(二)-3

 拓弥は部屋に入り「こんにちは」と声を掛けると、奥の部屋のドアが急に開いてガタイのいい背の高い男性が出てきた。ドアも白に塗られていたので、前回来た時もそうだったが、急に壁が動いたように感じられて今回も驚いてしまった。

「あら、遅いじゃないの。あなた、不真面目そうでいて、意外にもいつも時間通りだったのに。一体なあに、電車でも遅れていたの?」

「スミマセン、鴫野さん」

「いつも言っているでしょう、アンアンって呼んでって。とりあえず、部屋で着替えてきて。今日は二〇着あるから。さっさと始めちゃいましょう」


(続く)

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