第51話 私に良い考えがある!
そんな訳で、『銃器製造装置』で作ったライフルを、最近解放された『精密作業台』でカスタムする。
『銃器製造装置』は、レシピ不足と施設不足により現在、オートマチック銃は作れない感じ。
基本的に、リボルバーやポンプアクション、ボルトアクションなどのライフルやショットガンのみ。
しかし、この精密作業台で、ライフルのレシーバーを入れ替えれば……ほら!オートマチックに改造できるって寸法よ。
どうやら、銃器の改造は、その銃器を取り扱っていると自動的にレシピが解放されていくようで、レシピの現物なしでもなんとかなるパターンもあるということらしい。
それと、そもそも、レシピ本は前々からちょくちょくコンソールコマンドで出していたので、それが今更になってやっと活き始めたというのもある。
対応する「作業台」がないと、レシピだけあっても無意味なんだよなあ。
しかもこのレシピってのも、実際に設計図として書類がある訳じゃなくて、あくまでもそういうアイテムなんだよ。
このレシピを参考に、手動で何かを作ります!ってのはできないっぽいんだよね。
色々とめんどくせえなあ……。
……で、準備はこんなもん。
早速、病院に出向くか……。
トレーラーに乗って、移動開始。
付近の交番で拾った地図によると、近くに大学病院があるらしいので、そこに向かう。
「全員乗ったか?」
「「「「はい!」」」」
あ、そうそう。
移動の際は、ちゃんと車部分にみんな乗っているぞ。
車種?
ピータービルト379に決まってるよな!もちろん、ファイアパターンの赤いボディだ!
なお、改造しまくったせいで原型はほぼない模様。
フレームごと改造して巨大化、エンジンは最新の大型エンジン、それも6000N・m超えの気狂いトルクのをわざわざアメリカから億単位の金をかけて輸入してカスタム。
ガラス、フレーム、ボディには全部、防弾特殊素材を使用。タイヤも強化ゴム製。
電装も弄りまくり、運転席及び助手席から、車体上部に配置されたマシンガンターレットを制御可能にしてある。
スペースも大きくとってあり、スリーパーキャブ……あー、大型のトラクターには、運転席と助手席の後ろに、シングルベッド一つ分くらいのスペースがあって、アメリカのトラックの運ちゃんなんかはここで寝てるんだが……。
そのスリーパーキャブが、ダブルベッドサイズまで拡張してあり、ベッド部を折り畳んで椅子にできるようにしてあるのだ。
もちろん、車検通んないから日本の公道は確実に走れないが……、バカがカスタムした最高級のポストアポカリプス車として、最高に面白い出来だと自負している。
そんな訳で、運転席の後ろに、女五人を詰めて、早速出発。
「あ、あの、大リーダー?良かったら、車の扱いも教えてくれないか?」
おっ、ミラ。
早速、「役に立ちたいですよアピール」してくるじゃん?
健気でかわいいねぇ。
「ああ、良いぞ。運転でも整備でも何でも教えてやる」
実際、車パーツもそこそこ出せるようになっているんだよな。
現状、手持ちというか、出せるアイテムからバッテリーをでっち上げられる以上、あとは燃料さえあれば、その辺のバッテリー上がった車を修理して再利用できる。
一から作るのは……、どうだろうか?まだちょっと無理そうか?
車用の作業台や工具がコンソールコマンドから出れば行けるかもしれん。
いや、コンソールコマンドを使わずに、俺が自分で溶接したり配線組んだりすれば、無からでもコンソールコマンドのアイテムで一応動くゴーカートみたいなのはでっち上げられるだろうが……、そんなの時間の無駄だ。道楽にしかならん。
にしても……、うん、良い着眼点だ。
これからは、そっち方面の育成もやらなきゃならないんだもんな。
車の運転、農業のあれこれ、機械整備に電気工事。
令和平成とは言わずとも、せめても昭和レベルの文明は維持したい。俺の周りだけは。
今はもう、色んな意味で戦国時代レベルだからなあ……。人と人との争いはもちろん、ゾンビにクリーチャーと敵だけは多い。
そんな中、文明レベルを維持するってのは中々に難しい。
こんなに必死になって人を集めて守っているのは、その文明の維持の為だからね?
そりゃ、コンソールコマンドもあるし、トレーラーハウスもあるしで、生きていくことだけなら可能だろうよ。
でもさ、何もない世界でずっと生きるの?そんなの、バカみたいじゃない?
人類だって、滅亡してから再生するのは……まあコンソールの全てを解き明かせば可能かもしれないが、そんな何十何百年かかるか分からない希望よりも、今ある人類を守って、繁殖させた方がええでしょそんなん。
俺は、人類という家畜を管理して、文明を収穫しているのだ……。
「あ、旦那、悪そうな顔してるー!」
「悪いことしてるからな、実際」
「それで救われている人の方が多いですから、良いのでは?」
『ねえご主人様、なんか食べ物ない?』
「はい、チーズクッキー」
『わーい!』
「拙者も!拙者も!」
「ほらほら、喧嘩するな」
……ガキの引率かな?ガキの引率だったわ。
そんなこんなで、喧しい女共を引き連れて……。
「そろそろ着くぞ」
「「「「はーい!」」」」
病院に到着した……。
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