(二)-4

 ヒゲは剃っているようだが、剃った痕が青く残っている頬の持ち主がそう言った。その青さと、唇に塗られた真っ赤な口紅が対照的過ぎる。

 着替えを終えて出てきた拓弥に、アンアンこと鴫野はポーズや仕草、表情などに色々と注文をつけながら、次々とシャッターを切る。

「今日はあのカワイイ子は来ないの?」

 視線を下に落として顔を横に向けるよう指示しながら、鴫野は尋ねた。

「ええ」

 鴫野の指示に完璧に応えながら、拓弥は応えた。


(続く)

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