イタチ

第1話

白い階段を、駆け上がりながら

私は、頭が、爆発するのではないかと言う、強迫観念を、全身にびっしょり、発汗しはじめた

汗を、垂れ流した

服の中で、考えていた

どうしようもなく、思想が、頭脳の中で、ぐるぐると回り

平均感覚の消失と、どこかで、誰かが、小さくつぶやいた、声にもならない言葉が、耳元で、大ボリュームで、流されたような、鼓膜の振動

目が、収縮を、繰り返し

全身の毛穴と言う毛穴から、毛が、浮足立つような絶望感

目は、明かりを、暗いのか明るいのか判別できず

私の干え上がった脳みそは、、音もなく、からからと、振動していた

私は、階段の踊り場で、叫びだしたくなったが

頭上から、漏れ出す、明かりの下

私の舌の上から、血と膿みにまみれた

銀色に輝き、パテと、黒い虫歯に、彩られた

黄色い歯が、こぼれ落ちる

脳みそは、また、死んでいるのに、危険信号を、鳴り響かせた

私は、目玉が落ちないように、目を閉じながら

叫びそうな、口を、一文字に、くっと、への字に、変えながら

食いしばる

歯は、無くとも、唇が、唾液と、私の体内に、わずかに残った

意識を、逃さんように、巡回しているようにさえ感じる

私は、全身の爪を、靴の中の靴下の中に落としがら

歩き始めた

だれも居ない

校内放送もない

硬いタイルが、足から、筋肉へ

ゴムを、通じるように、響かせながら

私は、ただ、苦悩の黒い渦に、逃げ出すように

叫び声を、養鶏場の鶏のようにあげながら

白い白いタイルの床のある階段を、登っていく

白い階段とは、全く逆に、空気は、黒く煙のように、暗く

辺り一面を、巻き込み渦巻きながら

されどそれは、無味無臭で、私の肌は、それとは別に、感覚を失ったように

先進の血管に、針を、撃ち込まれたかのように

ただ、膿んだ細胞が、毛穴から、黄色く垂れ流され

刺された、欠陥通しの私の体からは、絶えず、虫のような、悲鳴が、金切り声を、何万と言うさざめきにつらない

叫び声を、あげている

これは、人間の声だろうか

それとも、私の苦悩だろうか

空虚に、回る風見鶏のように、私の頭のてっぺんで、乾いた、乾燥した

脳みそが、誰の風か回って居る

これは、誰の空想だろうか

私の足元に、白いタイルが、また、当たった




お弁当屋に、三百六十円の紅じゃけ弁当が、売っていた

先日は、百十円の安売りのものがあったが

私は、財布から、千円出すと、隣のの理事お弁当を、購入し

手元に、大量のおつりと、ビニール袋にくるまれた

その小さな、命が、渡された

私はそれを食べるに値する声明なのであろうか

ビル街に立ちふさがれた

その密閉した温度の中

太陽は、人工的なこの街を、熱している

その温度の上昇は、実に、非科学的に

エアコンの熱を吐き出し続ける

この非科学的な敗退的

鏡の街を、熱し続け

一体、何かに変貌でも、遂げるのだろうか

これほど、高温に、熱をは失し続けるのであれば、都会タービンでも回せば、それなりの発電量に

なるかも知れんと

思う反面

このガラスのビル街の中

私は、それから、通り過ぎると

ビル街に、忘れ去られたような

小さな公園を、発見した

だれも居ないし

誰も寄り付こうとしない感じがする

木々は、青々と、茂っているが

誰も、その場所を、認識しようともしていない

私は、お弁当のふたを開けて、割り箸を、割る

消費と消費

その結果の

私と言う人間の生命の継続は、どの程度の意味を、持ち合わせていると言うのであろうか

社会的、歯車を回す

水流としての人間的流動性

されども、人間は、所詮は、生命のつなぎにより、それを継続していることを、考えると

到底、今現代の、この構造は、酷く歪に、首の皮一枚を、見ないようにしている

貴族主義に、見えなくもない

ありもしない化学伴野主義の下に

遅れてやってきた、副作用

原子爆弾賛成と

それになぞらえた

必要以上の効果継続

自転車走行のような急いだ現状は、果たして、生命的余裕の損失なのではなかろうか

必要以上と言うものは、不要なものが、多いと言える

本来人間が用いられる情報量は、人間と言う生命が、持っていられる限界をも、そぎ落とし

ただ、小さく、手足の切られたかわいい人形のような不細工な体たらくを、示しているに鹿過ぎない

私は、ぽつりと、海苔を、見ながら、考える

私とは、一体、何だろうか

そんなものは、存在しているのか

私が、人間の体の一部だと考えたとき

そこに、意志は、必要であろうか

私に、行動力の必要性は、必要であろうか

ただ、流れる道の中

機械が、黒い道を、滑る

私は、一人、海苔弁当を、眺めている

私と言う存在が、仕事を、したところで

果たして、それは、生命的正しさなのだろうか

私がもし、子供を作らなければ

それは、私の無意味さの証明なのだろうか

証明とは何だろうか

何かをもって、正しさと、しないのであれば

私は、ただ、海苔弁当を、食べているに過ぎない

人は、何を、定められているのだろうか

正しさを、継続だと言うのであれば

その先に待っているのは、何だろうか

なっとくとは何だろうか

海苔弁当が、熱風で、しなびていくさなか

烏の声が、木々の間から、鳴り響く

遠くの方で、車の喧騒と、学校のチャイムが鳴り響く

人と言う存在意義を、私は、ぼんやりと、空を見上げながら

見ていた

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イタチ @zzed9

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