(二)-2

 この二日後、拓弥は営団地下鉄に乗り、北参道まできていた。

 表通りから裏路地に入り、狭い道路の先にある、背は低いがコンクリートむき出しでガラスを多用した近代的でおしゃれなビルに入って行った。表通りからカーブを描いて上がれる階段を上って行くと、ガラス張りの部屋があった。

 階段近くのガラスはドアになっていて、小さな文字で「アートスタジオ ファイン北参道」と書かれていた。

 拓弥がこの部屋に入ると、部屋の中は白塗りの空間があった。一番奥の壁際には深緑色のキルト生地でできた一九世紀頃のヨーロッパで作られたようなアンティーク調のソファが置かれていた。


(続く)

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