第2話
もしや、俺たち殺し屋を狙う敵国なのだろうか。
敵国からすれば、俺などの殺し屋を全滅させることが出来れば、簡単にこの国を支配することが可能になる。
銃声の先を辿ると、それは一人の少女に行き着いた。
彼女は、純白の拳銃を握りしめている。
パーティー参加者の顔写真を確認したが、彼女のような炎のような赤い瞳の人物は一人も見当たらなかった。
彼女は放っておけない存在である。
俺はホテルの頂上、二二五メートルから飛び降りた。
少女の元へ飛び立ったということだ。
ゲームの裏技などでよくある落下ダメージ回避。それは現実でも今までに磨き上げた技術を活用すれは可能になる。
「うぉおおおおおお!!」俺は短剣を地面に力強く突き刺す。
目を開くと、どうやら地上に着地していることが確認できた。
俺は自らの腕を確認した。
傷は……ゼロ。
どうやら着地に成功したようだ。
そろそろ彼女を探し始めようか。
少し探すと、ペンキの剥げかけたカバのオブジェへ、先程の少女が我が物顔に座っていた。
後ろ姿だけでも、特徴的な白い髮があの少女だと示している。
俺はゴクリと息を呑んだ。
「おい、お前なにをしに来た」
少し間を開けて彼女は返事をした。
「…趣味」
今趣味と言ったか?いや、どうせ聞き間違いだろう。
「いや、本当」
心を読んだかのように言う。
「趣味で拳銃を持ってるってことは、何かの狩りするのが趣味ってことか?」
俺は咄嗟に言った。
「そんなわけ無いでしょ。もしかして、からかっているの?」
よく考えてみると、ホテルで狩りをするのが趣味かもしれないという発想は絶対に違うと、自分にツッコみたくなる。
彼女はそよ風のようにドレスを翻し、こちらに顔を向けた。
やっと顔を見せたかと思うと、すぐに何かに気づいたのか、俺の背後へと移動していく。
彼女は俺が背中に背負った数十個の武器に視線を傾けた。
「お前、こういうのに興味あるのか?」
彼女は様々な角度から武器をジーッと見つめ、俺の発言には一切耳を傾ける様子はない。
少しするとやっと言葉を発した。
「…もしかしてあなた。人を殺したことがありますか?」
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