モニタリング・ゴッド
予想外だった。
普通、自ら食べて欲しいなど言うわけがない。
いや、普通では無いのだろう。
この少女からは、なんとなく只者では無い雰囲気が漂っている。
「ですから、私を食べてほしいと」
聞こえていなかったわけではない、意味を理解できなかったわけでもない。
ただ……予想の斜め上だっただけ。
「え、いややけど」
あたしの答えはこう。
人間なんて食べたくない。
大体、鬼と人間の見た目は、角の有無しか違いがない。ましてや角がない鬼もいる。
そんなの共食いみたいで気分が悪い。
「な、なぜですか!?
私、多分美味しいですよ?なんで食べてくれないんですか!?」
なぜ自分の味の善し悪しがわかるのだろう……
もしかして食したことがあるのか……?
……いや、そのことについて考えるのはやめとこう。
「人間食うとか共食いっぽくて嫌やん。」
「さ、さっきのはハッタリだったんですか!?」
「あぁ。早く帰ってもらうためのね」
というか、そろそろ眠い。
鬼は別に夜行性ではないのだ。
人間と同じ。昼夜逆転しているやつもいるけど
「じゃ、じゃあ……」
「あ?」
「じゃあ、私のことを食べたくなるくらい、美味しそうになればいいってことですね!?」
……………………
何言ってんだコイツ
「私、今日からここに住むことにします!」
「え?は?」
「あ、同居人になるなら名乗るべきですよね。」
「私は
「さぁ、貴方サマのお名前は」
「お、鬼の、
「誘鬼サマ!よろしくお願いいたします!」
「こ、こちらこそ……?」
……な、なんか、勝手に一緒に住むことになってる……?
まぁかわいいから良いけど……
「……ん?神サマ?」
「はい!神術を扱う、神サマです!」
「え、そ、それって……」
「はい!鬼くらいはデコピンで倒せます!」
「……はああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!?!?」
こうして私は、可愛らしい神サマ(鬼を秒で倒せる)と同居することになったのである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます