第2-11話 よく言えば孤高、悪く言えばぼっち
私の名前は
冒険者界隈ではそれなりに名を馳せてるソロのSランク冒険者だ。どうしてソロ冒険者なのかって?
――人付き合いが苦手だからよ。悪いッ!?
苦手なものは苦手なんだからしょうがないじゃない。
女の子同士で集まってなにかする事自体は嫌いじゃないのよ。
十分楽しんだ所でスパッと解散すればいいのにだらだら過ごす時間は本当に苦手。
その時間、自分の為に使いたいって思っちゃう。
団体行動が苦手なそんな私だから有力パーティーや有力クランからの誘いを断り続けてたらいつの間にか【孤姫】なんて渾名つけられてるし……
【孤姫】ならまだSランク冒険者としてそれっぽいからいいけど【ぼっちプリンセス】なんて渾名だったら冒険者引退してたわ私。
元々強力な
天稟があるとはいえ
ここからは先はまさに【命を預けられる仲間】とパーティー組まないと下層にはいけないのは確か。
でも【命を預けられる仲間】ってどうやって出会うの?
友達の紹介で~とか合コンで~とかで巡り合える相手じゃないでしょ?
冒険者ギルドの受付のお姉さんに相談すればそれなりの相手を紹介してはくれるんだろうけどなんか無理。詳しくは言えないけど私への視線が不合格。
不合格とか何様?って言われそうだけど命に関わる話だから許して。
命を懸けて下層に潜らないといけない理由も特にない私は正直冒険者として停滞していた。
そんな時だった。あの炎の仮面冒険者が現れたのは――。
これなら女の子受けするんじゃないかってアルパカの仮面をかぶったり、アルパカそのものに変身しちゃう人。
1年前から女性配信冒険者を陰ながら守り続けてた人。
たったひとりで。
ぼっち仲間だ(違う)。
炎の冷蔵庫姿で94-95層を踏破し、ダンジョンコアを破壊してみせた日本初の100層踏破者。
自分のクランを創って冒険者報酬は奨学金基金に全部回すっていう人。
世間の人達はその行動に驚くけど、その気持ちは私にもわかるの。
とにかくそんな人いるんだって一度会ってみたくなったから【炎麗黒猫】に応募してみた。
サッカースタジアムで催された【炎麗黒猫・
これが来場特典ってヤツ?(違う)。
話しかけるとたまにほわっと光って可愛いから【蛍ちゃん】て名前をつけた。
精霊ちゃんと話す事なんて出来ないけど多分喜んでくれてる。そんな感覚がある。
3日後。【炎麗黒猫】に応募したSランク冒険者の顔合わせがあるらしい。
大手配信冒険者事務所【研能】のオフィスに来てくださいと連絡がきた。
どうしよう。緊張してきた。
【黒猫ハーバリウム】の子たちにも会えるかな?私は清楓ちゃん推し。
緊張するけど楽しみだなー。
予感がするの。
多分
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【炎麗黒猫】のクランマスターに次ぐ最強格、Sランク冒険者【ぼっちプリンセス】です(違う)。
マスターの右腕的存在に。左腕は次話で登場予定です。
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