第48話 通貨単位が瓶の蓋の世界みたーい!!

さて、では早速、この地の拠点化を進めていこうではないか。


また本土に来る時は、ここを港として使いたいのもあるし、可能な限り整えておきたい……。


優先度的に、まず防衛力から。


最低限、コンクリの壁と、壁の上に足場を設置して、そこからハープーンを放てるようにしてあるが……。


こんなもん、大量のゾンビが湧いたらどうなるか分からん程度だ。


何せ、製作陣は厄介ゾンビ映画オタクばかり。


ゾンビ側の性能を何かと盛りがちだった故。


進化ゾンビの内、大型の巨人になるタイプとか。


飛行能力を持つゾンビとか。


そうでなくても強力なモンスターがそろそろ出てきてもおかしくないし……。


雑魚ゾンビも数が集まれば、お互いを踏み台にして壁を乗り越えたりしてくる。


後は人間か?頭を使って登攀してきそうなものだ。


とは言え、ウォールマリア的なクソデカい壁を生やすには、流石に月単位の時間がかかる。


クリエイトを利用しても、更新作業用の足場を組んで、骨組みから設計して建てていくと結局な……。


今の壁は、何にも考えずにコンクリを場所指定して出しただけ。高さは平屋一軒分くらい?まあ二、三メートルってところだろう。


その壁の厚みが二メートルくらい。


その二メートルの幅に、ハープーン、バリスタを置いている……。


んー、まだ色々危ないよな。


もうちょい壁を分厚く大きくしてから、登り口を二つだけ作って、後は柵も付けようか。




やった。


それだけで一日仕事だ。


試行錯誤もあったし、ゾンビの襲撃も小規模だがあった。周りの要望も聞きながらだから、大分時間がかかっちゃったねえ。


「ういー、終わったぞい」


「お疲れ様、です。あの、これ……」


お?


冬芽が俺に食事を差し出してきたな。


おぼん……はないので、その辺の廃材から作った単なる板にホームセンターのプラスチック皿、その上に味噌を塗って焼いたクソデカおにぎりが二つ。


それと、醤油といりこ出汁をベースに、具材にほうれん草とにんじんが入ったスープ。焼いたハムの輪切りも添えてある。


そうそう、あれから何だかんだで食材が増えてな。


少し、アイテムIDの法則性が分かってきたんでな。


例えば、日常的に食べられる食べ物アイテムは、番号が若い順に多い!番号が若いアイテムは初期の頃からあるアイテムであることが殆どだったと俺は記憶している。


もちろん、「現実化パッチ」が適応されたこの世界では、IDがそのまま使用されている!なんてことはないのだが、その法則は変わらないらしい。


現に、前に南国フルーツが出まくる乱数のエリアがあったように、基本的に食べ物のアイテムIDは連番で繋がっているのだ!


そんな感じで、飲食物を狙えるゾーンを手当たり次第に打ってみたのだ。


それと更に、get.itemID 1 1000などのコマンドで、アイテムIDを範囲を決めて脳にぶち込むことに成功。一度に1000ずつくらいなら余裕で耐えられる為、単純に労力は1000分の1に!


で……、元々あった食材は。


にんじん

じゃがいも

たまねぎ

大根

プチトマト

りんご、マンゴー、パイナップル、バナナなど

豚バラブロック

鶏の卵(有精卵)

牛乳

シーフードミックス

砂糖、塩、醤油

サラダ油、オリーブオイル


追加素材としては、下記。


キャベツ

ほうれん草

ワカメ

ピーマン

ブロッコリー

イチゴ、オレンジ

牛カルビ、牛ロース

鶏むね、鶏もも

マグロの赤身

サバ

イワシ

パスタ(業務用細麺)

生クリーム、とろけるチーズ

薄力粉、強力粉

味噌、酢、胡椒、唐辛子


これだけ揃うと大抵のことはできてしまうな……。


そんなことを考えながら、俺は飯を食い、トレーラーへと戻って寝た……。




はい、じゃあ次の日。


昨日、拠点の城壁と防御用の武器は設置した。


後は、拠点の内部を作っていきたい。


まずここは神戸港。


その岬のように突き出た部分を掃討して、大きな壁で根本を塞いだ形になっている。


ゾンビはね、基本的には泳げないんでね……。


呼吸してないから水に浮かないし、泳ぐという高等な動作は難しいしで……。


で、この閉鎖した岬の内部なんだけど、あるものは……。


船四隻(内一隻が大型客船、残りは小型フェリー)

乗り場

大型倉庫

コンテナいくつか

コンテナ運搬用クレーン

湾岸作業員の休憩室


こんなところか。


とりあえず、内部にいるゾンビは全て殺して外に出して焼却処分し、内部は清掃してある。


広場では盛大に殺したが、隠れているゾンビは俺が引き摺り出して運んで、外で潰したからな。


内側の汚れはそんなんでもない。


そしてそこを、ウイルスに耐性がある俺と威貴(人外はウイルス耐性が高い)と無子でブラシをかけてお掃除済み。


ホームセンターから拾った床用の洗剤を使ったし、多分大丈夫そう。


はい、じゃあコンテナを家として組んでいくか。


まず、圧倒的筋力で持ち上げて運び……あ、中は車か。解体してパーツにして保管、と。でコンテナは積み上げて……。


コンソールコマンドで鉄を大量に召喚し、それを作業台で「鉄板」と「鉄パイプ」に加工。


それをクラフトして階段足場を作る。


これを、積んだコンテナの隣に設置して……簡易マンションの完成だ。


マンションの中には、布をクラフトして作ったマットレスと、今まで各所から集めていた毛布などを設置。冬の訪れに備えた。


今日もこれで終わりか。


じゃあ明日は……っと。

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