第47話 新しい仲間『モグ』
「ピューイイイ」
『モグ』は細い声で鳴いて、俺の手の甲に身をすり寄せる。
ふわふわで可愛いなこやつ。
『うわ、どうやったどうやった、ヒデオ』
「えーと、なんか頭の中で虹の橋が繋がった感じで……」
『うっは、ふんわり説明だ。虹の橋ってなんだ』
うーん、なんだろう、虹色の橋っぽい物が、俺の頭と『モグ』の頭を繋いでいるぞ。
なんかこの繋がりは、ゴリラ達にもあるね。
ラインというか、なんだろうこれ。
気にしたこと無かったけど、あるな。
『パスとかラインとか言う感じの物かな? テイミングが成功する所を初めて見たぞ』
『魔物を握って念じれば良いのか? そうすれば俺も『
『え、いくら何でも、念じただけでテイムは出来ないだろうよ、しかし、『モグ四郎』をテイムするのはいいかもな、そんなに凶暴じゃないし』
『角兎は角で突いてくるからな、危ない』
なんだか思わずテイミング成功したっぽいけど、ゴリラたち見たいに操れるのかな。
「『モグ』右へ、左へ」
お、こちらが考えた通りに『モグ』が動くな。
操り方はゴリラ達と一緒っぽいな。
Dスマホのステータスアプリを開くと、従魔の欄に、『モグ』が増えていた。
おー、意外と弱いが、まあ、上の欄のゴリラ達と比べてはいけないな。
「よし、『モグ』これからよろしくな」
「キュキューイ」
ああ、なんだか可愛いなあ。
『ネームドをテイムするとどうなるんだろう』
『くつしたみたいになるんじゃないか?』
『また時間が経つと『モグ四郎』は再ポップかな』
くつしたって何だろうか。
俺は『モグ』を肩に乗せた。
新型鞭の試験は終えたから、帰ろう。
『モグ』を肩に乗せたまま、階段を上がり、ロビーまで上がった。
さて、ちょっと早いけど、飲みに行くかな。
『モグ』は何を食べるんだろうか、人の食べる物上げても大丈夫かな。
地獄門をくぐろうとしたら、『モグ』が肩から落ちた。
「キュウウン」
『モグ』は悲しそうな声を出して俺を見上げた。
あらら。
「『モグ四郎』さんをテイムなされたんですね」
羊の角を付けたもこもこな感じの女悪魔さんが『モグ』を抱き上げてそう言った。
「はあ、そうみたいです。迷宮からは出せないんですか?」
「そうですね、まだ『
そうなのか、せっかく仲良くなれたのに悲しいなあ。
ゴリラ達が外でも平気なのは、スキル【ゴリラ】のせいかな。
「迷宮内でしたら従える事ができますから、必要な時は三階に呼びに行ったらいかがですか」
「そうするか、『モグ』」
「キュイイン」
「『
「それは便利ですね、はやく『
「そうですね、頑張ってくださいね、ヒデオさん」
羊角の女悪魔さんが『モグ』を優しく渡してくれた。
「じゃあ、三階で放してきます」
「はい、行ってらっしゃいませ」
俺はまた、肩に『モグ』を乗せて階段を下りて行く。
『テイムしても迷宮の外には出せないのかあ』
『くつしたは外にでてるけどなあ』
『あれは【従魔創造】で作った特製だしな』
なんか、くつしたって従魔がいるらしいね。
なにかレア宝物で従魔を創る物があるっぽい。
三階の草原に着いた。
「他の人に見つからないように隠れていなよ」
「キュイキューイ」
「明日、また来るからね」
「キュキュー」
『モグ』は可愛く鳴いて、土を掘り返して地面に潜っていった。
『『モグ四郎』はネームドレアだから、滅多に見つからないから安心しろよ』
『なかなか見つかるもんじゃないよ、ヒデオはラッキーだった』
『呼べば来るのかな』
俺は頭の中の虹色の橋を注視した。
おお、地面の中を移動する『モグ』が解るね。
(そいじゃ、またな)
『キュキューイ』
頭の中で『モグ』が返事をした。
ゴリラ達の鳴き声と一緒だね。
再び俺は階段を上り返して、ロビーまで上がった。
地獄門をくぐる。
振り返るとカメラピクシーの無愛想ちゃんが手を振っていた。
お、迷宮から出ても、虹色の橋は解るな。
地下の方に伸びている。
そうかー、これがテイムかあ。
なかなか楽しい技術だな。
迷宮の魔物をテイムして、冒険を手伝ってもらう事ができるんだな。
『モグ』とはレベル差があったから、わりと簡単にテイムできたのだろう。
ゴブリンさんとか、オークさんとかもテイム出来るのかな。
うーん、魔物さんたちも生活があるんだから、無計画にテイムしてはいけないかもね。
呼びに行く手間とかあるし。
早く『
うん。
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