとして、探知の方はどうなの?


「むぐむぐ…えっとねぇ?なんか変な感じはするんだけど…上手く捉えられないの。今はここにない…みたいな?」


――夜になれば現れる…かしらね?



「かもかもー。だから、取り敢えず今はぁ――



 あら、この子歩きながらいつの間にか路地裏になんて来てたのね。不届き者が二つほど付いて来てたのは感じてたけど…


「ねぇねぇキミィ、こんな所来ちゃアブナイヨー?」

「ソーソー、オニイサン達が安全なところに連れてってあげる〜」



――食後の運動の時間…だねっ」






「もー、お兄さん達ぜーんぜん歯ごたえなかったなぁ。もっと体動かしたーい」


 路地裏には男が二人倒れてる。魔法少女にならなくとも、大の大人を転がしてしまう戦闘力には毎度の事ながら脱帽するわ。


「まぁ、いっか。今日の夜沢山運動できるでしょー」


 この子がどこまで今回の相手に奮戦出来るのか…


――期待しているわ。シオリ。







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