第35話
翌朝、昨日のこともあって、完全に目が覚めているわけではないので、目をこすりながら準備を進める。
準備をすませ、鏡を見ながら昨日考えた一連の流れをもう一度頭を整理する。今日の放課後のバイトが勝負だ。これを逃したら次はないと思わなければ。大丈夫だ。いざとなったら超能力を使おう。
玄関を出て、いつものように
「カエルぴょこぴょこ三ぴょこぴょこ、合わせてぴょこぴょこ六ぴょこぴょこ」
駅につき、電車に乗って、駅から再びテレポート
「カエルぴょこぴょこ三ぴょこぴょこ、合わせてぴょこぴょこ六ぴょこぴょこ」
学校のいつものトイレについて教室へと向かう。さらに放課後となり、再びトイレに戻り、駅のトイレを想像して再び唱える。
「カエルぴょこぴょこ三ぴょこぴょこ、合わせてぴょこぴょこ六ぴょこぴょこ」
それから電車に乗って、バイト先まであるいて行く、
「お疲れ様です」
レジにいる店長に挨拶をする。
「あら、お疲れ様。いつも早いわね。まるで瞬間移動でもしているみたい」
忘れないように頭の中で繰り返して考えていたことがすり落ちるのを気に留めるのを忘れ、店長の顔を見る。
「この間から思っていましたけど、店長、この能力について何か知っているんですか?」
「何が?」
この期に及んでまだとぼける気か
「超能力の事ですよ」
「まさか。私も超能力者だったっていうの?変なイマジナリーが見えて、早口言葉を唱えて、瞬間移動やテレパシーできると?」
「ご丁寧に全部説明しましたね」
「あははは、まぁ、そうね。使えた時もあったんだけどね。」
「やっぱり」
「いや、でも、もう無理。卒業してからは一回も使えたことはないわ。」
「でも、俺の気持ちのことは見透かしているじゃないですか」
「ははは。それはあなたが分かりやすいからよ。確かに超能力者だったときに色んな人の感情を読み取ってたからある程度の想像は付くようになったところはあるけれど」
「てことは、変な妖精みたいなやつにあった事もありませんか?」
「あー、アイツね。けれども気が付いたらいなくなってたけど。最後にあったのも大学入学したばっかりの時に一遍だけ。それっきりよ。」
「じゃぁ、アイツが何なのかっていうのは店長も知らないんですね」
「知らないわね」
なるほど、じゃあ、一体アイツは何者なんだ。
「まぁでも私が思うに不安に対するイマジナリーなんじゃないのかな」
なるほど。確かにそういわれてみるとアイツが現れる時には、悩みや不安を感じている時だった気がするな。
「お疲れ様です」
「あら、お疲れー、あなたも早いわね。まさか」
「やめてください。絶対に彼女にはこのことを言わないで下さいよ」
「えっ、でも彼女も知っておいた方が良いんじゃない?」
そんなことされたらこれからの計画が全ておシャンだ。
「絶対にやめてください」
念を押すように強調すると
「わ、わかったわよ」
必死さが伝わったのか納得してくれたようだ。
彼女の後を追うようにロッカーへと向かう。計画通りに、平気だ。ここに来る前に何度もシュミレーションしてるんだ。やるぞ
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