第43話 ロビーに出てライブまでの予定を話あう
えっちらおっちら狩りをしながら階を上がり、十階まで登った。
だんだんと敵が弱くなるから、昇って行くのはラクチンだ。
魔石とか、ハムとかドロップ品が落ちてきて、俺とムラサキさんで手分けしてリュックに入れた。
「ハムは意外に食いでがあるんだよな」
「ハムステーキにするんですか」
「薄く切ってサラダとかサンドイッチとかにもするね」
意外にムラサキさんはお料理得意そうだね。
「今度、うちに飯食いに来いよ」
「ありがとう、楽しみだよ」
ヒカリちゃんとミキちゃんとヤヤちゃんとユカリちゃんが変な顔をした。
「ムラサキさんがヒデオにぐいぐい来ている」
「来ている」
「良いんだよ、護衛仲間なんだからっ、アイドルに粉かけるのはまじいんだけど、仲間なら良いんだよっ」
ムラサキさんは、ちょっと頬を赤らめて早口で言った。
「くそうくそう」
「アイドルと護衛は結ばれない運命なのね」
「まあ、それが普通だと思うな」
ケインさんが呆れたように言った。
「なんだか、ヒデオさんモテモテですね」
「冗談でしょ、俺はモテた事は無いし」
全員が渋い顔をした。
あれ、俺何か言っちゃいましたか。
十階のポータル石碑に着いた。
一人一人、石碑に触ってロビーまで飛ぶ。
「最後は私だ、ヒデオが先に跳べ」
「わかりました」
しんがりはムラサキさんのようだ、俺は石碑に触った。
風景がブオンと揺らいだ、と思ったらポータル広場であった。
ロビーの応接セットに座って、狩りの戦利品の仕分けだ。
ムラサキさんに用紙を貰って、狩りで出た物を全部リスト化していく。
会社の仕事で迷宮に潜ると書類仕事が出て大変だね。
魔石の一個、オークハムの一本も漏らさずリスト化していく。
「戦利品で欲しい物があったら申請してくよ」
「今回は
「ユカリちゃんは【ウインドカッター】一個と」
「ヒデオはオーク帽持って行きなさいよ」
「ええ、どうしようかなあ」
「似合うから似合うから」
「似合う似合う」
『配信冒険者界隈で一番オーク帽が似合う漢だ』
『似合いすぎだ』
お言葉に甘えて、オーク帽を頂く事にした。
買い取りカウンターで売るときと同じ値段で自分の物にすることができる。
【オーク帽】だと三千円だね。
【片牙の丸盾】の方が高い、二百万円とかする。
「しばらく返済狩りだけど、見あう性能の盾だからな」
『スキルの【盾術】着いているのがデカイ、あと防御力も六十階ドロップ品と大差無いし、お得だよね』
『ネームドレアは使った方が良い物が多いぞ』
そうなんだね。
ムラサキさんと手分けをしてドロップ品のリストを作り終わった。
「次回は明後日かな」
「ああ、マリオンライブの練習があるから、ライブまで狩りはお休みだよ」
「あら」
「『サザンフルーツ』は前座だからな、あとチョリさんも『チョリズ』で出るから練習に入るな」
そうか、ライブの練習だと狩りは無くなるのか。
「ケインさんとユカリちゃんとだけで潜るかな」
「ゴリラが居れば間違いはないが、危ない感じもするから、やめておいた方が良いな」
「そう思いますか、ムラサキさん」
先輩『
「ライブまで一週間ぐらいだろう、僕もレッスンと剣術修行に励むよ」
「私も新曲の練習しないと、ライブが終わったら狩りを再開しましょうよ」
「それが良いな」
そうすると一週間ぐらい暇になっちゃうな。
「というか、ヒデオはちゃんと会場で護衛してね」
「そうそう、なんだか、『Dリンクス』を狙ってロシア人が暗躍しているらしいから、ゴリラちゃん達もライブの警備をやるべきよ」
「会場警備かあ、初めてだなあ」
「拠点警備もアイドルの護衛をやっているとちょくちょくあるから、山下さんに教えてもらって覚えろ」
「解りました、ムラサキさん」
また新しい業務が発生したな。
「ヒデオさんとレッスン楽しみです」
「そうね、ゴリちゃんたちとレッスンね」
「楽しみね」
明日はリーディングプロモーションの支社に出て、色々と指示を聞こうか。
仕分けは終わった。
ムラサキさんと一緒に買い取りカウンターで魔石やドロップ品を売った。
お金はリーディングプロモーションの口座に振り込んで貰った。
入金伝票だけ貰って、会社に出せばいいらしい。
「さあ、晩ご飯を食べに行きましょう」
「どこ行くどこ行く?」
「良いイタリアン行こうよ」
「先に会社に書類出してから行くべ」
狩りの後の食事は会社が出してくれるらしい。
なので、結構良いお店とか使えるんだよね。
支社に寄ってから高層ビルの上の方のドリア屋さんに行った。
高級ドリアはチーズが伸びて美味しかった。
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