第7話 目標

 私は街についたらすぐノエルと別れ、帰路︙︙とは言っても昼間に泊まった宿に行き、部屋に入る。


「今日はいろんな事があったな」と、思いつつ、今日あったことを振り返る。


 ノエルさん達と会って、一人で狩りしたり、ノエルさんと一緒にダンジョンにいって帰ってきたりと、今日あった事を思い出しつつ、忘れないようにゲーム内日記を書いてから、パジャマに着替え、宿に置かれたベッドに寝転がる。


「今日はこのまま寝落ちしようかな︙︙」


 頭にモヤがかかったように思考を阻害され、睡魔が私を誘惑してくるのに耐えながら今日買った猫のぬいぐるみをインベントリから取り出し、ベッドの横に置く。


「もう、だめ︙︙眠ぃ」


 私は睡魔に耐えられなくなり、睡魔に身を委ねる――




 ウィンドウが音を鳴らしながら光り、私は目を覚ます。


 重たい瞼を擦りながら重たい体を持ち上げる。


「うぅ︙︙、よく寝た︙︙」


 両手を使い体を伸ばしすことにより、目が少し冴えてきて視界の端に通知が来ていることに気づき私は通知を確認する。


 通知は二件あり、一つは一週間後に開催されるイベントの開催時間などが記された運営からのメッセージで、もう一つはフレンドであるノエルからだった。


 メッセージの内容は「今日のログインする時間早くない!?」と「もしよければ今日の昼ギルメン紹介したいんだけど、どうかな?」という内容のメッセージだった。


 私はまぁ、昼は特に予定ないし別にいいかと思い、ノエルに「わかった、場所とか決まったら教えてね」と返信しウィンドウを閉じる。


 私は午前中は街でも探索しに行こうかなと思い部屋を出る。


 


 宿屋を出てからちょっと離れた大通りには露店が広がっていて、肉が焼ける音や焼けたパンのいい匂いなど、様々な匂いが混じる場所にきた。


 私は甘い匂いつ釣られて一つの屋台の所に行く。


「すみません、これ一つください」


 メロンパンに指を向け、NPCの店員に話しかける。


「はい、どうぞ、お嬢さん」


 ウィンドウに手をあて払いを済まし、メロンパンを両手で持ち、食べ歩きをしながら街を探索する。


 食べ終わって、残った包み紙は耐久値がゼロになりポリゴンとなり消えていく。


 いつの間にか街の出口周辺に来ていて私は街の地図の北方向にある湖の方へ向かった。


 湖の周りは木や植物が生えていて街の中なのに森みたい、と感想述べ、湖に近づく。


「VR世界での水ってこんなに綺麗なんだ」


 太陽の光をキラキラと弾く水面を見ながら手で水をすくう。


 水はチョロチョロと両手からこぼれ落ち、手にひんやりとした感覚だけが残るの感じながら手を拭き周りを見渡す。


「あっ」


 視線の先には水車のついた小さな木造の家が建っていて、水車がゆっくりと、くるくる回っていた。


 私が気になって家の中に入ると、家の中は空っぽで、買えることができる家らしく画面端にウィンドウが出現している。


「この辺の家ってもう買われてると思ってた」


 何気に気に入ってしまったので家の金額を見ると値段は千百万で、とても私が買えるような値段ではなかったが、間取りなど気に入った家だったのでまた、買いに来ることを決意する。


「やっぱり家は高いなぁ」


 そんな事を考えつつ私がこれからどうしようかと悩んでいると、音を鳴らしながら通知が表示されノエルからメッセージが来たことを知らせる。


「ごめーん、場所教えるの忘れてた!場所は噴水前に来てくて、私がホームに連れて行くから!あと、時間は十二時で大丈夫?」と言う内容だ。


 私はノエルに「わかった、今から向かう」と返事を返し、噴水前に向けて歩き始めた。



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