輪廻は続くよドコマデモ
「ぐぅ…はぁっ!!―スゥーッ……ハァー…!」
ふむ、ようやく目覚めたか。この男が窒息死してからおよそ5分程度…初めての窒息死だからサンプルが少ないな、かなり蘇生に時間が掛かっていたようだが。これも今後の研究対象か。
「くっ…そがぁ!!」
男は近くの壁に思い切り手を叩きつけた。そんなことをせずとも、文句があるのならば我に直接言えば良いのに。
「今回のゲームはこういうことかよ…!」
何はともあれ、設定した【りすぽーんぽいんと】も上手く機能しているようだ。人間が最低限、一夜を過ごせそうな物を揃えた小屋にした。
ベッド、机、椅子…武器が入りそうなスペースはあるが、今回は原作りすぺくと、とやらで置いていない。頑張って探して欲しいものである。さてさて…
―――愉しませてもらいたいものだ…―――
「あー、さっきので何回目の死亡だ、俺…」
今の俺は、幽鬼のような有り様なんだろうな。実際大差ないけど。
定期的に来るマスターとのお遊び。選ばれちまったのは運がない。前回からの期間を考えれば運が良かったのか。そもそもこんな身体になっちまったことが不運か…
――うーむ、想像以上に…つまらんな!
「アァん!?」
フザけた事を抜かしやがる。かれこれ3時間位は同じ場面の焼き回しのようになってはいるが。
ようやくクリアに必要なアイテムの回収地点がわかったんだ。これから頑張った努力が報われるってところだぞ?
――もっと派手な戦闘を期待していたのだが…正面から全くやり合わんではないか。見ごたえがない。
「当たり前だろうが!!」
初めの死亡の後、何度かサプライボックスから銃は手に入った。が!素人が直ぐに銃の扱いが上手くなるかって所だ。俺は早々に諦めた。
それからはステルスキルに重点を置くようになった。激しい音さえ立てなきゃ周りの奴らも集まらない。どうやら相手は耳栓をさせられてるようだ。一対一に持ち込めりゃなんとかなる…こともある。
「そもそも一般人1人VS30人って何考えてんだよ!!おかしいだろ!!」
――あのげぇむでは相手しておったではないか。
「妄想空想と現実を一緒にするんじゃねぇよ!!」
アホか!!アホだったわ!!こいつがやろうとする遊びはいっつもそうなんだ!難易度がバグってやがる。クソみてぇなゲームマスターだ。
――ふぅむ…これ以上代わり映えのない展開を見るのも見飽きたことだし…梃入れをするか。
あっぷでーとぱっち、とか言ったか?
「そんなもんやるなら飽きる前にやってほしかったんですがねぇ!!?」
――生き汚くあがくお前を見るのが面白かった。反省はしていない。
「ばーか!ばぁーーーか!!」
――語彙が低下したな。別に我としてはやらなくてもいいのだが。
「フザケンなさっさとアップデートパッチを当てやがれ下さい!!」
――しょうがない…おや?ふむ……よし、それでは助っ人を用意しよう。
「助っ人だぁ?そんなもんで難易度変わんのかよ。」
――あぁ、丁重に扱ってくれたまえよ。
「きゃあ!!」
「は?」
――なにせ…
「いっ…たぁ~い。お尻打ったぁ…へっ?こ、こここ此処何処!?」
「やっばい格好したやつ来た…」
「あー!ひっどぉーい!!これは魔法少女の正装なんですぅー!!」
―――大事な大事なイケニエなのだから…ね?
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