今日のおゆうぎ―戦争ごっこ
―――さぁ、楽しんでくれたまえ。君が普段から使っていたものは全て揃えているから。――
「実際に銃撃戦なんて…経験したことあるわけねぇだろうが!!」
男は壁に隠れていた。銃弾が飛び交う地にて。中々の弾幕であるな。用意した我が言うのもあれだが、相当に難易度が高そうである。
まぁ普段からこれ位の難易度でクリアーしてきたようだし、今回も無事クリアー出来ることであろう。
「クソが!…この銃なんでタマが出ねえんだ…!」
おやおや、大分焦っているようだな。安全装置を外さねばならぬことは、我でも知っているが。
しかし、照準を覗く格好は様になっているな。れてぃくると言うのであったか?
わざわざチカラを使って海外から購入したものであるから、早く使い慣れて欲しいものだが…
「…これか!んで構えてトリガーを…!」
―ズドドドッ!!
「うわぁ!!反動強すぎ!!こんなん当てられねぇよ!!」
ふむ…砲身の反動を抑えられぬようだな。実際に撃つには筋力が足りぬようだ。
考えてみれば、常日頃から部屋の中で椅子に座って何かしらをしている様子ではあったが、外に出るのは日に数度のみであった…筋力が足りている訳もない。
これは面白くなってきたな。
そろそろ一度目の死も近そうか。夢中になっているうちに、ほれ…
「がっ!?」
――すまねぇ、すまねぇ
――やらなきゃ…やらなきゃ…
――早く殺せよ!やらねぇなら俺がやるぞ!!
「ぐ…え……ぐる…じ……っ」
【死というものは、実は人間にとって最大の祝福かもしれない】とは誰の言葉だっただろうか。昔の哲学者の言葉だったかもしれぬし、最近の若者の言葉だったかもしれん。蓋し名言のように感じる。
では死から逃れた人間は?祝福を受けられぬ人間はどうなるのだろうか?死後復活した場合も興味深い。祝福を受けたから特殊な力が芽生えたのか…
だから試すのだ。試料を増やし、様々な組み合わせを試し、長期間負荷への反応を試す…
実験とはそう言うものだろう?
さぁ、起きたまえ。まだまだ遊び足りないのだから。
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